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とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

映画『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』

2011-03-02 22:36:36 | 映画


チェック:C・S・ルイスの児童文学を映画化したファンタジー・アドベンチャー、『ナルニア国物語』シリーズの第3章。親せきの家に預けられたペべンシー兄妹が帆船の絵の中に吸い込まれ、再びナルニア国へと冒険に出る。『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』のマイケル・アプテッドが監督を務め、前作に登場したカスピアン王子役のベン・バーンズが続投。魔法使いやクリーチャーたちと遭遇しながら、運命に立ち向かう兄妹の成長劇が見もの。
ストーリー:ペべンシー兄妹は大嫌いな従兄のユースチスの家に預けられるが、壁に掛かった帆船ドーン・トレダー号の絵の中に吸い込まれ、再びナルニアの国へ。兄妹は、親友のカスピアン王子(ベン・バーンズ)とネズミ戦士のリープチープと再会を果たし、ナルニアの東の果てへと再び冒険の旅に出ることになるが、行く手にはさまざまな困難が待ち受けていた。(シネマトゥデイより)

全7章にわたる長編ファンタジー小説「ナルニア国物語」の第3章が映画化され公開されている。第1章、第2章を見て大ファンになってしまい、大いに期待して見に行った。第3章は今流行の3D作品である。

前章までは、ペベンシー4兄妹の長兄のピーター、長女のスーザン、次兄のエドマンド、末っ子のルーシーが登場してナルニア国のそれぞれの王として活躍するストーリーであったが、第3章で活躍するのは次兄のエドマンドと末っ子のルーシーである。そして、新たなキャラクターとして従兄弟の理屈っぽい合理主義者のユースチスが登場する。また第2章では王子だったカスピアンが王として登場するのも時の経過を感じさせる。

3Dになって迫力を感じさせる映像を期待していたのだが、最近の3D作品をいろいろ見てきているせいかちょっとした3D効果では、それほど凄さを感じなくなってきている。冒頭の帆船の絵から海の水が溢れ出てきて、エドマンド、ルーシー、ユースチスが絵の世界の中に吸い込まれていくシーンや、奴隷商人達との格闘シーン、ドラゴンと海蛇との格闘シーン等3Dならではの効果がわかるのだが、慣れてしまうともう驚きもそれほど感じなくなってしまっている。むしろ目が疲れそうなのが心配である。

第1章、 第2章は2時間半もあり結構長い映画だったが、その長さを感じさせないほど作品に入り込めていた。それに引き換え第3章は3Dに金をかけすぎたのか時間は2時間に満たない長さとなり、細かい描写を省略してしまったような感があった。邪悪なミラースから逃れるためにナルニアを離れた7人の貴族を見付け出す展開は、あっさり進んでしまっていた。もっと艱難辛苦の末に全員を見つけ出す様子を描いたほうが作品の深みが増したような気がする。

一番残念だったのは、長兄のピーター、長女のスーザンがほとんど登場しなかったことだ。ペベンシー4兄妹が登場するのは第2章までのようだ。これは原作でもそうなっているから仕方がないのであろう。ナルニア国に招かれるにはあくまで子供でないといけないということみたいだ。もう大人になったピーターとスーザンは招かれないのだ。エドマンドとルーシーも第3章で終わってしまい、その後はユースチスが主役になっていきそうなエンディングであった。

全体的には、充分楽しめる作品にはなっていたといえる。エドマンド役を演じるスキャンダー・ケインズとルーシー役を演じるジョージー・ヘンリーは前作からさらに成長したなーと感慨深い。エドマンドは凛々しく、ルーシーも可愛いく美しい女の子になっていた。カスピアン王役を演じるベン・バーンズは、前作以上に格好いい。そして、今後の主役になりそうなユースチスが小憎らしい子供から、悪との戦いで成長していく姿はよく描かれていると言っていい。そして、全能の神のような存在アスランの登場は、最後に作品の質感をピリッと決めてくれる。この作品もハリーポッターのように最後まで映画化してくれるのであろうか。今後も期待したい映画である。

映画「白夜行」

2011-02-04 23:49:45 | 映画
『白夜行』 予告編


チェック:今まで舞台化やテレビドラマ化されてきた、東野圭吾の人気小説を、『60歳のラブレター』の深川栄洋監督が映画化。ある殺人事件にかかわった人々の複雑な人間関係を軸に、19年に及ぶ男女の狂おしい愛情を描く。『ALWAYS 三丁目の夕日』などの堀北真希が聖女の顔をした悪女役で新境地を開拓。彼女の守護神のような相手役を、『おにいちゃんのハナビ』の高良健吾が好演する。互いの存在だけを頼りに必死に生き抜こうとする男女に課せられた残酷な宿命に言葉を失う。

ストーリー:昭和55年、質屋の店主が殺されるという事件が起きるが、結局被疑者死亡のまま解決。だが、当時の担当刑事笹垣(船越英一郎)は、何か腑に落ちないものを感じていた。数年後、事件の殺人犯と目されていたがガス中毒死した女の娘雪穂(堀北真希)は美しく成長し、一方質屋店主の息子亮司(高良健吾)も事件後は家を出ており……。
(シネマトウディより)

今日、映画「百夜行」を見てきた。原作を読んでいたので、ストーリーはあらかた判っており、原作のイメージをどの程度壊さずに作られていたかを気にしながらの鑑賞だった。分厚い原作を2時間半近くの映画にまとめるのはかなり大変な作業である。それでも、最初から2時間くらいは原作のイメージをうまくまとめた出来上がりだったと思えた。原作もそうであったが、いろんな事件がたんたんと発生するが、なんの説明もなくどんどん進んでいく。誰が犯人で、何の為に起こしたのかは一切説明がない。初めて映画を見た人は、何が何だか判らずに見ているだけかもしれない。しかし、これが東野圭吾の「白夜行」の真髄である。最後の最後まで見ていないと、事件の真相は見えてこないのである。

ただ、後半30分くらいから、ネタばれが始まった。原作では、最後の最後まで明確に誰が犯人で何の為に事件を起こしたのかは明らかにされていない。状況からして、多分犯人は誰で、こういう目的で事件を起こしたのだろうという推測がつくだけである。しかし、映画では船越栄一郎扮する笹垣が真相を明らかにしていく。映画的には、こういった演出が必要だったのだろう。私も原作読んでた時は、理解に苦しむことがあって、こういう説明があったらすっきりしたことだろう。

キャストは、聖女の顔をした悪女の雪穂を、堀北真希が演じている。「三丁目の夕日」のろくちゃん役がいまだに印象深い堀北真希だが、まさに新境地開拓ということで見事に演じていた。最後に、大切だった青年の死を目の前にしても「知らない」といって笑みを浮かべる様は、ぞくっとする。堀北真希ちゃんも大人になったなと感心した。また、亮司役の高良健吾はWOWOWドラマ「マークスの山」でも暗い過去を背負った青年役がはまっていた。今回も同様の役で、彼を見るとそんなイメージが重なってしまう。そして、それぞれの子役も、可愛いながらも目がぞくっとするような表情がでており暗い子供時代をすごしてきたという印象をしっかり演じていた。

船越英一郎はサスペンス物の帝王を呼ばれているらしいが、今回は事件を解決できなかった無念さを背中に漂わせた初老の元刑事を見事に演じていた。ただ、真犯人に自分の息子になれとまで同情するというのはどうだろうか。映画的には、最後まで暗く重いサスペンスドラマに徹していってもよかったのではないかと感じた。そのほうが東野ワールドに近いような気がする。

「白夜行」を映画で、続編または姉妹編と言われる「幻夜」をドラマで見たが、雪穂=美冬なのかがやはり気になってしまう。美冬のその後はどうなっていくのだろうか?原作者の東野圭吾氏が「白夜行」→「幻夜」に続く3作目を出してくれるのかをやはり期待してしまう。


 

TOHOシネマズ値下げするとか

2011-01-20 20:39:23 | 映画
シネコン大手のTOHOシネマズが19日、映画料金を来春までに引き下げることを発表したそうだ。18歳以上を、現状の1800円から1500円に、18歳未満は1000円に統一する。ネット予約割引も導入し、利用者拡大と若年層の映画ファン開拓が狙いという。

私も、近くにTOHOシネマズが出来て以来、映画館にかよう回数が増えた。大スクリーンで見る映画は、家のテレビで見るよりはずっと迫力があっていいものである。今回の値下げが自分にとってはどうなのかと考えた場合、はっきりいって何も変わらない事がわかった。TOHOシネマズでは、毎月1日と14日は千円の日と決まっているし、夫婦割引で入れば一人千円で済む。また、会社の共済会で映画券を購入すればいつでも千円で見ることができる。つまり、一般の1800円という料金で映画館に入ったことなどないのだ。高いとしてもレイトショーの1200円の場合があるくらいで、1800円で入る気はしない。また、6回見れば、1回無料になるというサービスもあり、充分恩恵は受けていたと言っていい。

どう考えても、我々の年齢層にとっては今までよりお得になるようなことはない。だが、若年層の料金を下げることによって、若年層の映画離れを食い止め新しい映画ファンを開拓するという狙いは良くわかる。最近の日本映画は面白く、いい作品が目白押しといってもいい。TOHOシネマズの興行収入は前年よりも伸びているらしく、今後の映画産業の発展を占う上ではいいことだろう。

映画『僕と妻の1778の物語』

2011-01-18 00:13:57 | 映画


チェック:フジテレビ系列で放映された「僕の生きる道」シリーズが、SF作家の眉村卓と2002年にガンで逝去した夫人との感動の実話を基に映画化。毎日1編の短編小説を5年にわたって書き続け、余命1年の宣告を覆した奇跡の記録が朔太郎と節子の物語としてよみがえる。仲むつまじい夫婦を演じるのは、『黄泉がえり』以来の再共演となる草なぎ剛と竹内結子。監督は『笑の大学』の星護。愛する人のためにベストを尽くす二人の感涙のエピソードに心洗われる。

ストーリー:SF作家の朔太郎(草なぎ剛)と銀行員の妻節子(竹内結子)は、高校1年の夏休みに付き合い始めてからずっと一緒だった。だがある日、腹痛を訴えた節子が病院に入院し、彼女の体が大腸ガンに冒されていることが判明。医師(大杉漣)に余命1年と宣告された朔太郎は最愛の妻にだけ向けて、毎日原稿用紙3枚以上の短編小説を書くことにする。
(シネマトゥデイより)

このところ映画はご無沙汰であったが、見たい映画が始まったので妻と一緒に見てきた。これは私が大好きなSF作家の一人である眉村卓さんのエッセイを映画化したものである。眉村卓さんといえばジュブナイル小説では「なぞの転校生」や「ねらわれた学園」が有名である。今回は、眉村卓さんの原作という事と、2003年の『黄泉がえり』以来8年ぶりの共演になる草なぎ剛と竹内結子が出演するという事に大いに関心があって興味を惹いていた。ストーリーは、余命1年と宣告された奥さんを励ますために、毎日3枚以上の笑える短編小説を書き続けたという実話に基づく映画だ。がんの宣告を受けてから、驚くことに5年近くも奥さんは生き続けたのである。

草なぎ剛は問題行動を起こしたこともあったが、演技力はなかなかいいものがある。『山のあなた〜徳市の恋〜』での盲目の按摩役や『BALLAD 名もなき恋のうた』での凛々しい武士役等の演技も記憶に新しい。今回は、SF作家という職業でいつも遠くを見ているようでいて妻を愛する気持ちが人一倍強い男の役をひょうひょうと演じていたのが印象的である。

また、竹内結子は相変わらずきれいな女優さんだ。何故か彼女は最後に死んでしまう役が多いような気がする。映画では、草なぎ君が銀行で預金をおろすときの窓口穣が竹内である。草なぎ君の空想的な話に真顔で応対する竹内とのやり取りが面白い。こんな窓口穣だったら、何度でも銀行に行きたくなるのになーと思ったりもした。そして、このやり取りから恋が生まれ、結婚にいたる導入かと思ったら、草なぎ君が家に帰っているところに竹内が帰って来て食事の支度を始める。既に二人は結婚していたという次第だ。

この映画は、よくある難病にかかった夫婦や家族の涙と感動の物語というジャンルに入るのだろうが、それだけと言うわけではない。ストーリーはむしろ淡々と進行し、グッと来るところはいくつかあったが、それほど涙が溢れ止まらなくなるといった事はなかった。ところどころで、彼が書いた小説のストーリーがいくつも挿入されコミカルなシーンも結構ある。お涙頂戴ものというよりも、「笑うと免疫力が上がることがある」という医者の言葉を信じ、愛する妻にできることは彼女に一日一編の笑える小説を書くことだと決め、最後まで書き綴ったという愛情の強さに、見終わってからじわじわと感動が沸きあがってくる。

毎日原稿用紙3枚以上の短編小説を書くという事は、大変なことである。しかもエッセイではなく、市販しても一般の読者が読むのに堪えられる内容というと並大抵の苦労ではない。私も、このブログを毎日更新するという目標を実は掲げてやっているので、これは大変なことだというのが良くわかる。私の場合は、エッセイ的なこともあれば、映画評や読書感想、旅行記等と比較的ネタは多いし、大変だとは言っても何とかここまできている。だが、まったくの小説となるとネタはほとんど出てこない。プロの小説家って凄いもんだなーとも思う。これは、如何に眉村卓さんが妻を思い1778日もの間小説を書き続け、妻もそれを読むことを生きがいにして存えたという事実を、草なぎ君と竹内結子がたんたんと演じてくれた映画といえる。

映画館では、若いカップルが意外と多かった。これから結婚しようとするカップルを始め熟年カップルにも、将来どんなことになっても如何に夫婦であり続けるかという事を考えさせてくれる映画ではないだろうか。

原作となった「妻に捧げた1778話」というエッセイ集と、1778日の間書き綴ったショートショートの小説集も「日がかり一話」という名前で刊行されているようだ。妻のために書き綴ったというショートショート集をどうしても読みたくなった。

映画「劔岳・撮影の記」 標高3000メートル、激闘の873日

2010-11-23 23:10:03 | 映画
これは、2009年の夏、大ヒットした映画「劔岳・点の記」の撮影スタッフの記録映画である。本編は映画館で見たしDVDまで買ってしまっていたが、「劔岳・撮影の記」は映画館で見ることができなかったので、気になっていた。ところが先日WOWOWで放送があると知って、早速予約録画して全編を見ることができた。

「劔岳・点の記」は、明治時代日本地図完成に人生を賭けた測量隊の真実を描いた作品で、セットなど使わずリアリズムを前面に打ち立て、ここまでやるのかといった程の過酷な状況で撮影されている。撮影がすごい映画ということで大いに注目を浴びただけに、映像は素晴らしい。また過酷な自然もリアルに描かれている。「劔岳・撮影の記」では、「前人未踏の撮影」に賭けたスタッフ・キャストの標高3000メートル、激闘の873日の記録が、明らかにされている。

この作品の監督、撮影は『剱岳・点の記』のディレクターである大澤嘉工である 。企画から宣伝まで陣頭指揮した監督・木村大作の肉声を始め、全てのスタッフが黙々と北アルプスの高地で撮影に挑んでいる姿は、まさに感動ものだ。ところどころにキャストの浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオルらの生の声も入り、山での撮影の厳しさを垣間見ることが出来る。

登山経験のないスタッフ・キャストたちが、わずか数カットの撮影の為に毎日数十キロの荷物を背負い、長時間の徒歩行軍を繰り返す姿は、まさに苦行である。撮影は、順撮りにこだわり目的の剱岳山頂に登頂できたのは、本当に最後の最後だったそうだ。明治時代の測量隊が実際に経験したことをなぞる様に撮影することで、キャストの演技が時間を経過するたびにリアルになっていくことを狙ったのだろう。吹雪に行く手を遮られたり、強烈な風雨にさらされたりしながらも、目的のカットを撮るために何日も待つこともあったようだ。膨大な時間や労力と忍耐で作られた映画といってもいい。

撮影中には、落石で怪我をした人や、体を痛めやむなく下山した人もいたようだ。山岳ガイドがついて指導もしていたようだが、ガイドでも無茶だと言わせるような危険な場所を選んでカメラを設置したりする等、命をかけた撮影だったのが良くわかる。単なる映画製作といえない過酷な2年間の撮影ドキュメントに、あらためて映画『剱岳・点の記』の凄さを実感した。

『THE LAST MESSAGE 海猿』

2010-10-17 22:06:19 | 映画


チェック:海上保安庁の潜水士たちが苦難を乗り越え成長する姿を描く『海猿』シリーズの劇場版第3弾。巨大天然ガスプラントで発生した大事故の救助に向かった主人公たちが、国家レベルの非常事態と人命救助のはざまで翻弄(ほんろう)されながらも、自らの命を賭した行動に出る。主演の伊藤英明以下、シリーズのキャストが再集結。父親になった主人公の覚悟、新しいバディとの共同作業、過去最大級のスペクタクルなど、スケールアップした内容に興奮確実。

ストーリー:2010年10月、福岡沖の巨大天然ガスプラント施設レガリアに、高波にあおられた海洋掘削装置が激突し、大事故が発生する。第十管区海上保安本部機動救難隊の仙崎大輔(伊藤英明)、バディの吉岡(佐藤隆太)らは施設に向かい要救助者の救出を行うが、予想外の爆発が起こり、大輔たちはレガリア内に取り残されてしまう。
(シネマトゥデイより)


邦画はあまり映画館では見ないのだが、「海猿」が3D版で上映されているのを知って迫力ある映像で楽しめそうかなと思い見に行ってきた。「海猿」シリーズも今回で3作となり今回が完結編ということだった。サブタイトルも『THE LAST MESSAGE』と意味深なタイトルがつけられていた。やはり、今回はかなり泣ける展開になりそうかなと期待はしていた。

さて、内容の前に3Dの効果の是非についてだが、はっきり言って3Dにした意味がまったくわからない。わざわざ高いお金を払って3D版を見たのだが画面は暗いし、3Dだから迫力あって凄いなと思ったシーンはまったくなかった。途中からメガネを外し裸眼でずっと見ていた。そのほうが画面が明るくきれいに見える。時々ぼやけるようなシーンがあってメガネを掛けたりした時もあったが、メガネをかけてもそれほど飛び出していたようにも思えない。これは、通常版で見ることをお勧めしたい。

ストーリーとしては、1作目、2作目より事故の規模がスケールUPしており巨大ガスプラント「レガリア」に掘削船が高波にあおられて衝突し大事故が発生したという展開である。のっけからこの事故に向かう仙崎らが登場する。最初から本命の海難事故の救助に関わるストーリーだ。「レガリア」の巨大な様子はCGだろうと思うが、かなり迫力あるし日本でもこれだけの映像が撮れる様になったのかという驚きはあった。そして、一児の父親となり、体力・精神ともにベテランの潜水士となった仙崎の姿は見所である。新米の潜水士の前で冷静な判断を下す仙崎の活躍は男から見てもカッコいい。

ただ、危機感を煽る展開としては、いま一つという感はある。あれほど巨大なプラントの中に閉じこめられた主人公たちが、意外と簡単に掘削船に移動して掘削機能を停止できたり、レガリアを海底に沈める操作を出来たのが荒唐無稽に思えた。たった二人の潜水士が、大爆発と荒波で揺れる巨大プラントの海面下で出来る作業とは思えない。リアリティと感動を追求するなら、あれほどのスケールは必要ない。むしろ違和感さえ感じる。

そして、ある意味予想通りの結末に感動もいま一つだった。いろんなレビューを読むと、かなり感動したとか泣けたという人たちが多いのだが、私はへそ曲がりかもしれない。結局は、みんながこうあるべきと思う流れで話が進んでいた。そこが、映画としてはひねりがなく、1作目、2作目を見たものとしては物足らなかった。万人向けには安心してみることが出来るストーリーだったといえるだろう。やはり1作目を超えることは難しい。

よかったのはEXILEの主題歌「もっと強く」。この歌が終わるまで、観客はみんな席を立たなかった。

映画『バイオハザードIV アフターライフ』

2010-09-19 07:18:18 | 映画
『バイオハザードIV アフターライフ』予告編


チェック
ミラ・ジョヴォヴィッチが最強ヒロインを演じて大ヒットしたサバイバル・アクション・シリーズで、初の3D仕様となる第4弾。ウイルス感染により荒廃した世界を舞台に、生き残った人間を救うために立ち上がったヒロインのし烈な死闘を描く。シリーズ1作目でメガホンを取ったポール・W・S・アンダーソンが再び監督として返り咲き、テレビドラマ「プリズン・ブレイク」のウェントワース・ミラーと「HEROES/ヒーローズ」のアリ・ラーターが共演。3作目のラストシーンに登場した東京から物語が始まることにも注目だ。

ストーリー
ウイルス感染のまん延で世界は荒廃し、人間は滅びつつあった。そんな中、生き残りの人間を探して世界中を旅するアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、ロサンゼルスの刑務所に隠れて生き残る人間たちを見つける。彼らを刑務所から脱出させるため、アリスはアンデッドとの闘いに挑む。
 (シネマトゥデイより)

注:ネタばれあり

『バイオハザードIV アフターライフ』3D版を早速見てきた。3からの続編で、東京の渋谷の歩行者天国から物語が始まった。3Dだから、人ごみや降りしきる雨の様子も臨場感がある。大勢の人が傘を差して行きかうスクランブル交差点の中で、傘も差さず一人で突っ立ている女がいた。カメラは足元から徐々に上半身、頭と上がっていく。そして、女の顔が見えた瞬間、女は男に襲いかかった。これが、日本におけるアンデッド化(ゾンビ化)現象の始まりである。やがて、あっという間に日本人はアンデッドとなって日本は暗黒の世界となっていく。有名ゲームの映画化だけあって、展開は派手である。この最初にアンデッド化した女が、歌手の中島美嘉だったとは後で知ってビックリ。彼女はこういう役が結構あっているのだろう。

さて、アンデッド化現象の原因となる生物兵器を作ったアンブレラ社の東京本社に地下要塞がある。そこに、アリスのミラ・ジョヴォヴィッチが自身のクローンたちと共に襲撃する。しょっぱなからアリスが殺されてしまい一時はどうなることかと思ったが、何のことはない。次から次とアリスが出てくるのだ。全部アリスのクローンだったのだ。こんな強い女たちが何十人もいたら、兵隊もタジタジである。やがて、アンブレラ社の幹部ウェスカーは地下要塞を核爆弾で破壊し脱出する。これで東京は壊滅する。しかし、アリス本人は逃げたウェスカーの飛行機に忍び込んでいたため生き残るのだ。アリスは飛行機内でウェスカーを追い詰めるが、不意打ちを受けて取り逃がしてしまう。

その後、アリスは生き残った人類を捜し求めアラスカからロザンゼルスに移動し、生き残った人間達と出会う。アラスカで出会ったクレアとともにロサンゼルスの刑務所に着いたアリスはクリスとも出合う。クレアとクリスは兄妹であった。クレアとクリスを見たとき、なんか見覚えのある顔だと思った。クレア役はドラマ『HEROES』でトレーシーを演じていたアリ・ラーターだ。特徴のある鋭い目つきに見覚えがあった。そして、クリスはドラマ『プリズン・ブレイク』のウェントワース・ミラーである。後半は、この二人のアクションも見所である。特にクレアと頭巾を被った巨漢のマジニとの戦いのシーンは圧巻である。アリスとクレアのダブルヒロインといった展開だ。

その後、ロス沖に停泊している船「アルカディア」で再びウェスカーとの戦いになる。このあたりは、『マトリックス』を彷彿させるシーンが続出する。『マトリックス』を初めてみたときは興奮したが、今となってはそれほど驚く映像ではない。ウェスカーとの戦いにけりをつけ、船に残された人たちを無事救出するも、新たな敵が攻めてきたところで映画は終わる。完全にパート5を意識した終わり方だった。

ストーリー的には、それほど目新しいものはない。最強ヒロインがバッタバッタとゾンビをなぎ倒していくという単純な話だ。しかも、続編に続くとなれば、見終わってもあっさりしたものである。特に感じたものもなく映画館を後にした。3D映画の効果と、ミラ・ジョヴォヴィッチとアリ・ラーターのかっこいいアクションに満足しただけでよしとしておこう。

映画『ソルト』

2010-08-14 22:10:51 | 映画
映画『ソルト』予告編


シネマトゥディより

チェック:二重スパイの容疑をかけられたCIAエージェントをアンジェリーナ・ジョリーが熱演するアクション・サスペンス。潔白を証明したいヒロインが、CIAの追跡をかわしながら真犯人を探し出すまでをスリリングに描く。メガホンを取るのは、アンジェリーナとは『ボーン・コレクター』以来のコンビとなるフィリップ・ノイス。共演は『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のリーヴ・シュレイバー、『2012』のキウェテル・イジョフォー。CIAに立ち向かう孤高のヒロイン、アンジェリーナのリアルなアクションに注目だ。

ストーリー:CIAエージェントのイヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)は、何者かの陰謀によってロシアスパイの嫌疑をかけられてしまう。逃走を図ったソルトはCIAの追跡をかわしながら、自らの容疑を晴らすべく、たった独りで真相究明に乗り出すが……。

キャスト
アンジェリーナ・ジョリー
リーヴ・シュレイバー
キウェテル・イジョフォー


この夏休みの映画では、一番見たかったのが「ソルト」だった。アンジェリーナ・ジョリーが久々に出演したハードアクション映画である。しばらく前はクリントイーストウッド監督の「チェンジリング」で愛する息子を命を掛けて取り戻そうとする勇敢な母親役を演じ、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。この映画でも強い女性の役を演じたが、彼女の真骨頂はやはりアクションだ。「トゥームレイダー」で、かっこいいスーパーヒロインを見て以来アンジーといえば、男性も楽々倒す最強のヒロインとして記憶に焼きついていた。

さて、この「ソルト」は二重スパイの汚名を着せられた女性CIAエージェントのソルトが、潔白を証明するためにCIAの執拗な追跡を逃れながら、真相に迫っていくというストーリーである。映画は北朝鮮で捕虜となったソルトが拷問されるシーンから始まる。のっけからアンジーの体当たりの演技だ。そして、CIAの尋問室で、ロシア人から「ロシア大統領暗殺計画」の実行者の名前は「ソルト」と告げられてしまう。CIAに疑いを掛けられたソルトは、強固な警備を誇るCIAの施設から逃亡を図る。封鎖された施設内で、周りにあった薬品やテーブルのパイプ製の足を使ってお手製の即席爆弾を作り、見事に脱出する。このあたりは「ボーン・アイデンティティ」のジェイソン・ボーン女性版を彷彿させる。

CIA施設から脱出後も、派手な展開で逃亡が続く。とにかく息つく間もないくらいのアクションである。高速道路を走るトラックの屋根から屋根へと飛び移るシーンには、目が回りそうだ。そして、車がダメとなればバイクを颯爽と乗り回しCIAの追跡をかわしてしまう。また、高層アパートの壁面を窓伝いに移動したり、エレベータシャフトを生身で降下して屈強な男たちを殴り倒すというシーンは圧巻である。普通に考えれば、こんな事やっていたら命がいくらあっても足らないであろう。でも、とにかくアンジーがカッコいいのは間違いない。美しく強すぎるヒロインにお手上げである。

そして、彼女の変装にも注目したい。キャリアウーマン張りのスーツ姿からリュックを背負った黒装束での逃亡スタイルへのチェンジ。コンタクトで瞳の色も変え、髪を金髪から黒髪へ染めてしまうとエスニック調の美女に変身である。しかも、顔にラバーを張り付けて男にも変装してしまう。ここまでくると荒唐無稽でもあるが、純粋にアンジーの七変化を楽しめればいい。

予告編などで、二重スパイの汚名を着せられたことを晴らす筋書きだということを知っていたが、ソルト自身が真相を語ることがほとんどなく、後半になるまでソルトがロシア側のスパイなのか、CIA側なのか見極めがつかなかった。しかも、ソルト自身がとんでもないテロ事件を巻き起こし、核戦争勃発かと思わせるようなスケールの大きい展開となってしまう。最後までハラハラドキドキの展開ではあったが、納得できる結末だった。感動物、名作物もいいが、夏は荒唐無稽でもスカッとさせてくれる映画がいい。この映画は、アンジーの魅力全開の映画だ。最後は、パート2を匂わせる終わり方でもあり、次作を期待してしまう。

映画「ゲゲゲの女房」11月公開

2010-08-03 21:35:00 | 映画
今、テレビでは「ゲゲゲの女房」が人気で視聴率も結構いいそうだ。
そういう私も、面白くて毎日楽しみに見ている。

テレビ版は9月末で終わってしまうが、映画版が11月に公開されるようだ。
既に試写会が行なわれ、水木しげる夫妻も「面白かった」「よかったわ」と
コメントされているようで、どんな作品に仕上がったのか楽しみである。

テレビ版では、向井理と松下奈緒が夫婦役であるが、
映画版では、宮藤官九郎と吹石一恵が夫婦役となるようだ。
毎日見ているので、向井理と松下奈緒のコンビで映画もやってくれたら
いいのになーと思ったが、映画版のほうが実は先に企画されていたらしい。

吹石一恵は実力もある女優さんなので布枝夫人の役もしっかりこなせることだろう。
また、実際の水木しげる氏のイメージを考えると宮藤官九郎のほうが
たしかに合っているのかもしれない。

ただ、公開する映画館が単館系なので地元の映画館で公開されるかはよく判らない。
出来るだけたくさんの映画館で公開されるといいなー。

「ゲゲゲの女房」公式サイト
http://www.gegege-eiga.com/index.html

映画「借りぐらしのアリエッティ 」

2010-08-01 11:20:10 | 映画
借りぐらしのアリエッティ ノーカット版 予告 The Borrower Arrietty Trailer


シネマトゥディより

チェック:メアリー・ノートンのファンタジー小説「床下の小人たち」を基に、古い家の台所の下に暮らす小人一家の物語が展開するジブリ・アニメ。企画は『崖の上のポニョ』の宮崎駿が担当し、『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』といったジブリ作品にかかわってきた米林宏昌が監督を務める。舞台を1950年代のイギリスから現代の日本に移した設定と、人間の少年との出会いによって翻弄(ほんろう)される小人の少女アリエッティの運命の行方に注目だ。

ストーリー:古い家の台所の下に住み、暮らしに必要なものはすべて床の上の人間から借りてくる借りぐらしの小人たち。そんな小人一家の14歳、アリエッティは、好奇心と伸びやかな感性を持つ少女。だが、人間に見られないよう、目立たないよう、つつましさと用心深さを求められる毎日を送っていた。

監督 米林宏昌
企画 宮崎駿

[キャスト]
アリエッティ 志田未来 (出演(声))
翔 神木隆之介 (出演(声))
ホミリー 大竹しのぶ (出演(声))
貞子 竹下景子 (出演(声))
スピラー 藤原竜也 (出演(声))
ポッド 三浦友和 (出演(声))
ハル 樹木希林 (出演(声))


今日は朝から防災訓練と草刈があって、暑い最中一仕事したのでくたびれてしまった。その後も気温が上がり、家にいても暑いだけで何もやる気が起こらないので、妻と何処か涼しいとこに行こうと言うことになった。結局は、映画館が涼しそうなので、またもや映画を見ることになった。夫婦で行くのなら公開されたばかりの「借りぐらしのアリエッティ」が良さそうだったので早速ネットで座席を確保した。

日曜日ということもあり、映画館のあるショッピングセンターの駐車場は大渋滞でなかなか駐車スペースが見つからない。開演まで時間がなかったので、近くの空き地に止めて映画館に入った。映画館の中は、大混雑だ。みんな涼を求めて映画館に来たのじゃないかと思えた。ネットで予約してあったので発券機で発券させるだけだったが、発券機の前にも大勢の列がついていた。なんとか開演数分前に発券できて館内に入った。館内はほぼ満席で人気の高さが伺えた。

さて、ストーリーはジブリの作品らしく美しい映像と小人と人間の交流という感動的なファンタジーアニメに仕上がっていた。特に小人の視点から見た人間の世界は、壮大で危険に満ちた世界というのが面白く描かれていた。また人間にとっては些細な小物が小人たちにとっては、凄く貴重な物であったりするのも不思議な感覚を覚える。前半は、こんな場面がいくつもあり、極普通の人間の家や庭が大冒険の舞台になるという「子供時代の感覚」を呼び起こしてくれた。

だが、家政婦が小人を捕まえようとするところあたりから、ごく普通のアニメに戻ってしまったような感じがした。結局は、小人たちは人間につかまることなく無事に逃げることが出来たのだが、思ったほど盛り上がることもなくさらっと終わった感が強い。ジブリ作品らしく、何か凄い感動を受けるのかということもなく物足らなさ感が強かった。もっと大人向きの作品を期待してたのだが、可もなく不可もなくといったところか。

おまけだが、劇中ポッドやアリエッティが“かり”に行くと言っていたのを“狩り”だと思っていたのだが、あとで“借り”だったというのがわかった。つまり、小人たちは人間の物を借りて暮らしていたのである。ここから“借りぐらし”という言葉がタイトルに付いたのが今更ながらわかった。でも実際は、借りたのではなく盗んでいたということになるのではないかな。このあたりは、どう解釈すべきか気になる。何か人間にも感謝しているようなくだりがあったほうが、子供向けにはいいのかななんて余分な心配までしてしまった。