鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

人災の要素も出てきたガス事故

2007-02-13 | Weblog
リンナイに続いて大阪ガスもガスストーブでの一酸化炭素(CO)中毒による事故死が判明した。10日、大阪市で老人夫婦がCO中毒で死亡した。鳥取三洋電機が製造、大阪ガスが69年から72年にかけて販売した金網型ガスストーブの長時間使用によるのので、不完全燃焼防止装置がなく、30分に1回、1分間の換気が必要だった、という。現行のガス事業法では屋内型のガススト-ブなどには不完全燃焼防止装置の設置が義務つけられているが、今回のは適用前の製品だった、という。しかも現在も同機種製品が近畿圏で140台使用されている、という。大阪ガスでは点検の実施と買い替えを呼びかけ、希望者には無料点検を行うことを決めた。
 さきに東京・豊島区でリンナイ製ガス湯沸し器によるCO中毒で老婆が死亡した事故で、東京ガスが点検に訪れた際に、対象外の機器だったため、単にステッカーを貼って換気を促すだけにとどまっていた事実も明らかとなった。
 昨秋にパロマ製ガス湯沸し器によるCO中毒事故が頻発していた件で、会社存亡の危機に立たされていたパロマは思わぬ展開にほっと胸をなで下ろしていることだろう。あの時には一方的にメーカーのパロマが悪い、パロマは極悪企業である、とのレッテルを貼られ、あと一歩で崖から落ちかねない状況でもあった。
 それが、年が明け、今度は同業のリンナイでも同じようなCO中毒事故を隠蔽していた事実が明らかになったのに続いて、東京ガス、大阪ガスでもCO中毒事故が起きていることが判明、責められるのはなにもパロマだけでないことがはっきりしてきた。しかも、事故の原因としては機器だけでなく、換気をしなかった消費者側にも一半の責任がありそうだ、ということになってきた。密閉した室内で火を焚けば、酸素がなくなり、息が詰まってくるのはだれでも知っていることで、メーカーだけを責めるわけにはいかないだろう。
 昔、定期券のルートを勝手に解釈して使っていたところを駅員に呼び止められ、駅務室に連れていかれ、当の駅員からネチネチやり込められ、定期券を没収されるのかな、と覚悟していたら、若い女の子が同じ部屋にもっと性質の悪そうな件で引っ張られてきて、もういいと無罪放免となったことがある。パロマもさしづめそんな心境で被告席に追い込まれていたことと思う。一辺に被告席が膨れ上がったわけで、事柄上、無罪放免というわけにはいかないが情状酌量という感じにはなってきた。
 もちろん、人命に関わることだけにここは慎重に取り計らってもらいたいものだ。
 
コメント
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