ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

絶世の美女ワイン「アストール1979」

2009-02-04 10:29:50 | ワイン&酒
10年近く前、山形県上山温泉にある「タケダワイナリー」にお邪魔した際、ワイナリーで売られていたワインをいくつか買ってきました。
これは2本買い、1本は比較的すぐに飲んだのですが、これはずっとセラーに寝かせておいた1本です。



ASTRE 1979
アストール≪絶世の美女≫ワイン 赤・辛口  タケダワイナリー (山形県)


バックラベルの説明書きはコチラ。

「蔵王山麓に広がる風光明媚、気候良好な自家農園で完熟を待って収穫した、赤ワインの高級品種ブラック・クイン種をフランスから直輸入の樽で熟成させ、絶妙に仕上げました。芳醇な香りと繊細な味は、まさに大地の恵みを人間の技が生み出した赤ワインの逸品です」



山形県産のブラック・クイーン種を100%使ってつくった辛口の赤ワインです。

ブラック・クイーンは日本で交配されたブドウですが、同じ日本生まれのマスカット・ベリーAと比べると栽培面積も少なく、よって、ブラック・クイーン100%というワインもあまり見かけません(なお、どちらも川上善兵衛氏が手がけています)。
(ブラック・クイーンは山梨県の機山ワイン、ルミエール等でつくっています)

色濃く、野性味があり、私はそれが好きなのですが(特に上記で挙げた機山ワインがお気に入り)、人によっては好き嫌いがあるかもしれません。

このブラック・クイーンがどれだけ熟成するのか・・・・
このままセラーに置いといてもいいものかどうか不安だったので、昨年の年末、いつもの定例ブラインド会に持参して皆に飲んでもらいました。



30年近く経った、熟成したワインならではのいい香りが出ていました。

酸がけっこう強めに残り、出汁っぽい風味、野生っぽさ、塩っぽさ、鮎めしのようなイノシン酸、梅っぽい酸味などなどが感じられ、ブルゴーニュワインでいえば、モレ・サン・ドゥニを思わせる感じ?

辛うじてOKですが、ワインとしては下ってきているので、この時に出して、ギリギリで正解でした。




今でもタケダワイナリーではブラック・クイーン100%「アストール」の銘柄のワインをつくっていますが(赤・白)、なぜか甘口タイプに変わっています。

辛口だった赤がいつから極甘口に変わったのかわかりませんが、
「辛口の絶世の美女」 にはもうお目にかかれない・・・というのが残念です。

コメント (3)
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