とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

屋久島ツアー2日目(5/24)

2009-05-28 22:20:29 | 山登り
さて、この日から宮之浦岳縦走一泊キャンプを行う。朝5時に山岳ガイドのKさんが宿まで迎えに来た。初対面だが、誠実そうな感じで気兼ねなくいけそうな気がした。まずはKさんの車で淀川登山口まで向かう。途中までは二車線の広い道でかなり整備されている。屋久杉ランドを過ぎ高度をぐんぐん上げて登山口に向かった。途中でもいくつかの屋久杉(樹齢1000年以上の杉)に遭遇した。樹齢3000年という「紀元杉」や「川上杉」などは車でも見に行ける屋久杉である。最初から、巨大な杉に圧倒された。

1時間半ほどかかり、登山口の淀川についた。

駐車場では団体さんが準備体操に余念がなかった。駐車場は満杯でかなりの登山者が入っているようであった。我々も朝食の弁当を食べてから荷物を背負い、いよいよ登山の開始である。我々の荷物は、寝袋、マット、着替え、行動食、雨具、水等でせいぜい5,6キロの荷物だがKさんは20キロ近い大荷物をしょってガイドしてくれるのだ。荷物の中には、小屋に入れなかったときの為のテントや、4人分の食料、ガス、鍋等が入っているようだった。こんな頼もしいガイドがいなければ宮之浦岳縦走一泊キャンプなど、到底できないだろう。

歩き出して早速、きれいなサクラツツジに出会う。

所々で淡い桜色のツツジを見ることができる。辺りには霧が立ち込め、薄暗く鬱蒼とした森の中を進んだ。もう少しで淀川小屋に着こうというあたりで急に大粒の雨が降ってきた。小屋は近いが雨具を着る間もなく、かなり濡れてしまった。「屋久島は年間350日 雨が降る」と言われるほど雨の日が多いと聞いていたがやはり雨はつきもののようだ。

小屋に着くと雨具を着こみ、雨の中を出発した。

森の中の美しい水の流れや、タコの足のように絡み合った木の枝、苔むした地面など屋久島らしい雰囲気の中を進んだ。


ほぼ30分くらい経つと次第に空が明るくなり、陽が差してきた。陽が差し始めると一気に空が晴れ渡ってきた。青空が見え始め気分が一気に高まってきた。

Kさんがトウフ岩が見えるというので、その方向を見ると山のてっぺんにトウフをきれいに切ったような岩が見えていた。

山の名前は「高盤岳」といい、トウフ岩が目印だ。「高盤岳」の周囲を回りながら進むと、日本庭園のような小花之江河(こはなのえご)という場所についた。

この辺りは日本最南端の高層湿原で屋久島固有の植物が多く見られるところである。その先の花之江河(はなのえご)では、鹿がのんびり植物を食べていた。


花之江河を過ぎると、植生がかわり低木が増えてきた。ところどころでヤクシマシャクナゲを見かけるようになってきた。まだ咲きはじめで満開とはいえなかったが赤色、ピンク、白色の花がきれいだった。最盛期には山肌一面を染める様は圧巻だという。ただ、花数は去年が当たり年で今年は裏になるので少ないかもしれないということだった。



シャクナゲを見ながら更に進むと、人の顔や脳にみえる面白い形の岩を幾つも見るようになる。屋久島の山は花崗岩でできているので、奇岩怪石が多いのである。


目の前に宮之浦岳が見えてきたところで、昼食をとった。真っ青い空の下で雄大な景色を見ながらとる昼食は最高である。ぼーっと昼寝でもしたくなるような陽気でもあった。先に出発していた団体さんが下山してきた。宮之浦岳の往復日帰り登山のようであった。

昼食を済ませ、屋久島最高峰の宮之浦岳(1936m)を目指す。日本百名山の100番目の山であり、自分にとっては54番目となる山だ。ほぼ30分ほどで山頂に到着する。山頂からはかすかに種子島がみえ、水平線が丸いことを実感できる。

宮之浦岳の周辺には永田岳、翁岳、黒味岳といった九州の山の上位7座までを占める山々が連なっていることがわかる。まさに洋上アルプスといっても過言ではない景色だ。のんびりしていたいところだったが、屋久島の気象は厳しい。山頂周辺では強風となり雲が滝のように流れていくのが判る。強風の中、慎重に下山を始めた。

宮之浦岳から平岩に向かうコース上では花をつけたシャクナゲが増えてきて見頃になっていた。


前半は少なくて物足らなかったのだが、この辺りは見事なシャクナゲの群生が見られるようになっていた。宮之浦岳往復で帰った団体さんは見ることができなかった景色である。やはり縦走コースが良かったのだ。ここら当りも、奇岩の山がありお面に見える岩を目指して進んだ。


幾つかの展望台で景色を楽しんだ後、今日の目的地「新高塚小屋」についたのは午後4時半くらいだった。

小屋の収容人数は40名ほどと聞いていたが、20名ほどしかいなく今夜は余裕で眠れるようで安心した。テントの準備はいらなかった。小屋近くには水場があり食事の準備をすることになった。今回は、ガイドさんが全て準備してくれたので、我々は手を出さず何ができるのか興味心身で料理の出来上がりを待った。

まず最初にできたのは、鯖漬けとたまねぎのマヨネーズ和えだ。これをつまみに地元の焼酎「三岳」のお湯割を飲みながら混ぜご飯が炊き上がるのを待った。米も持参でガスで炊いてくれるのである。他には鶏肉とトマトやキュウリの生野菜のサラダもある。

山でこれだけの食事ができるなんて最高である。我々の食べている目の前まで鹿が寄ってきて、物欲しそうに眺めていた。登山者から時々餌をもらっているようで当てにしているようだが、本来餌を与えてはいけないので可哀相だが無視していた。そのうちあきらめて森の中に帰って行った。


食事をするとあとは寝るだけである。小屋の中は既に高いびきで寝ている登山者が何人もいた。小屋は避難小屋なので灯りはない。日没とともに辺りは漆黒の闇に閉ざされる。この日は新月でもあり月明かりもまったくない。雲が立ち込めたのか星もまったく見えず、恐ろしいほどの闇の世界となった。目を開けても閉じているのと変わらない暗さといったらわかるだろうか。これほどの闇を経験したことがなく、外に出ることも恐ろしくトイレに行くのも我慢して眠りについた。この続きはまた明日。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
別世界 (がんもどき)
2009-05-29 07:13:38
 不思議で美しい景色に、つい見入っています。3000年の杉ですか・・・雨量の豊富さは樹木の成長を促すのでしょうね。続きを楽しみにしてます。
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がんもさんへ (とっちー)
2009-05-29 22:26:18
ブログに載せたのは、ほんの一部です。まだまだ一杯あるのですが、全部載せるだけの時間も余裕もなく絞りに絞って載せました。

本物の景色を御自分の目でいつか見てもらえたらいいかなと思います。雨量と花崗岩の地層が植物の成長におおいに影響していることは間違いありません。
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想像以上に・・。 (あだち。)
2009-05-29 22:52:37
屋久島のトレッキングは、まさしく登山なのですね。
甘くみてはいけないことが、まず、わかりました。
今度お会いしたとき、ゆっくり聞かせてください。
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惹き込まれます! (しぞーかお伝)
2009-05-30 08:08:19
とっちーさん、写真がとってもリアル…臨場感があるので、もう自分が宮之浦岳に立っている気分になってま~す。

ほんと私も行きたくなりました。存命中に行けるかなぁ(^.^)


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Unknown (Unknown)
2009-05-30 20:21:31
写真見ながら読んでるだけで ワクワクします、屋久島杉 身近なところでも見られるのですね。
私 今日のこの写真拝見して思い出しました。
映画「もののけ姫」は大変奥深い山の 神秘的な自然が大変美しく描かれている印象的なアニメーションでしたが 確か屋久島がモデルだって聞いたことが有ります。
今日の写真のような風景が登場します。
映画ご覧になりました?

ガイドさん 頼もしいですね。
とっちーさん達の満足感が伝わってきます。
鹿 可愛いですね。
サクラツツジ ヤマシャクナゲ
本当に可憐で綺麗。
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あだち。さんへ (とっちー)
2009-05-30 23:51:21
天気が良かったので、楽しく登山できましたが一旦雨に降られると、とんでもないような大粒の雨となり山道や沢の流れは濁流となり人をも飲み込んでしまうようなこともあるそうです。

屋久島をよく知っているガイドがついていないと悪天候時は大変なことになるらしいです。今度お会いしたとき、いろいろ情報を教えますよ。
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しぞーかお伝さんへ (とっちー)
2009-05-30 23:56:34
どうも写真を褒めていただき恐縮です。
続きをアップしたいのですが、遊び回っていてなかなかできません、明日には、またいい写真を掲載しますよ。

存命中にいけるかどうかなんて、寂しいこといわないでくださいよ。行きたい時に行かないと何時までたっても行けませんよ。
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Unknownさんへ (とっちー)
2009-05-31 00:04:52
お名前がありませんが、いつものあの方かなと思ってます。

映画「もののけ姫」は確かに屋久島をイメージして作ったものですね。「もののけ姫」を見て屋久島のイメージがたくさんの人たちに伝わったことは間違いないことです。メディアの力は凄いですね。

ただ、地元では「もののけ姫」=屋久島と言われることはあまり喜んでいないようです。元来「もののけ」という言葉は屋久島にはない!と屋久島の主のような宿の主人が力説してました。そんな事情もあり、屋久島では「もののけ」という言葉は現在使われていないそうです。
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そうそう いつものあの人 (見切り)
2009-05-31 08:04:45
↑は

いつもの見切りです。
大変失礼致しました。

数字をいれてクリックしても なかなか 送信してくれなくて「確認して下さい」てしつこく言われてたの。
全然気がつかなくて こちらもしつこく数字を入れてクリックしてたら 諦めて送信してくれました。
親切なのか親切でないのか よく判りませんね。

やはり お宿でももののけ姫の話が出たのですね、来る人来る人 その話でしょうね。
地元の人は「屋久島」は「屋久島」であって もののけ姫の架空世界を夢見てのイメージでは それは違う!と言いたくなるでしょう。

屋久島は逃げないから 間で別のことも入れながら(このお休みもお出かけされてたのですね)ゆっくり書いて下さい、楽しみに読ませて頂きます。
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見切りさんへ (とっちー)
2009-05-31 16:50:43
やはり見切りさんでしたか。直ぐにわかりましたよ。

実は「もののけ姫」は見たことありません。宮崎駿の初期の頃のアニメは見ていたのですが、最近はアニメとは遠ざかっていました。暇な時にでも見てみますか。

なんとか今日3日目をアップできました。
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