prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ヒーローショー」

2010年06月04日 | 映画
風貌と言動からしてそう見えにくいと思うけれど、井筒和幸監督って意外と観念的なのですよ。
アメリカン・ニューシネマが原点だからそうなるのだろうけれど。今回はその観念性があまり良いほうに出なかった。

もともとの暴力をもたらす鬱屈のもとである相手が、仮面ライダーですら、妙にひねくりまわした設定がまかりとおっているのだし、ここでの幼児向けヒーローショーに象徴されるだろう「正義」とはどうもズレている。
この日本を息苦しくしている「正義」っていうのは、たとえば言葉狩りを強要する奴であり、「子供のために」を大義名分にしてアヤつけてくる連中であり、大新聞・大マスコミのもっともらしい論調であり、でね。

格差社会、というのも、誰かの(たとえば小泉純一郎の)せいにできることではないはずですよ。ぐるっと巡って自分に返ってくる。どんなに関係ないつもりでも。
だからたまに失言した相手を槍玉に上げて感情的に叩きに叩く、ということになる。
ここでは意図的に格差の下の方を描いているわけだけれど、下見ているだけでは見えない部分ってあります。
(☆☆☆)


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