prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「Dr.パルナサスの鏡」

2010年01月31日 | 映画
ヒース・レジャーが撮影中に亡くなったので、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの三人が代役をかって出て完成したという世にも変則的な作りだが、もともとイメージが鏡の中で乱反射して増殖していくような構造なので気にならない、どころか奇想感が強まった。さすがに最初の方で別のキャラクターが鏡に入って別人になるシーンを入れて後に備えているが、鏡に入ったご婦人方は変身しないのだね。

ただ、誰が演じても困らないということは、レジャーの役がどういう奴なのかもともと曖昧ということにもなるのではないか。

イメージの奔放さはテリー・ギリアムならではあるのだけれど、「ブラジル」の頃と違ってCGでなんでもできるようになると驚き感は薄くなります。

主役はパルナサス博士ことクリストファー・プラマー(御年80歳)の方で、IMDBによると、カナダ出身のせいか、イギリスの評価が高いせいか、ニューヨークの舞台が活動の中心のせいか、アカデミー賞をとったことがない第二次大戦後の最も優れた俳優ということになる。
アルコール依存の時期があったのが、三度目の結婚で立ち直ったという。
(☆☆☆★)


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