新潟県糸魚川と長野県松本を結ぶ塩の道トレイルを走って繋げてみようと思い立ち、2017年から始めて3年目となった。今回は、昨年のリベンジ分と始点となる糸魚川迄を結ぶコースを走る予定だ。
まずは、昨年5月雪渓に阻まれた地蔵峠コースを完走しようと、北小谷駅からスタートする計画だ。前日は、白馬のペンションに泊まり、朝早く北小谷駅まで車で移動する。ちょうど梅雨の最中で、朝からしとしとと雨が降り続いていたが、大雨にはならないと見越して、全員雨具を着てスタートする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/4e/9c5680937423b7df4e89f4a70f159c98.jpg)
北小谷駅から、大糸線の踏切を渡り、舗装道路をグングン上っていく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/8e/5c5482497afa4c044791686a1b330724.jpg)
道路の片隅には、「塩の道千国街道・地蔵峠越え」の立派な標柱が建っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/70/0998642cad6d4ef5d270ff23eb216bbf.jpg)
眼下に見える川は姫川だ。長野県北安曇郡から新潟県糸魚川市に流れ、日本海に注ぐ河川である。水質ランキングでは、何度も日本一になっている一級河川だが、前日以来の雨でかなり濁っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/9b/fc668081057127b0ca824d8e053ddf4a.jpg)
トチノキの下を進んで行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/b9/4e9474836e53417a4d26ea71fabf2fbf.jpg)
途中で道を間違え、少し時間を取ってしまったが、何とか正規のルートに戻り、番小屋跡まで到着した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/71/da93ebbc09bbc42d05d9fedd39db623b.jpg)
白井沢を越えると、地蔵峠口だ。ここから本格的な登山道になる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/86/826a0407bcea0c32dab23af2da5d114b.jpg)
「貝の平」を通過する。ここは、武田軍に攻められている平倉城へ援軍が来たことを知らせるために貝を吹かせた場所と言われている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/4a/ecbf96608de9e5a7139608d1186087d8.jpg)
「地団駄」という場所は、平倉城が陥落し火の手が上がったのを見た援軍が、ここで文字通り地団駄を踏んだと言われている。歴史の舞台になったと場所と思うと何だか面白い。そして、地蔵峠まではあと0.8キロだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/0a/034016c48e431e1596a1cd8aa89abfe1.jpg)
「観音菱」には、観音様が崖に祀られている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/eb/d553ecd85a6c6510bc1f830ad66be811.jpg)
9:30。地蔵峠に到着する。地蔵峠は標高1036mの開けた場所で、奥にある地蔵堂には2体の地蔵菩薩が祀られている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/f8/83cd6d40d073e27df3ddcb8504751e3e.jpg)
地蔵峠越えの標柱の先は、素晴らしい展望が広がっているはずだったが、真っ白いガスに覆われ景色は全く見えない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/e0/118ece7a222e68457cc35bf5ba381ad9.jpg)
地蔵堂のすぐ下には、「乳房の木」と呼ばれる巨木がある。ハリギリの木なのだが、幹に大きなコブがあり乳房のように見える。昔から母乳が出ないひとたちの信仰の対象になっていたそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/a0/0b8740c47c57d4d811ce87989845fba7.jpg)
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「乳房の木」の横を通り過ぎさらに進んで行く。昨年は、この先辺りから、沢沿いに雪渓がかなり残っていて、装備が不十分だったためにあえなく撤退した場所だ。これから先は、未踏破の道となる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/86/ba36333071230087e511b79ce1a1108c.jpg)
登山道が、かなり崩落している個所があり、山側に身を寄せて慎重に進んで行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/58/57a53781fb4c3e04d972d41404766b3a.jpg)
10:04。塩の道の最高地点となる三坂峠(大峠)に到着する。標高は1200mだ。
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その後は、長者平に向かって下っていくが、まだまだ難所がいくつもあり、ロープを頼りに慎重に進んで行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/e2/a26da0d601f1948865d58803d0594784.jpg)
次第に、葉が生い茂って道幅が狭くなり、ロープに捕まり下っていく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/bd/4ec2a4c2cf5e157f69dbfbeab41c4d2a.jpg)
長者平を過ぎると、鳥越峠越えのコースに入る。この辺りからコースの案内表示が不明瞭になってきた。ほとんど人が入っていないのか、踏み跡もよくわからない。草の背丈が少ない場所が道だろうと進んで行く。時々、赤テープを見かけるので間違いないだろうと、当初はタカをくくっていた。
やがて、草の丈が身長以上になってきていた。この辺りからアドベンチャートレイルの様相を帯びてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/9b/2c1a1a80e346735ec49fce36a57c77e9.jpg)
赤テープを所々で見かけるので、それを信じてどんどん奥に入り込んでしまったが、途中に大きな崩落地があったりして地図通りのコースでは行けなくなってきていた。GPSマップで現在位置を確認しながら鳥越峠を目指し、最後は、道なき道を直登してみたが、縦横無尽に突き出た小枝や蔓に阻まれ、鳥越峠まであと数十mと思われる地点で撤退を決断する。すでに予定していた時間にゴールの根知駅までたどり着けることはできないと判断したからだ。
とりあえず、元来た道を戻るが、道らしき道もないので、戻るのも大変だった。何とか横川まで戻り、地蔵峠越えの迂回路入り口に出た。迂回路は、車も通れる広い道なので、ここからは、ランナーの本領を発揮して、遅れた時間を取り戻そうと走って下る。
途中からは、完全な舗装道路となり、迂回路入り口からの距離を含めて約7キロを走って姫川温泉に到着する。この日の宿となる姫川温泉の玄関が見えたときはホッとした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/91/b0057b807512c1e39615a07c5205873b.jpg)
この日は、白馬のSさんも合流することになっていて、姫川温泉に車で来てくれたので、その後、北小谷駅までもう1台の車の回収に行く事ができて、この日の予定が無事終わった。宿の人に、今年の塩の道の状況を聞いてみると、コロナの関係で、毎年行っているコース整備が、今年は全く行われていないという事だった。雪解けが始まっても、全く人が入っていないのでは、一気に草に覆われ登山道は不明瞭になってしまうわけである。このまま整備が行われなければ、鳥越峠越えコースを歩くことは何年もできなくなるだろう。
それにしても、後半はとんでもないアドベンチャートレイルになってしまったが、誰も弱音を吐かず、全員元気に下山できたことはとても良かった。みんな強者ぞろいで頼もしいメンバーが揃っていたことも幸運だった。
参考1.北小谷駅~地蔵峠~鳥越峠~姫川温泉のコースマップ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/ba/df02ec7993012c538a427eeb4f5a8d59.jpg)
参考2.北小谷駅~地蔵峠~鳥越峠~姫川温泉の高低図&コースタイム
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/c5/b2f6fa75900cc48a0c83a2ea84e858f5.jpg)
「2020夏・塩の道トレイル:根知駅~糸魚川」に続く。
まずは、昨年5月雪渓に阻まれた地蔵峠コースを完走しようと、北小谷駅からスタートする計画だ。前日は、白馬のペンションに泊まり、朝早く北小谷駅まで車で移動する。ちょうど梅雨の最中で、朝からしとしとと雨が降り続いていたが、大雨にはならないと見越して、全員雨具を着てスタートする。
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北小谷駅から、大糸線の踏切を渡り、舗装道路をグングン上っていく。
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道路の片隅には、「塩の道千国街道・地蔵峠越え」の立派な標柱が建っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/70/0998642cad6d4ef5d270ff23eb216bbf.jpg)
眼下に見える川は姫川だ。長野県北安曇郡から新潟県糸魚川市に流れ、日本海に注ぐ河川である。水質ランキングでは、何度も日本一になっている一級河川だが、前日以来の雨でかなり濁っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/9b/fc668081057127b0ca824d8e053ddf4a.jpg)
トチノキの下を進んで行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/b9/4e9474836e53417a4d26ea71fabf2fbf.jpg)
途中で道を間違え、少し時間を取ってしまったが、何とか正規のルートに戻り、番小屋跡まで到着した。
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白井沢を越えると、地蔵峠口だ。ここから本格的な登山道になる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/86/826a0407bcea0c32dab23af2da5d114b.jpg)
「貝の平」を通過する。ここは、武田軍に攻められている平倉城へ援軍が来たことを知らせるために貝を吹かせた場所と言われている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/4a/ecbf96608de9e5a7139608d1186087d8.jpg)
「地団駄」という場所は、平倉城が陥落し火の手が上がったのを見た援軍が、ここで文字通り地団駄を踏んだと言われている。歴史の舞台になったと場所と思うと何だか面白い。そして、地蔵峠まではあと0.8キロだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/0a/034016c48e431e1596a1cd8aa89abfe1.jpg)
「観音菱」には、観音様が崖に祀られている。
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9:30。地蔵峠に到着する。地蔵峠は標高1036mの開けた場所で、奥にある地蔵堂には2体の地蔵菩薩が祀られている。
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地蔵峠越えの標柱の先は、素晴らしい展望が広がっているはずだったが、真っ白いガスに覆われ景色は全く見えない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/e0/118ece7a222e68457cc35bf5ba381ad9.jpg)
地蔵堂のすぐ下には、「乳房の木」と呼ばれる巨木がある。ハリギリの木なのだが、幹に大きなコブがあり乳房のように見える。昔から母乳が出ないひとたちの信仰の対象になっていたそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/a0/0b8740c47c57d4d811ce87989845fba7.jpg)
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「乳房の木」の横を通り過ぎさらに進んで行く。昨年は、この先辺りから、沢沿いに雪渓がかなり残っていて、装備が不十分だったためにあえなく撤退した場所だ。これから先は、未踏破の道となる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/86/ba36333071230087e511b79ce1a1108c.jpg)
登山道が、かなり崩落している個所があり、山側に身を寄せて慎重に進んで行く。
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10:04。塩の道の最高地点となる三坂峠(大峠)に到着する。標高は1200mだ。
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その後は、長者平に向かって下っていくが、まだまだ難所がいくつもあり、ロープを頼りに慎重に進んで行く。
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次第に、葉が生い茂って道幅が狭くなり、ロープに捕まり下っていく。
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長者平を過ぎると、鳥越峠越えのコースに入る。この辺りからコースの案内表示が不明瞭になってきた。ほとんど人が入っていないのか、踏み跡もよくわからない。草の背丈が少ない場所が道だろうと進んで行く。時々、赤テープを見かけるので間違いないだろうと、当初はタカをくくっていた。
やがて、草の丈が身長以上になってきていた。この辺りからアドベンチャートレイルの様相を帯びてきた。
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赤テープを所々で見かけるので、それを信じてどんどん奥に入り込んでしまったが、途中に大きな崩落地があったりして地図通りのコースでは行けなくなってきていた。GPSマップで現在位置を確認しながら鳥越峠を目指し、最後は、道なき道を直登してみたが、縦横無尽に突き出た小枝や蔓に阻まれ、鳥越峠まであと数十mと思われる地点で撤退を決断する。すでに予定していた時間にゴールの根知駅までたどり着けることはできないと判断したからだ。
とりあえず、元来た道を戻るが、道らしき道もないので、戻るのも大変だった。何とか横川まで戻り、地蔵峠越えの迂回路入り口に出た。迂回路は、車も通れる広い道なので、ここからは、ランナーの本領を発揮して、遅れた時間を取り戻そうと走って下る。
途中からは、完全な舗装道路となり、迂回路入り口からの距離を含めて約7キロを走って姫川温泉に到着する。この日の宿となる姫川温泉の玄関が見えたときはホッとした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/91/b0057b807512c1e39615a07c5205873b.jpg)
この日は、白馬のSさんも合流することになっていて、姫川温泉に車で来てくれたので、その後、北小谷駅までもう1台の車の回収に行く事ができて、この日の予定が無事終わった。宿の人に、今年の塩の道の状況を聞いてみると、コロナの関係で、毎年行っているコース整備が、今年は全く行われていないという事だった。雪解けが始まっても、全く人が入っていないのでは、一気に草に覆われ登山道は不明瞭になってしまうわけである。このまま整備が行われなければ、鳥越峠越えコースを歩くことは何年もできなくなるだろう。
それにしても、後半はとんでもないアドベンチャートレイルになってしまったが、誰も弱音を吐かず、全員元気に下山できたことはとても良かった。みんな強者ぞろいで頼もしいメンバーが揃っていたことも幸運だった。
参考1.北小谷駅~地蔵峠~鳥越峠~姫川温泉のコースマップ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/ba/df02ec7993012c538a427eeb4f5a8d59.jpg)
参考2.北小谷駅~地蔵峠~鳥越峠~姫川温泉の高低図&コースタイム
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「2020夏・塩の道トレイル:根知駅~糸魚川」に続く。
でもリーダーの苦労もいっぱいでしょうね。
パンフレットをよく見れば「通行要問い合わせ下さいとあるのもうなづけます」ね!
長者平を越えればすぐだと思うのに北国の山越えは思わぬアクシデントというか想定外のこともあるのですね。
そんな障害にもちゃんと対処してメンバー全員無事宿に到着!
さすがリーダーです!!
お疲れさんでした。
悪天候だったし、あまりにも道が荒れすぎていました。ただ、スタートも予定より早めにして余裕を持ったスケジュールにしていたので、事なきを得ました。何といっても、メンバー全員健脚の強者ばかりで助かりました。