ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

シャトーヌフ・デュ・パプで注目したい30歳の若手生産者

2011-02-16 23:13:41 | ワイン&酒
「ご縁」は不思議なものだわ・・・と実感した出来事がありました。

昨日、南仏の「Chateauneuf-du-Pape」について紹介しましたが、本日出かけた先の試飲会でバッタリ再会した古い知り合い(フランス在住の日本人女性)が紹介していたのが、Chateauneuf-du-Papeのワインだったのです。



Chateauneuf-du-Pape Terroir 2008 Domaine la Baroche

彼女はずっと南仏ローヌ周辺のワインを日本に紹介し続けているのですが、今回持ってきたのが、
「ドメーヌ・ラ・バロッシュ」 という造り手のシャトーヌフ・デュ・パプ2種。



「テロワール」グルナッシュ95%+その他5%というキュヴェ

口当たりがふっくらやさしく、果実味がみずみずしい、エレガントで女性的なワインです。
グルナッシュの旨味がじんわり~としみ込む滋味系で、ピノ・ノワール好きの人ならきっと好きなはず、というパプです。



Chateauneuf-du-Pape Sinature 2008 Domaine la Baroche

「シナチュール」グルナッシュ64%、ムールヴェドル17%、シラー11%、サンソー8%をブレンドしたキュヴェ。残念ながら、私が飲もうとした時は、すでに瓶は空・・・

ブドウ品種を多く使っているので、「テロワール」よりも複雑な旨味がよく現れ、また、熟成のポテンシャルも高く、セラーにキープしておくのにオススメだとか。




シャトーヌフ・デュ・パプのここ数年は、
2007年と2009年が優良年なので、10年は長熟させたいタイプですが、
2008年は天候が厳しかった ため、あまり評判がよろしくない、というのが一般に言われているヴィンテージ状況ですが、それは生産者次第というのが、ドメーヌ・ラ・バロッシュのパプを飲むとよくわかります。

ドメーヌ・ラ・バロッシュは14世紀から続く古い家系で、かつてはネゴシアンにブドウを売っていたのですが、息子のJulien Barrotさんが2002年から家業に携わるようになり、2004年ヴィンテージから自らのワインの瓶詰めを始めました。

ジュリアンさんはまだ30歳の若手ですが、2005年ヴィンテージのキュヴェのひとつ(マグナムボトルだそうです)が、某ポイントで100点を獲得した!という話も聞きました。

ポイントはもちろんひとつの参考になりますが、その話を聞かないうちから、つまり、飲んだ段階ですぐに彼のワインの素晴らしさが伝わってきました。

テクニックももちろんあるでしょうが、
平均樹齢60年という古い木を持っていること(100歳を超えるグルナッシュも!)
畑をあちこちに持っているため(土壌が多様)、それぞれ個性の異なるブドウを必然的に使うことになり、よって非常に複雑味のあるワインになるようです。



これはいい生産者を教えてもらいました!
エレガントで旨味のあるワインが好きな方は、要チェックです。




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