prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ジュリー&ジュリア」

2010年01月18日 | 映画
メリル・ストリープが本当にどこからどう見ても並外れた大女に見える。初めのうち、新しいフランスの屋敷に来たあたりではごく小柄な管理人の女性と絡ませることで大きく見せたのかと思ったら、とてもその程度ではない。
演技だけでなく、どれくらいCG技術も入っているのか、どう見てもまったくわからない。ということはすごい技術なのではないか。
エンド・タイトルでも特にずらずらCGチームらしい名前が並ぶということはないが、内容からして名前を出さないように配慮と契約がなされたのではないかと想像する。

ジュリア役のエイミー・アダムスが、対照的に小柄ですごくキュート。

マッカーシーがのさばった冷戦時代と、ブッシュがのさばった9.11以降の時代とがパラレルに描かれている。
フランス料理ではバターが大事な調味料で、この映画の締めくくりにもバターが置かれるのだが、映画には出てこないが失脚後のマッカーシーは酒びたりになって胃壁を守るためとか言いつつバターをかじりながらウィスキーをストレートで呷って寿命を縮めたという。

料理の楽しみは味もだけれどそれを人と共にすることそのものであることが、二つの時代のそれぞれのパートナーシップに現れていて、また時代を越えて会ったこともない人間と接する方法でもあることをありありと感じさせる。

ジュリーが出版に奔走するのもジュリアがブログを書き続けるのも、コミュニケーションを求める欲求の表現としては同じこと。
(☆☆☆★★★)


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