ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

アルザスの面影があるピノ・ノワール@チリ

2015-10-14 08:47:33 | ワイン&酒
昨日のパイスワイン“ピペーニョ”の「ヴィーニャ・マイティア」に続き、
チリから新しく上陸する生産者 「モンセカーノ -MONTSECANO」を紹介します。


左)Pinot Noir “Montsecano”2013  右)Pinot Noir “Refugio”2014
MONTSECANO (Chile, Casablanca Valley)

冷涼なチリのカサブランカ・ヴァレーで、バイオダイナミクスで育てられたピノ・ノワールを使用し、卵型のコンクリート・エッグタンクで熟成させている赤ワインです。

ワイナリーの名前を冠した“モンセカーノ” は、最も海寄りの赤茶色の花崗岩土壌の自社畑のピノ・ノワールからつくられています。海からの冷たい風が吹き、夏でもとても寒い場所になります。
果実味がクッキリとして凝縮感が強く、アロマや味わいがややストイック気味で、まだまだキュッと閉じこもっている状態のように思います。これがほぐれてくると、どんな素晴らしい状態になるのか、非常に期待が高まるワインです。アルコール度数14%

“レフーヒョ” は“避難所”という意味だそうです。
こちらはアロマ豊かで、うまみがたっぷりと乗ったデリケートな果実味が、ふわふわ、もわもわと広がり、やさしくエレガント。うまみある果実味と品のよい酸のバランスがよく、今すぐ飲んでも、おいしく飲めます。アルコール度数14%

これ、どこか仏アルザスのピノ・ノワール的なのよね…(特にレフーヒョ)と思ったら、アルザスと関係が大ありでした。



ブドウを育てているのは、オーナーのフリオ・ドノーソ氏(プロのカメラマンでもあります)ですが、ワイン醸造は仏アルザスの名手「オステルタグ」のアンドレ・オステルタグ氏が行なっているとのこと。

フリオ氏が取材先のアルザスで出合ったアンドレ氏と意気投合したことから、アルザスと季節が反対になるチリでの醸造を引き受けてくれたそうです。

アルザスのオステルタグがチリでつくるピノ・ノワールだったとは!

どこかアルザス的、と思ったのはもっともで、でも、内陸の仏アルザスと、海寄りのチリのカサブランカ・ヴァレーはまったくテロワールが異なります。
その違いを探りながら飲むのも面白そうではないですか?


参考上代:レフーヒョ 3400円、モンセカーノ 5300円(税抜)

(輸入元:布袋ワインズ株式会社)

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