とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

映画「白夜行」

2011-02-04 23:49:45 | 映画
『白夜行』 予告編


チェック:今まで舞台化やテレビドラマ化されてきた、東野圭吾の人気小説を、『60歳のラブレター』の深川栄洋監督が映画化。ある殺人事件にかかわった人々の複雑な人間関係を軸に、19年に及ぶ男女の狂おしい愛情を描く。『ALWAYS 三丁目の夕日』などの堀北真希が聖女の顔をした悪女役で新境地を開拓。彼女の守護神のような相手役を、『おにいちゃんのハナビ』の高良健吾が好演する。互いの存在だけを頼りに必死に生き抜こうとする男女に課せられた残酷な宿命に言葉を失う。

ストーリー:昭和55年、質屋の店主が殺されるという事件が起きるが、結局被疑者死亡のまま解決。だが、当時の担当刑事笹垣(船越英一郎)は、何か腑に落ちないものを感じていた。数年後、事件の殺人犯と目されていたがガス中毒死した女の娘雪穂(堀北真希)は美しく成長し、一方質屋店主の息子亮司(高良健吾)も事件後は家を出ており……。
(シネマトウディより)

今日、映画「百夜行」を見てきた。原作を読んでいたので、ストーリーはあらかた判っており、原作のイメージをどの程度壊さずに作られていたかを気にしながらの鑑賞だった。分厚い原作を2時間半近くの映画にまとめるのはかなり大変な作業である。それでも、最初から2時間くらいは原作のイメージをうまくまとめた出来上がりだったと思えた。原作もそうであったが、いろんな事件がたんたんと発生するが、なんの説明もなくどんどん進んでいく。誰が犯人で、何の為に起こしたのかは一切説明がない。初めて映画を見た人は、何が何だか判らずに見ているだけかもしれない。しかし、これが東野圭吾の「白夜行」の真髄である。最後の最後まで見ていないと、事件の真相は見えてこないのである。

ただ、後半30分くらいから、ネタばれが始まった。原作では、最後の最後まで明確に誰が犯人で何の為に事件を起こしたのかは明らかにされていない。状況からして、多分犯人は誰で、こういう目的で事件を起こしたのだろうという推測がつくだけである。しかし、映画では船越栄一郎扮する笹垣が真相を明らかにしていく。映画的には、こういった演出が必要だったのだろう。私も原作読んでた時は、理解に苦しむことがあって、こういう説明があったらすっきりしたことだろう。

キャストは、聖女の顔をした悪女の雪穂を、堀北真希が演じている。「三丁目の夕日」のろくちゃん役がいまだに印象深い堀北真希だが、まさに新境地開拓ということで見事に演じていた。最後に、大切だった青年の死を目の前にしても「知らない」といって笑みを浮かべる様は、ぞくっとする。堀北真希ちゃんも大人になったなと感心した。また、亮司役の高良健吾はWOWOWドラマ「マークスの山」でも暗い過去を背負った青年役がはまっていた。今回も同様の役で、彼を見るとそんなイメージが重なってしまう。そして、それぞれの子役も、可愛いながらも目がぞくっとするような表情がでており暗い子供時代をすごしてきたという印象をしっかり演じていた。

船越英一郎はサスペンス物の帝王を呼ばれているらしいが、今回は事件を解決できなかった無念さを背中に漂わせた初老の元刑事を見事に演じていた。ただ、真犯人に自分の息子になれとまで同情するというのはどうだろうか。映画的には、最後まで暗く重いサスペンスドラマに徹していってもよかったのではないかと感じた。そのほうが東野ワールドに近いような気がする。

「白夜行」を映画で、続編または姉妹編と言われる「幻夜」をドラマで見たが、雪穂=美冬なのかがやはり気になってしまう。美冬のその後はどうなっていくのだろうか?原作者の東野圭吾氏が「白夜行」→「幻夜」に続く3作目を出してくれるのかをやはり期待してしまう。


 

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