prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「デッド・エンド」

2024年08月27日 | 映画
戦前のニューヨークのイースト・リバー沿いの下町(Dead End=どん詰まり)を舞台にしたシドニー・キングスリー原作、リリアン・ヘルマン脚色、ウィリアム・ワイラー監督、サミュエル・ゴールドウイン製作、グレッグ・トーランド撮影と一流スタッフが揃った1937年作。

金持ちと貧乏人とが生活空間を接しているというのは、今では考えにくい。
第二次世界大戦前とあって銃や麻薬があまり出てこない。
ハンフリー・ボガートがギャング役で善良な頃の尻尾を残しているという過度期的役柄。

大セットに下町全体を作るという、いかにもクラシックな映画作り。どこから撮ってもコンパクトに画になる代わりに箱庭がかって見える。
グレッグ・トーランドの撮影はところどころスクリーンプロセスが目立つが、パンフォーカス的な効果を「市民ケーン」以前に狙ったともとれる。

テアトルエコーで上演された舞台版は見ている。川に飛び込む場面で本水を使っていた。