ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

うまみたっぷり!チリ伝統のパイスのワイン

2015-10-13 10:41:53 | ワイン&酒
先週出かけた試飲会で、いい出合いがありました。

カリフォルニアワインの輸入元として知られる布袋ワインズが、チリワインの輸入を始めました。
取り扱うアイテムはまだ少ないですが、コレ!というものを見つけました。


Pipeňo “Aupa” 2014 VIŇA MAITIA (Chile, Maule Valley)

パイス70%とカリニャン30%でつくるピペーニョ“アウパ”。
大樽でつくられる “ピペーニョ”は、チリで日常的に飲まれているカジュアルなワインです。

マグナム(1500ml)とレギューラー(750ml)の2サイズがあり、どちらも同じワインということです。が、飲み比べると、レギュラーボトルの方は、ハッとするスパイス感、フルーツ感が中心となり、マグナムボトルの方が口当たりがソフトで、あたたかみがあり、よりうまみを感じます。どちらもアルコール12%と軽やか。

聞けば、マグナムはノンフィルターで瓶詰めしているそうで、瓶底には澱が見られます。
レギュラーは1,900円、マグナムは3,800円(希望小売価格)。
私のオススメは、断然マグナム!
抜栓してから1週間おいても、全然いけるとのことでした。



“パイス-Pais”は、キリスト教の布教のため、スペインから中米に持ち込まれたブドウです。
宣教師たちは、アメリカ大陸の西海岸を北上しながら、伝道所(ミッション)を建てていきますが、キリスト教の布教活動のために使われたワインの原料ブドウが“パイス”で、カリフォルニアでは“ミッション”と呼ばれました。

パイスは、チリではマウレ・ヴァレーとビオビオ・ヴァレーで普及しましたが、凝縮感のあるワインをつくることができないため、どんどん引き抜かれ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの国際品種が台頭してきます。
その流れを止め、チリ伝統のパイスのワイン“ピペーニョ”を守ろうという生産者たちが現れ、そのひとりが、このヴィーニャ・マイティアのオーナーであるディヴィッド・マルセル(フランス、バスク出身)です。

パイスを使ったワインは、今後、要チェックです。



Maitia 2014 VIŇA MAITIA (Chile, Maule Valley)

ヴィーニャ・マイティアのもうひとつの“マイティア”は、カリニャン60%、カベルネ・フラン30%、パイス10%をブレンドした赤ワイン。
スパイシーなアロマの後、フルーツが前面に出てきます。フルーツがふっくらピュアで、かわいらしいワインですが、“アウパ”と比べると、洗練されています。希望小売価格2700円。

ちなみに、マイティアは英語のマイディア(My Dear)、アウパはバスク語のViva(万歳!やった!)の意味だそうです。

アウパは仲間でスポーツ観戦をしながらワイワイと、マイティアは親しい人とゆっくり飲むのに良さそうかな。
アウパをハウスワインとして毎日少しずつ晩酌で飲むのもいいなぁ~(笑)

(輸入元:布袋ワインズ株式会社)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする