とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2020秋・京都トレイル:2日目寂光院前~江文神社~鞍馬寺

2020-11-26 18:16:35 | マラソン
8:50。朝食を済ませ、民宿「大原山荘」の前で、集合写真を撮ってからスタートする。


数分で、寂光院の前に出た。


寂光院は聖徳太子により創建されたと伝わる古寺で、平安時代には阿波内侍や平清盛の娘であり壇ノ浦の戦いで入水した安徳天皇の母・平徳子こと建礼門院が長い時間を過ごした尼寺である。大原の山裾にひっそりと佇み、静かな山寺の雰囲気が漂う。


正面に見えるのは、本堂であるが、2000年に火事で焼失し、新しく再建されたものだという。その際に、国指定重要文化財の鎌倉時代の御本尊・六万体地蔵菩薩像も激しく損傷したそうだが、現在は修復され収蔵庫に所蔵されている。


後に見えるのが、四方正面の池。北側の背後の山腹から水を引き、三段に分かれた小さな滝を設ける。池の四方は回遊出来るように小径がついており、本堂の東側や書院の北側など、四方のどこから見ても正面となるように、周りに植栽が施されている。


池の中央に落ち葉がかたまっている。あえて、人間の手で中央に寄せたのか、自然に集まったのか気になった。


茶室の襖が開けられて、反対側の庭が見える。紅葉の景色が額縁の中に見えるようだ。


本堂前西側の風情ある庭園は『平家物語』にも描かれたもので、心字池を中心に千年の姫小松や汀の桜、苔むした石のたたずまいが好ましい風情をかもしだしている。


苔で覆われた庭には、紅葉の落ち葉がよく似合う。


「諸行無常の鐘」。平家物語の冒頭には、「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰のことわりをあらわす 驕れる人も久しからず ただ春の夜の夢の如し」という有名な文章で始まるが、あの鐘は、ここにあったのだ。


宝物殿でご本尊様を拝み、一通り寂光院を散策してから、京都一周トレイルのコースに向かう。


北山東部コースの標柱27番から、京都一周トレイルの再開だ。


10分ほどで江文神社(えぶみじんじゃ)に到着する。


参道を進むと石の階段があり、階段の上には、老朽化した拝殿がみえる。


境内奥に入ると、石段の上に見事な社殿が並んでいる。案内板には、以下のように記されている。
「江文神社は大原八ヶ町の総氏神で、古代より背後にそびえる江文山(今の金毘羅山)の頂上の朝日の一番早く照る処に御祀りされて居りました神々を、平安時代の後期に此処に、住人達が御殿を創建して御鎮座を願ったので有ると古くより代々伝へられて居ります。御社殿の配置を説明致しますと、中央の御正殿には倉稲魂神(穀霊神)向って右の御殿には級長津彦神(風・水神)向って左の御殿には軻遇突智神(火の神)を御祀りして、古くより豊饒、衣服、生産の神として広く世の人達に崇敬されて居ります。」


江文神社は、京都一周トレイルのコースから少し外れるので、再びコースに戻って先に進む。


江文峠、静原神社を抜けると薬王坂(やっこうざか)という坂が出てくる。今までの道が、らくちんすぎるくらいの激登りの坂だ。みんな息も絶え絶えとなっている。峠にある看板によると、「昔、伝教大師が鞍馬で薬王如来の像を造り、比叡山に帰ろうとしてこの坂を越えた時、薬王がその姿を現したことからその名がつけられた」と記されている。


激坂すぎて、途中にあった広場で休憩する。みんな休憩するポイントらしく、テーブルとイスが用意されている。


薬王坂を下ると、鞍馬寺の入り口まで下りてきた。京都一周トレイルのコース完結までもう少しだ。


鞍馬寺前が、昨年のゴール地点だった。ここまで来て、やっと京都一周トレイルのコースが完結した。


このまま、ここで終了するのは、もったいない。折角なので、鞍馬寺から貴船神社迄さらに進むことにした。昨年も立ち寄った由岐神社を通り抜ける、有名な鞍馬の火祭は、由岐神社例祭の一つで、京都三大奇祭の一つに数えられる。


由岐神社の御神木「大杉」は、古くから「大杉さん」として親しまれ、 一心に願えば願い事が叶うとされている。樹齢約800年で、樹高は約53メートルもある。


長い石段を登りきると、本殿だ。


鞍馬寺までは、昨年来ているが、この先の奥の院を経て、貴船神社に向かう予定だ。

「2020秋・京都トレイル:2日目鞍馬寺~貴船神社~市原駅」に続く。