ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ちょいとひとひねりある黒ブドウの白ワイン

2015-10-30 09:16:05 | ワイン&酒
“黒ブドウで仕込む白ワイン”として有名なのは“シャンパーニュ”で、これは、ワイン好きの方ならよく知ることでしょう。

黒ブドウでも、中の果肉は白いので、黒い果皮の色を果汁に出さないように搾ります。
黒ブドウでつくる白いワインは、“ブラン・ド・ノワール”と呼ばれます。

この製法は、泡のないスティルワインの世界ではちょっとレアなものでしたが、近年では、ときどき見かけるようになりました。
スティルワインのブラン・ド・ノワールについてはワインのプロたちが興味を示すケースが多いように思います。その反応から、これを扱う輸入元も増えてきているように思います。

じゃあ、これは?


Valcendon Tempranillo Blanco 2014 Rioja Bodegas d Matos (Spain, Rioja)

先日出合った「ヴァルセンドン・テンプラニーリョ・ブランコ 2014リオハ」は、白ブドウのテンプラニーリョ・ブランコでつくられています。

テンプラニーリョというと、スペインを代表する黒ブドウです。
テンプラニーリョ・ブランコは、それの白ブドウバージョン(突然変異体だそうです)というわけですが、なまじ赤ワインになるテンプラニーリョをよく知っているだけに、飲む前から違和感が・・・(笑)

いえいえ、そういった先入観を排除して飲んでみると、リンゴ、洋梨などの白い果肉の果物のフレーバーが豊かで、酸も充分あります。ほんのりメロウな印象と、酸が支えるエレガントさがいい感じで、バランスよく飲めます。
輸入元希望小売価格2140円。このチョイスもありかも?

というわけで、このワインは、正確には、白ブドウの白ワインです。

※輸入元:株式会社オーレジャパン



ツァペル・ビアンコ IGT テッラッツェ・レティケ・ディ・ソンドリオ 2013
アルド・ライノルディ(Italy, Lombardia)

カジュアル楽しげなラベルのこちらは、黒ブドウのキアヴェンナスカ(ネッビオーロ)70%と、白ブドウのソーヴィニヨン・ブラン30%をブレンドした白ワインです。

イタリアのロンバルディア州の歴史ある生産者で、キアヴェンナスカにこだわるつくり手ゆえ、白ワインにもキアヴェンナスカを使用したわけです。
黒ブドウと白ブドウをブレンドして白に仕立てるのは、まさにシャンパーニュ的。このワインには泡はありませんけれど。

柑橘の風味があり、サッパリとした味わいです。樽は使っていません。シュッとしたタンニンの存在を感じるのは、黒ブドウからのものでしょう。アルコールは12%と軽やかです。
スッキリとしたキレのある酸は、冷涼な気候由来ですね。ややシャープなミネラルも感じます。
参考小売価格3000円。
※輸入元:大榮産業株式会社



今回は、単なる黒ブドウの白ワインではなく、ちょっとひとひねりある白ワインを紹介しました。

色々なバリエーションがありますね。
ワイン好きの好奇心を刺激します

コメント
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