大人になるのに子供の時の感情に加えて新しい感情が上書きされる、というところまではいいのだけれど、その新しい感情が半分以上仇役みたいになるのはどんなものだろうか。
新旧の感情は葛藤はしても敵対はしないと思う。
旧感情の方もポジティブかネガティブかで優越をつける風になっているのが、どうもひっかかる。一応フォローはしているのだが。
思春期になったライリーが歯に歯列矯正器をはめているという画は考えてみると珍しいのではないか。実写でやったら画にならない公算が高いし、どこまで矯正器を見せるかをコントロールできるのはアニメの強みだろう。
脱線するが、「エクソシスト」のリーガンに矯正器をつけさせるという案があったという。つまり矯正器をつけているのを見せることで、どれほど外観が変わっても同じリーガンだということがわかるという仕掛け。
「カサブランカ」のセリフでイングリッド・バーグマンとハンフリー・ボカートが初めて会った時何をしていたかというのに、バーグマンが「歯にBraceをしていた」というのに対してボガートが「職を探してた」というのがあるが、バーグマンは歯列矯正するだけ若かった、おそらく十代前半の、裕福な家庭の出で、対するボカートは無職というまるっきりミスマッチというのが短いセリフのやりとりでわかる。