prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「金子文子と朴烈(パクヨル)」

2024年08月17日 | 映画
朴烈も金子文子もアナーキストで、日本の、というより「国」を基本にした発想から自由な「外からの目」を持ち込んでいるのにいささかたじろぐ。

「天皇の」軍隊が1923年(大正12年)の大震災時の朝鮮人虐殺に加担したとはっきり言っている。
韓国映画ならではですね。「福田村事件」でもこう踏み込んではいない。

大逆事件とは皇族を狙って危害を加えようとする事件の総称で、大震災と同じ年の暮れに起きた難波大助という衆議院議員・難波作之進の息子が当時の皇太子(のちの昭和天皇)を襲撃した、いわゆる虎の門事件が起こった際、内閣でコメツキバッタのようにぺこぺこしながら報告する警察官僚は、正力松太郎のことだろう。

文子役のチェ・ヒソは日本語に訛りがまったくないので吹き替えたのかと思ったら小学二年から卒業まで大阪で育ったのだという。これが主演デビューで初めは日本語を翻訳する役割についていたのを抜擢を受けたのだそう。
法廷にドレスアップして二人が登場するシーンのすっこぬけた調子にはびっくり。