柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

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2009-08-14 07:33:55 | Weblog
東京医大(本丸ではなく茨城分院だそうですが)病院で診療報酬不正請求事件です。つまり嘘言って水増しして、の事件です、いわくチンケな事件。ご存知の事とは思いますが日本の国民皆保険制度は世界に類を見ない良質な医療制度です、アメリカも同じ様なものを作ろうとしていますが中々できません。昭和30年前半から維持されている立派な制度です、世界に誇れる制度です。が、どんな制度もそうですが弱点抜け道は必ずあります、この制度の一番の弱点は不正請求のやりたい放題のところです。やりたい放題なんて言うととんでもないように聞こえますが、保険の利く医療機関への収入は、医療機関の申告(診療報酬請求)に沿って支払われるのです。例えばあなたがお店で買い物する時は現物とお金を交換しますね、極々当然の光景です、でも診療報酬は窓口で3割ほど現金いただきますが、残りの7割は後日(月単位で)保険基金に請求して2ヶ月後に支払われます。支払う側にその時点でチェック入れにくいのです。明らかな間違いや無茶な請求はもちろんチェックされますが、架空請求は請求当初にはどうにも見つけられません。だから昔から悪さするバカが絶えません。職業人としての矜持にかかわる話と思うのですが絶えません。この制度は正しく請求してくださいねという前提でこそ成り立つという危うさを内蔵しているというわけです。あなたを信用しますからちゃんと診療して下さいという構えです。小泉改革以降減額に減額を重ねてきた診療報酬ですが、それでもこの制度を守らねば日本の医療が崩れます、医者達は大幅な収入源や閉院廃院の嵐の中でも性善説を守ってきています。どんどん安くなる医療単価にブツブツ言いながら正しく請求しています。大学病院やら公的機関がこれをや破り始めるとこの制度が危なくなります。お上の締め付けが強くなりましょう、すればまた端々(私達町の開業医)への影響が出ます。2200億円の減額が中止されるそうですが、ここまで壊れてしまった後では金を元に戻すだけではとても足りますまい。ふうむ、大丈夫かな。この制度が潰れたら医療格差はえげつないことになります。道路ですか、マンガ館ですか?医療ですか?
コメント
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