prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「レクイエム・フォー・ドリーム」

2009年10月14日 | 映画

原作・脚本のヒューバート・セルビー.jrの代表作「ブルックリン最終出口」の三部構成は、ダンテの「神曲」の地獄・煉獄・天国の三部構成に倣ったものだというが、これも一種の地獄めぐりの旅と思わせる。

コカインで手っ取り早く稼ごうとするカップルだけでなく、ダイエットのために薬を使う母親までがドラッグ中毒にさいなまされる展開は、麻薬撲滅映画の枠を出て、アメリカの夢の果ての破滅の一つの典型と思わせる。
エレン・バーステインがアカデミー賞にノミネートされたらしいけれど、確かにオスカー好みの大熱演の中毒演技。なんべんも脳に電気を流されるあたり、拷問としか思えない(事実、懲罰として使われたこともあったという)。

英エンパイア誌が選んだ「落ち込む映画」ランキングのトップ10の、堂々1位になった映画。
(☆☆☆★)

参考
1.「レクイエム・フォー・ドリーム」(00)
2.「ひとりぼっちの青春」(69)
3.「リービング・ラスベガス」(95)
4.「道」(54)
5.「21グラム」(03)
6.「火垂るの墓」(88)
7.「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(00)
8.「冬の光」(62)
9.「リリア 4-ever」(02)
10.「ミリオンダラー・ベイビー」(04)