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とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

「八日目の蝉」日本アカデミー賞10冠とは凄い

2012-03-03 21:46:25 | 映画


2月末には、映画の本場ハリウッドで第84回アカデミー賞の発表があったが、昨日は日本アカデミー賞の発表があった。今年は、テレビでの生放送だったので、つい気になって最後まで見てしまったが、驚くことに「八日目の蝉」が、最優秀作品賞、最優秀主演女優賞(井上真央)、最優秀助演女優賞(永作博美)のW受賞、最優秀監督賞など最多10部門を受賞していた。

受賞一覧は、下記のとおりだ。
最優秀作品賞:「八日目の蝉」
最優秀監督賞:成島出(八日目の蝉)
最優秀主演男優賞:故 原田芳雄(大鹿村騒動記)
最優秀主演女優賞:井上真央(八日目の蝉)
最優秀助演男優賞:でんでん(冷たい熱帯魚)
最優秀助演女優賞:永作博美(八日目の蝉)
最優秀脚本賞:奥寺佐渡子(八日目の蝉)
最優秀音楽賞:安川午朗(八日目の蝉)
最優秀撮影賞:藤澤順一(八日目の蝉)
最優秀照明賞:金沢正夫(八日目の蝉)
最優秀美術賞:西岡善信・原田哲男(最後の忠臣蔵)
最優秀録音賞:藤本賢一(八日目の蝉)
最優秀編集長:三條知生(八日目の蝉)
最優秀外国作品賞:「英国王のスピーチ」
最優秀アニメーション作品賞:「コクリコ坂から」

上の一覧のとおり、まさに「八日目の蝉」関係でほとんどの賞を独占してしまっている。これほどの結果が出るとは思いもよらなかったが、如何にこの作品が素晴らしかったという証明だろう。因みに、最優秀外国作品賞:「英国王のスピーチ」も先日見たばかりだが、これもいい作品だった。

「八日目の蝉」の原作本も、前から気になっていたがまだ読んでなかったし、映画もまだ見てなかった。主演が「おひさま」でブレイクした井上真央ということもあり、共演は永作博美、小池栄子と私の好きな女優さんが出ていたので機会があれば見たかった映画だ。しかし、まさか、日本アカデミー賞でこれほど注目を浴びていたとは知らなかった。私としては、不覚だった。そして、この映画のメインの舞台は、小豆島だという。

小豆島といえば、来週ウルトラマラソンがあり、それに参加する予定でいる。映画では、小豆島の美しい自然や風景が随所に盛り込まれているらしい。これは、現地に行く前に映画を見ておくべきだと思い、いそいでDVDをレンタルしてきた。来週までにDVDで映画をじっくり見て、小豆島に思いを馳せておきたいと思っている。

映画『麒麟の翼』~劇場版・新参者~

2012-02-13 22:51:51 | 映画


東野圭吾原作の最新書き下ろしミステリー「麒麟の翼」が、早くも映画化された。
ずっと、原作本を読みたくて、図書館の予約が回ってくるのを待っていたが、待ちきれなくて映画を先に見てしまった。
ミステリーと言うと、やはり犯人がわかってしまうと、改めて原作を読むまでもないと思ってしまいそうである。
先に映画か、原作かと悩むところだが、今回は映画が先になってしまったわけだ。
結論としては、映画は映画、原作は原作として別のものと考えればいいと思うことにした。

解説 - 麒麟の翼~劇場版・新参者~(goo映画より)

東野圭吾の推理小説『麒麟の翼』を、東野作品をテレビドラマ化した『新参者』での“加賀恭一郎”役が好評を得た阿部寛主演で映画化。刑事・加賀恭一郎が、日本橋で起きた殺人事件の謎に挑む。共演は「BALLAD 名もなき恋のうた」の新垣結衣、「君が踊る、夏」の溝端淳平。監督は「いま、会いにゆきます」の土井裕泰。

あらすじ - 麒麟の翼~劇場版・新参者~(goo映画より)

東京・日本橋で男性が殺害される事件が発生。被害者はカネセキ金属の製造本部長、青柳武明(中井貴一)。彼は、腹部を刺されたまま8分間も歩き続けた後に、日本橋の翼のある麒麟像の下で力尽きていた。なぜ、誰の助けも求めず、彼は一体どこへ向かおうとしていたのか。一方、事件の容疑者、八島冬樹(三浦貴大)は現場から逃亡しようとしたところを車に轢かれて意識不明の重体だった。報せを聞いた八島の恋人、中原香織(新垣結衣)は、彼の無実を訴えるが……。この難事件の捜査に当たるのは、日本橋署の切れ者刑事、加賀恭一郎(阿部寛)。やがて捜査が進むにつれて、それぞれの家族や恋人の知られざる一面が明らかになってゆく。命が終わるその時に、青柳は誰に何を伝えようとしていたのか?愛する人に何を残そうとしたのか?加賀は事件の裏に隠された謎を解き明かし、真実を見つけ出すことができるのか……?


刑事の加賀恭一郎は、テレビドラマ「新参者」で好評だった阿部寛が演じている。阿部寛は「トリック」の上田次郎のイメージが強かったが、加賀恭一郎役もなかなかはまり役だと言っていい。彼が演じる役は、偉い教授とか高圧的な役人というのが多かったが、この作品ではそこが抑え目になっており、被害者や加害者、その周りにいる人たちへの優しい眼差しのようなものが、上手に表現できていたような気がする。

冒頭で、日本橋の麒麟像の前で倒れたヨレヨレの中年の男性が、中井貴一だと思わなかった。昔の中井貴一のイメージは、ちょっときざな感じがしてあまり好感が持てなかったが、この作品では子を思う親の姿を、見事に演じていて凄く良かった。『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』でも、いい味を出していたが、歳を重ね息子との関係を何とか修復しようとする父親の思いをうまく演じていたといえる。この映画では、中井貴一演じる青柳武明が一番重要な役どころだといっていい。青柳武明の行動は、涙なくして見ることはできなかった。

作品全体としては、もの凄い複雑なミステリーと言うわけではなく、親子の絆を描いた感動的なストーリーである。東野作品のなかでも、加賀恭一郎シリーズは、特にお節介ともいえるほどの被害者や加害者周辺への優しい思いやりが感じられる。単なるミステリーで終わらせないという作者の想いみたいなものが感じられるのだ。映画では、その辺りが2時間と言う枠の中では充分描ききれなかったかもしれないが、私の中では、有り余るほどの感動を与えてもらった言っていい。更に原作を読むことで、この感動を大きく満たすことが出来るに違いない。

因みに、この作品のタイトルとなった「麒麟の翼」について調べてみた。麒麟とは、中国神話の伝説上の動物で、鳥類の長である鳳凰と並んで、獣類の長とされている。この麒麟の像が東京日本橋の中央に建てられているわけだ。麒麟には本来翼はないとされているのだが、日本の道路のスタート地点である日本橋から日本中に飛び立てるようにという意味を込めて翼をつけたとされている。何かを始めようとする時、この麒麟像のまえから旅立つのもいいかもしれない。

そして、もう一つ。エンディングテーマのJUJUの「sign」は、まさに作品にピッタリの曲だ。作品の余韻に浸りながら曲を聞いていると、急いで席を立つ気になれなかった。

映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」

2012-01-21 19:53:36 | 映画



「ALWAYS 三丁目の夕日'64」が今日から公開になった。どうしてもすぐに見たかった映画なので、朝一でランニングしてから12時過ぎの上映に間に合うよう急いで映画館に向かった。天気も悪く映画館に来る人が多いのではないかと慌てて入場したが、それほど混んでいる状況ではなくすんなり見ることができた。まずは、あらすじを紹介しておく。

あらすじ - ALWAYS 三丁目の夕日'64(goo映画より)

昭和39年(1964年)。オリンピック開催を控えた東京は、ビルや高速道路の建築ラッシュとなり、熱気に満ち溢れていた。そんな中、東京下町の夕日町三丁目では、5年前と変わらず、個性豊かな住民たちが元気に暮らしていた。小説家の茶川竜之介(吉岡秀隆)は、ヒロミ(小雪)と結婚し、高校生になった古行淳之介(須賀健太)と3人で仲良く生活している。茶川商店の一角は改装され、ヒロミがおかみを務める居酒屋「新山藤」となった。ヒロミは身重で、もうすぐ家族が一人増える様子。だが茶川は「冒険少年ブック」の看板作家として連載を続けているが、新人小説家の作品に人気を奪われつつあった。編集者の富岡(大森南朋)から「もっと新しい雰囲気で」と言われ、茶川はますますスランプに陥っていく。一方、鈴木則文(堤真一)とその妻・トモエ(薬師丸ひろ子)、一人息子の一平(小清水一揮)、住み込みで働く星野六子(堀北真希)が暮らす鈴木オートは、順調に事業を拡大し、店構えも立派になった。六子にも後輩の従業員ができ、厳しく指導をする姿はすっかり一人前。彼女無しでは鈴木オートの仕事は回らないほどであった。そんな六子は、毎朝おめかしをして家を出て行く。それは、通勤途中の医者・菊池孝太郎(森山未來)とすれ違い、朝の挨拶をかわすためだった。六子のほのかな恋心を温かく見守るのは、大田キン(もたいまさこ)。そして小児科医・宅間史郎(三浦友和)は、今日も町の人のために診療を続けている。そんな折、茶川が隠していた、とある電報をヒロミが見つけてしまう……。


三作目となった「ALWAYS」シリーズだが、今回は東京タワー完成後の昭和39年で、オリンピックに浮き立つ日本を背景に物語が進んでいく。冒頭は、子供のころはやったゴム動力で飛ぶ模型飛行機が東京の街中を飛んで東京タワーの上空までいくという設定だ。この時代の東京の町並みと、東京タワーの全景が3Dで圧倒的に迫ってくる。CGとはいえ、本当にリアルな映像に驚きだ。今春にはスカイツリーが開業するとはいえ、東京の風景には東京タワーがよく似合う。東京タワーの真上からの映像は、まるで自分が空の上にいるようにも感じるほど臨場感があった。

さて、今回のお話も、毎度おなじみのキャストが勢ぞろいしており安心して見ることができる。まるで懐かしい友達に会ったような気分でみられるのがシリーズ物の強みだ。そして、子役の少年たちの成長ぶりや、六ちゃんが少女から大人になってきたのを改めて実感できた。作品中では、この時代の流行を巧みに取り入れ、我々の世代にはニヤッとさせるエピソードが満載である。鈴木オートの長男・一平は、加山雄三に憧れてギターをかき鳴らす。ベンチャーズのエレキサウンドもこのころ流行っていたのを思い出した。赤塚不二夫の「おそまつくん」もこの頃はやっていたなあ。子供たちの「シェー」のまねをして薬師丸ひろ子が「シェー」をしたのは笑える。コーラの自販機がでていたが、ビン入りで自販機に栓抜きがついていたのも時代を感じる。まだ自販機が珍しいせいか店員が自販機の前で番をしているのも笑える。そして、テレビは白黒からカラーへと変わりだした時期だ。オリンピックはやはり白黒よりカラーがいいとばかりに、カラーテレビがある家に近所の人が集まったのも、そうだったなあと納得だ。

さて、今回のメインのエピソードは二つある。一つは鈴木オートの従業員である六ちゃんの成長ぶりだ。六ちゃんの恋の行方とその結末は、ハラハラさせられる。もちろん「ALWAYS」シリーズでは、ハッピーエンドで終わるはずと判っていても最後までどうなることかと心配だった。父親がわりの鈴木社長が、六ちゃんの恋を知って激怒するあたりは、半端じゃない。髪の毛が逆立ち、まるでモンスターのように怒る。恋人の菊池は悪い男で六ちゃんは騙されているのではないかと、映画を見ながら自分も心配してしまっていたが、ドラマの伏線が最後にうまく繋がり、二人は無事結婚する。六ちゃんが、鈴木夫婦にする結婚式前のお約束の挨拶は、泣かされる。それにしても六ちゃんの花嫁姿はきれいだったなあ。

もう一つは、淳之介の成長だ。第1作では、幼い少年だった淳之介が、東大進学を狙う受験生になっているなんて年月の経つのは早い。しかし、淳之介は茶川を慕い小説家になる夢を捨てられずにいたのだ。親子でもない茶川と淳之介が実の親子以上に、親を思う気持ち、子供を思う気持ちを熱烈に演じていた。あまり詳しく書くとネタバレになってしまうが、茶川には子供が生まれ、淳之介は茶川から巣立ちしていく様子が描かれている。このエピソードには、涙なくして見ることはできない。3D用のメガネの下で何度も涙を拭ったことだろう。

シリーズ最高傑作と前評判も高いようだ。2時間半近くもある長い映画だが、その長さを感じることがないほど映画の世界に入り込んでいた。最後にキャストの名前が出てきても、席を立つのが名残惜しくて最後の最後まで見てしまった。昭和テイスト満載の映画だが、懐かしさだけでなく、人情味あふれるストーリーは健在である。まだまだ続編が見たいシリーズだ。

映画『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』3D版

2011-08-23 23:34:36 | 映画
トランスフォーマー ダークサイドムーン 予告編


チェック:あらゆるテクノロジー機器にトランスフォーム(変身)する金属生命体と人類の攻防戦を、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、マイケル・ベイ監督のタッグで描くSFアクション超大作のシリーズ第3弾。最終章となる本作では、物語の主戦場を宇宙まで広げ、トランスフォーマーたちによる地球侵略を圧倒的なスケールで活写。社会人になった主人公をシャイア・ラブーフが熱演するほか、シリーズ初のフル3Dによる映像世界も見ものだ。
ストーリー:1969年7月20日、アポロ11号は月面着陸に成功し、ニール・アームストロングとエドウィン・オルドリンは人類で初めて月に降り立ったが、全世界が見守ったこの歴史的偉業の陰で、NASAとアメリカ政府は、ある事実をひた隠しにしてきた。実は月の裏側には、彼らよりも先に未知の宇宙船が不時着しており……。(シネマトゥデイより)

第1作、第2作ともあまりにもつまらないストーリーでガッカリした映画だった。単なるアメリカ製変身もの映画で子供向きだったからだ。今回は、『アバター』のスタッフが手がけたデジタル3D映像とならんで、劇中で描かれる熱き人間ドラマに高評価が寄せられているという前評判を期待して見ることにした。

確かに、トランスフォーマーの変身シーンや建物や施設の破壊や崩落、爆発などのシーンは目を見張る映像効果である。まったく違和感なく見ることができ、これがCGだとはとても思えないほど精巧に作られている。しかも、倒壊するビルの中での人間たちのアクションシーンやムササビのように空を飛ぶ様子もリアルだ。だが、この後半にあるアクションシーンがやたらに長い。2時間34分もの長い時間の約1時間ほどが、アクションシーンに費やされている。戦っているのが、悪役側なのか人間側なのか良くわからないシーンも多く、やたらに戦闘シーンがだらだらと続いていた感が強い。そして、人間部隊のほうの攻撃方針ももたもたしてもどかしい。

高評価が寄せられたという熱き人間ドラマというのも、それほど感じなかった。トランスフォーマーの圧倒的な力の前に、人間がいくら頑張っても勝つことは出来ない。トランスフォーマー同士の戦いの中で人間がうまく乗っかっていったくらいの感が強い。アクションシーンが長いわりに戦いの結末はあっさりして拍子抜けするくらいである。

やはり3作目もストーリー的には今一つ。新しいヒロインは魅力的だが、就職も決まらずパッとしない主人公と何であんなにも愛し合う仲になるのか納得できない。この映画は、ストーリーよりも派手なCGやアクションを楽しむということで見れば充分楽しめる映画だ。ただ、ストーリーを重視する私としては、大味すぎてドキドキしたりワクワクするようなことはなく物足らなかった。

「告白」原作読んで映画も見た

2011-06-21 23:53:28 | 映画


湊かなえの『告白』という本が、2009年に本屋大賞を受賞し、2010年6月には監督中島哲也、主演松たか子により映画が公開された。翌年2011年2月には第34回日本アカデミー賞を授賞している。テレビCMもガンガン流され気になった映画ではあったが、なかなか見に行く機会がなく1年経っていた。しかし、先日WOWOWで放送されたのでとりあえず予約録画しておいてまず原作を読んでみた。そして、原作を読み終わってから改めて映画のほうも見てみた。

原作は、6章にわたる構成となっている。各章とも、書く登場人物の視点から書かれている。

第一章は「聖職者」。中学の教師森口悠子は、終業式の日に1年B組の生徒たちに間もなく自分が教師を辞めることを告げる。森口は、数カ月前学校のプールで自分の一人娘が死んだのは、自分のクラスの生徒二人に殺されたと衝撃的な発言をする。森口は、犯人がわかっており少年「A」と「B」を告発する。彼らの名前こそ言わないが、話の内容からクラスの誰もが犯人を知ってしまう。森口は警察に言うつもりはないが、彼らには既に恐ろしい復讐を仕掛けたと宣告して去っていく。この第一章が湊かなえのデビュー作だが、まさに衝撃的な出だしである。女性作家でこんな話を良く考えたものだと驚いた。とにかく読み出したら気になって途中で読み終わることができなかった。

第二章は「殉教者」。森口が去ったあと、全員2年に進級する。この章では、クラス委員長の北原美月が森口悠子へ綴った手紙の形で語る。犯人を知った生徒たちは、「少年A」こと渡辺修哉をクラス全員でいじめる。また、「少年B」こと下村直樹は不登校になって一度も学校に姿を見せない。そして、1年B組に何が起きたか一切知らない新任教師の「ウェルテル」こと寺田良輝の愚かな行動が森口に知らされる。

第三章は「慈愛者」。森口の恐ろしい復習によって、下村直樹は精神に異常をきたす。そして、自分の母親まで殺してしまう。この章は、直樹の姉が弟の起こした事件の背景を知るために、母親の日記を読むことで始まる。母親は直樹を溺愛しており、直樹が殺人を犯したことなどまったく信じていない。むしろ森口という教師をまったく信用していなかった。後任の教師寺田が無理やり直樹へ関わってこようとしたことで、精神的に追い詰めらた直樹との間で板ばさみになる。寺田の行動は、森口の計算された言動によって操られていたのである。

第四章は「求道者」。母を刺殺した直樹が、施設の中で幻覚を見る事で始まる。彼が共犯者である渡辺と出会ったこと。森口の娘を殺したこと。そして、母親を殺すまでの様子をフラッシュバックという形で追っていく。直樹は、殺される事はなかったものの結果的には森口によって人格が崩壊させられてしまっていたのだ。これは、殺されるよりも更に恐ろしい復讐であったといってもいい。

第五章は「信奉者」。主犯である渡辺修哉が自分のHPに「母親への遺書」として自分の生い立ち、愛美を殺すに至った過去の経緯や次の犯行予告などをアップロードする。彼は、両親の離婚で父親と生活していたが、優秀な物理学者である母親に対して自分の優秀さを認めてもらいたかったのだ。母親に知ってもらいたい一心で不気味な発明品をいくつも作り殺人の道具にもしてしまっていたのだ。中学生とは思えない知識で中学校を恐怖の現場に陥れようとする。だが、突然彼の携帯電話が鳴り響く。

第六章は「伝道者」。第五章から続くのだが、森口悠子から渡辺修哉の携帯電話に最後の宣告が行われる。「これが本当の復讐であり、あなたの更生の第一歩だとは思いませんか?」まさしくこれが本当の復讐だったのだ。森口は、修哉の計画を全て察知して完全に先回りしていた。修哉は自らの手で、大事な母親を死に至らしめてしまうのである。最後の第六章は、思いもよらぬ悪魔の復讐劇といってもいいだろう。ここまでやるかというくらいの展開に戦慄した。女性作家のほうが、こんな話を考えることができるのかという驚きも大きかった。

原作本は以上のようなストーリーである。そして映画のほうも、基本的にはほぼ原作どおりに作られていたといってよい。原作を読んでイメージした世界が、映像化されたことで更に印象が強まった気がする。松たか子の森口は、鬼気迫る演技だったといっていい。あの可愛げな声で、たんたんと生徒たちに語りかける様子は心底恐怖を感じる。最後のシーンで声高らかに笑う様子は、背筋が寒くなりそうだった。

その他の登場人物も、原作のイメージを損なうことない演技だったといっていい。直樹の母親役の木村佳乃は、息子を溺愛しながらも最後に息子に殺されてしまうという難しい役を難なくこなしていた。

映像化されたことで、暗い画面や音楽で原作のイメージをより深くとりこんだともいえる。最後まで作品の中に入り込んで見入ってしまった。ただ、見終わってすっきりする映画ではない。深い人間の闇を見てしまい、何ともいえない気分にもなってしまう。でも、これほど過激で人間の怖さを知らしめた映画はかってなかっただろう。そういう意味では、凄い原作であり、映画でもあった。

映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』

2011-05-31 22:30:14 | 映画


チェック:自由奔放な海賊キャプテン・ジャック・スパロウをジョニー・デップが演じる人気シリーズ第4弾となるアクション・アドベンチャー大作。永遠の命をもたらす伝説の泉をめぐり、ジョニー・デップ演じるジャックが新たな冒険を繰り広げる。『シカゴ』『NINE』などのロブ・マーシャルが監督としてシリーズに初参加。ジャックのかつての恋人である女海賊を、『それでも恋するバルセロナ』のペネロペ・クルスが演じる。臨場感あふれる映像による大海原やアクションシーンの迫力に、度肝を抜かれること必至だ。

ストーリー:美しい女海賊アンジェリカ(ペネロペ・クルス)と再会したジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)。しかしジャックは、アンジェリカが不死の泉を見つけ出すために自分に近づいたのではないかと疑いを抱く。アンジェリカと史上最強の敵である黒ひげ(イアン・マクシェーン)と共にリベンジ号で船出したジャックだったが、そこには予想だにしない冒険が待っていた。(シネマトゥディより)


パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉をついに見てきた。ヒットシリーズなので、なにはともあれ見たかった映画だ。3D版と通常版とどちらにしようかと迷ったが、とりあえず3D版で見ることにした。今回から、3Dメガネが売り切りということで100円余分に取られたが、次回以降の3D版を見る時に持参すれば100円は取られない。ただ、3Dといっても、それほどリアルに感じた場面は少なく、通常版でも良かったかも知れない。3Dブームも終焉と言う話を聞くし、やはり映画は通常版で充分楽しめる。

さて、内容はどうだったかといえば、人気シリーズだけに2時間を越える長い映画だったが充分楽しめた。ただ、4作目という事でストーリーはごくありきたりの内容だ。「生命の泉」を求めて、ジャック・スパロウ船長、黒ひげ、バルボッサ、黒ひげの娘アンジェリカ、スペイン軍が入り乱れての争奪戦が行なわれる。結果は、予想通りの展開だった。「生命の泉」を手にした者、そしてそれを飲み干すことができた者とできなかった者の運命は、全て予想できた。一本調子のシナリオだという意見が多いが、私も同意見だ。まずは、無難なところでまとまった感が強い。ある意味、何が起こるんだろうというドキドキ感はほとんどなかった。

一番の見所は、新たなキャストとして登場した女海賊アンジェリカを演じたペネロペ・クルスとジャック・スパロウ船長を演じるジョニー・デップの掛け合いだろう。女海賊アンジェリカとジャック・スパロウ船長は、まるで峰不二子とルパン三世みたいな関係だ。ペネロペ・クルスの海賊姿はなかなか華麗で可愛い。また、ジャックの偽者で登場するなど、出だしはなかなか面白かった。このコンビで、さらに次回作が作られそうな雰囲気もあり、それはまた楽しみでもある。

「生命の泉」には、人魚の涙が必要ということで、美しい人魚たちが登場する。こんな人魚に出会ったらさすがの海賊たちもメロメロになりそうだが、この人魚たち、実際は恐ろしく強暴だ。人間に襲いかかり海に引きずり込んで食べてしまうという恐怖の生物である。そんな恐ろしい人魚の一人シレーナと宣教師のフィリップの恋物語がサブストーリーとして描かれている。ただ、本筋とはあまり関係ない話でとってつけたような印象だった。フィリップが海賊の中に加わっていた意味も曖昧な感じがする。また、最恐の海賊という役どころの「黒ひげ」だが、あまり恐ろしげな感じはしなかった。

この映画は、最後までしっかり見てから席を立ってほしい。長いエンドクレジットのあとお楽しみ映像がくっついている。ファンだったらとりあえず見ておいて損はない映画だろう。

ジョニー・デップのはまり役ランキング - gooランキング

2011-05-23 21:41:05 | 映画


gooのランキングで「ジョニー・デップ」のはまり役ランキングが載っていた。
今週から、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の第4作が公開されていることもあり、「ジョニー・デップ」といえば、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウ船長が一番のはまり役だという結果は誰もが納得するだろう。私も第1位の結果に満足している。今までの海賊とは一味違うユニークな海賊の役作りを第1作で見て、いっぺんにファンになってしまった。ジャック・スパロウを彼以外の役者がやることは想像できないし、ありえないことだろう。

そして、2位から5位まではティム・バートン監督と組んだ作品ばかりが並んでいる。2位は『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカ、3位が『シザーハンズ』のエドワード、4位が『アリス・イン・ワンダーランド』の帽子屋、5位が『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のベンジャミン・バーカーである。ティム・バートンというとゴシック、ホラー、ファンタジーなどを題材にした独特の映像とキャラクターの作品が多く、その作品の雰囲気を見事に演じているのがジョニー・デップであるといえる。この二人がタッグを組んだ作品は、独特の味わいがある。どれを見てもジョニー・デップのはまり役と思えるから不思議である。

2位から5位は、どれが何位になろうともそれほど差はない気がする。個人的な好みで行けば2位に『シザーハンズ』のエドワード、3位に『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカを挙げたいくらいである。まあ、5位までは妥当な結果であろう。

6位以下もいろいろ出ているが、見たことない映画もあるし、見たことあるけどジョニー・デップが出ていたことを気付かなかった映画もある。やはり『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウ船長のイメージが強すぎて、他の映画の印象が弱まっていることは否めない。しばらく前に見た『ツーリスト』のフランクなんて役は誰でもいいような役である。アンジェリーナ・ジョリーと競演したという話題づくりに作られたような映画だったといえる。

このランキングを見て、やはり『パイレーツ・オブ・カリビアン』第4作を早く見たくなってきた。

映画『岳-ガク-』

2011-05-22 21:48:02 | 映画


チェック:人気コミック「岳 みんなの山」を原作に、山岳遭難救助をリアルに描いた山岳ドラマ。高度な山岳技術を持ち、山の恐ろしさを知る主人公には原作を愛読していたという小栗旬がふんし、高所恐怖症にもかかわらず氷壁登りや懸垂下降に挑む。ヒロインの新人救助隊員を、小栗とは『ロボコン』以来約7年ぶりに共演する長澤まさみが演じるほか、佐々木蔵之介、石田卓也、市毛良枝らが脇を固める。標高3,000メートル級の名峰が並び立つ日本アルプスで過酷な雪山ロケを行った映像は圧巻。

ストーリー:世界の巨峰を登り歩き山をこよなく愛する島崎三歩(小栗旬)は、山岳救助ボランティアとして登山者の命を守ってきた。春、長野県警山岳救助隊に配属された椎名久美(長澤まさみ)は三歩の指導のもと成長していくが、実際の現場では遭難者を救うことができず自信を失っていた。そんなある日、猛吹雪の冬山で多重遭難が発生し、久美は仲間と共に救助に向かうが……。(シネマトゥディより)

『ビッグコミックオリジナル』に連載されている石塚真一の「岳 みんなの山」が映画になった。漫画はずっとよんでいたわけではないが時々読んだことがあって面白い山岳漫画だなーと思っていた。それが映画化されたという事で、山の映像がどんなふうに撮影されているか気になって早速見に行ってきた。

漫画のファンの中では、映画のキャストに違和感を唱えている人が多いように聞いていたが、実際見てきた感想としては、小栗旬の島崎三歩はまさに適役だったと思った。漫画の中でもほのぼのとした山男というイメージがあり、小栗旬はいたずらっ子がそのまま大人になったような明るいキャラクターで三歩を好演していた。

山岳救助をテーマにしており、遭難して助かった人もいれば救助の甲斐もなく亡くなってしまう人もある。これまでも同じような映画は一杯あったと思うが、美しい映像と山岳ボランティアの三歩の指導を受けて山岳救助隊の女性隊員椎名久美(長澤まさみ)が成長していく様子が良かった。山岳救助という場面で、要所要所に重い決断をしなければならないことも改めて思い起こされた。死んでしまった人を崖から落としてしまうシーンや天候悪化で救助を中断してヘリを引き返さなければならないシーン等、人命救助が優先とはいえどれかを捨てざるを得ない究極の選択をする山岳救助隊員の葛藤等泣けるシーンも多かった。

また山の怖さも思い知らされるが、それ以上に増して素晴らしい雪山の風景。三歩の「また山においでよ」の言葉が嬉しい。雪を被った北アルプスの雄大な風景に改めて雪山に魅了された。晴れ上がった空の下、真っ白な雪の斜面を思いっきり走っていきたくなった。ありきたりのストーリーかもしれないが、素晴らしいキャストと美しい映像、コブクロのエンディングテーマ等、爽やかな気持ちで見終わることができた。

三歩が言う山で捨ててはいけないもの「ゴミ」と「命」。これだけは、忘れてはならない。

映画『毎日かあさん』

2011-03-20 20:00:14 | 映画


チェック:漫画家の西原理恵子が自身の体験を基にした人気漫画を、小泉今日子と永瀬正敏の共演で映画化したホームドラマ。一家を支える大黒柱の漫画家女性とアルコール依存症の元戦場カメラマンの夫、二人の子どもたちとの、一風変わった家族のエピソードをつづっていく。監督は、『かぞくのひけつ』の小林聖太郎。笑いの中に温かい人情を醸し出す原作の世界に溶け込んだ俳優たちの演技に注目。

ストーリー:二人の子育てに仕事にと忙しい日々を、持ち前のたくましさで乗り切る漫画家のサイバラ(小泉今日子)。元戦場カメラマンの夫(永瀬正敏)は戦場でのトラウマのせいでアルコールにおぼれ、二人は離婚することになる。大切な家族を失い、アルコール依存症と闘う夫だったが、今度はガンが見つかり……。(シネマトウディより)

しばらく前に見た映画だ。久々にブログで紹介したい。
毎日新聞朝刊に連載している西原理恵子の漫画の実写版であり自伝的な内容だ。

漫画自体は、あまり読んではいないのだが、小泉今日子と永瀬正敏の元夫婦同士の共演という話題性があったことと、子役たちの演技がなかなかいいという評判もあって見たいと思っていた。

前半は、6歳の息子と4歳の娘をかかえた主人公のサイバラ(小泉今日子)が子育てに奮戦している様子が描かれている。6歳の息子はお漏らししたり、食べ物をこぼしたり部屋を散らかしたり泥んこまみれになったりとサイバラは片時も目が離せない。4歳の娘は甘えん坊で手がかかる。漫画家としての仕事のかたわら子育ても頑張らねばならない。仕事を持った母親の子育ってこんなにも大変だったのだなと改めて思い知らされる。

サイバラには夫がいるのだが、アルコール依存症で子育てもまともに出来ない男だ。酒を止めるといっては、何度も約束を破って暴れ周り、家族が崩壊していく。そんな父親なのに、子供たちはなついている。しかし、仕事もなく妻の稼ぎだけに頼るしかない夫は、やがて自分のダメさ加減に自信喪失し自分から断酒施設に入院し、断酒が成功したと家に帰ってくるがそれも長続きせず、酒に手を出してしまう。業を煮やしたサイバラは、離婚を申し出て、別れてしまう。

離婚をしてからの夫は、家族に会えない状況に一念発起してやっと酒を断つことが出来た。だが、その時既にガンに侵されていたのである。元夫がガンに侵されていたことを知ったサイバラは見捨てることが出来ず、再び一家4人の生活が始まる。夫役の永瀬正敏の演技は、見ごたえがある。体重も減らしガンに侵された男を見事に演じていた。後半は、カメラマンだった自分にできることは家族の写真を撮り続けることだとばかり、いろんなショットを撮り続けていく。エンドロールでは、カメラマン永瀬が撮影した家族写真が、何枚も流れていく。あの場面で、撮っていた写真だったなーと思いながら見ていると最後の最後まで映画館の席を立つことができなかった。

元夫婦だった小泉今日子と、永瀬正敏の夫婦役は演技を通り越して真に迫っていたようだ。また、子役たちの演技には感動する。父親がいなくなってから、会いたくなった兄妹は、おもちゃのプールを多摩川に浮かべた。それを漕いで、父親に会いに行こうとするシーンは涙を誘う。子供たちは親たちを「おとしゃん、おかしゃん」と呼んでいるのが何故か耳に残ってしまう。舌っ足らずの4歳の妹がとっても可愛い。こんな娘がいたら、父親は何でも言う事を聞いてあげたくなってしまうだろう。そして、キョンキョンこと小泉今日子が、おおらかで存在感のある母親像を好演していた。家族の絆とは何かと改めて思い起こさせてくれた映画である。重いテーマの話ながら、笑いも交えて淡々と進む展開に暗い気持ちにならずすっきりした気分で見終わることができた。

映画『しあわせの隠れ場所』

2011-03-06 21:39:26 | 映画


チェック:ホームレス同然の生活からアメリカン・フットボールのプロ選手になった少年の実話を映画化した感動的な人間ドラマ。裕福な家族と黒人少年との、偶然の出会いと深いきずなを丁寧につづる。魅力ある母親を好演したサンドラ・ブロックが、2009年の数々の映画賞を受賞。さらに、カントリー歌手のティム・マッグロウや実力派のキャシー・ベイツ、本作の少年役で本格的にデビューするクィントン・アーロンらが共演。良心がもたらすアメリカン・ドリームに、ラストはさわやかな感動で包まれる。

ストーリー:家族と共に車で帰路に着くリー・アン(サンドラ・ブロック)は、雨に濡れながら夜道を歩くマイケル・オーア(クィントン・アーロン)に目を留める。自宅に連れ帰ったマイケルの境遇を知り、一家に迎え入れることにしたリー・アン。アメリカン・フットボールを始めたマイケルの適性をリー・アンが見いだしたことから、マイケルの才能は一気に開花する。(シネマトウディより)

昨年、アカデミー賞主演女優賞をとったサンドラ・ブロックが出演した映画である。大好きなサンドラが出演した映画ということもあって見たかったのだが、機会を失ってそのままになっていた。しかし、つい最近、WOWOWで放送されたので1年ぶりに見ることができた。

ズバリ素晴らしい感動ストーリーにすがすがしい気分にさせられた。スラム街出身の貧しい黒人少年マイケルは、裕福な白人が通う学校に馴染めず、居候している家族にも邪険に扱われ体育館で寝泊りするホームレス状態になっていた。そんな時、偶然マイケルを目にした白人女性のリー・アンは彼を家に招き入れた。マイケルは、誰もが驚く巨漢ながら性格は優しく、人を守ろうとする気持ちが強かった。そんなマイケルの人柄を見抜いたリー・アンは、彼を家族の一員として招き入れるのだった。

リー・アンには夫、娘、息子がいる。家族全てが、リー・アンの考えに賛同しマイケルを温かく迎えいれていく。小さい息子のSJと巨漢のマイケルは仲良しで、フットボールの練習をしている様子は象とネズミが仲良く遊んでいるようでほほえましい。リー・アンの一家はみんな善人というのかステキな人たちばかりだ。マイケルを支える家庭教師、学校の先生たちもみんないい人たちばかりだ。そんな中で、マイケルは大きな体を活かしてアメリカン・フットボールの才能を開花させ、大スターへの道を歩み始めていく。

ドラマの中では、トラブルやアクシデントも発生するが、それらも全て乗り越え誰もが納得し感動する結末で終わる。最後まで、見ているものを明るい気持ちにさせてくれる幸せなストーリーである。ちょっとひねくれた見方をする人なら、こんなのありえないと思いそうだが、驚くことにこれは実話なのだそうだ。世の中には、こんな幸運を手にする人もいると思うと人生諦めちゃならないとも思う。

ドラマの重要な役どころであるリー・アンをサンドラ・ブロックが演じている。この役でアカデミー賞主演女優賞をとっただけあり、まさにサンドラの独壇場だ。並み居る男共に睨みを利かせ、自分の考えで周りをぐいぐいとひっぱっていく。まったくもって美しく頼もしいママである。コミカルな役やラブコメの女王だけではないわよと言わんばかりの安定感ある演技である。そして、黒人少年マイケルを演じたクイントン・アーロンの大きな体ながら何かにおびえるような目つきや仕草が上手い。それが、試験の成績が上がってきたりフットボールのルールをマスターしていくにしたがって自信に満ちた顔になっていくのが手にとるようによく判る。

久々に、すっきり爽やかな気持ちで見終わることができた映画だった。すでにDVD化されている作品であり、爽やかな気持ちになりたい人にはお勧めの映画だ。