prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ベクシル -2077 日本鎖国」

2010年01月02日 | 映画

日本が鎖国する、という設定がどうも理解できない。経済的にもするメリットってあるの?今の精神的な鎖国状態のアナロジーなのか?日本人がことごとく機械と化す、というところもそう言いたいらしいのだが、どうもピンと来ない。ナショナリズムと排外主義が高揚しているのは日本だけに限ったことではない。

主役たちは外人なのだろうけれど、日本語しゃべっているしね。声の主役がクォーターの黒木メイサというのも微妙。ニュアンスというより曖昧。
「日本国内」のイメージが戦後の闇市というより縁日市みたいで、借り物くさい。北朝鮮がかって見えるところもある。
サングラスの悪役は「マトリックス」、砂地で暴れる巨大怪獣は「砂の惑星」のサンドウォームといった元ネタが透けて見えるあたりも同様にオリジナリティ不足。

役者の動きをCGに移したヴィジュアルは、昔の「指輪物語」のロートスコープ(実写をアニメにトレースする技術)ほどではないにせよリアルというよりゾンビがかって見える。
(☆☆☆)