prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「フランス組曲」

2016年01月27日 | 映画
アウシュビッツで死んだ作家の60年経て発見された遺稿の映画化だというが、描かれているのがナチスにもまともな人間がいたというかなり微妙な内容なのが皮肉でもある。
ヒットラーに心酔して入隊したというわけではなく元々軍人の家系だったので自然に軍人になったという設定で、そういう人間もいるだろうと今更ながら思わせる。

田舎町の閉鎖的で互いに密告しあっているような空気の息苦しさは「スパイ」「ルシアンの青春」などでも描かれていたけれど、どこの国もそうらしい。

戦時下で自分の身を守らなくてはならないところからくる偽善や、意思とは別に立場上やらなくてはならない縛りなど善悪が単純に割り切れない人物配置と動かし方は見事なもの。

フランスが舞台なのに英語が主でときどきドイツ語が混ざるという妙な作り。主演がアメリカ人のミシェル・ウィリアムスなのをはじめ英語圏でほぼ固めたキャストと、あまりフランスらしい香りはしない。
(☆☆☆★)



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フランス組曲@ぴあ映画生活

映画『フランス組曲』 - シネマトゥデイ


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