prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「パーマネント野ばら」

2010年06月22日 | 映画
しかし、ここに出てくる男どものどうしようもなさは、ちょっとうらやましいくらい。その分、女がたくましいかというとそれほど図式的ではなくて、それ相応にしょうもない。

むさい男どもの中でひとりだけイケメンの江口洋介が混ざっているのが、イケメンについてどう思うかといったセリフ、旅館で逢引するときの展開の微妙さなどとあいまって、なるほどと膝を叩かせる巧妙な語りとと構成美を見せる。

菅野美穂が「エコエコアザラク」の頃の怖い顔をちらっと見せる(それにはちゃんと意味がある)のだが、それをシーンの中のカットの位置づけによってきちんと撮り分けている。

最近の日本映画、貧乏生活の描写がまた復活してきたみたい。違うのは左翼くささがないのと、血縁関係が壊れてきていること。
(☆☆☆★★)


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