prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「オアシス」

2006年05月26日 | 映画
疎外された者同士の、ほとんど格闘に近い感情のぶつけあい。
傷をなめあったり、互いにいたわりあったりする、ありがちな描写、差別という言い方が連想させる弱さ、可愛げがまるでない、きわめて厳しいタッチ。
疎外とか差別というより、自分から他人(家族も)をはねつけているよう。

ムン・ソリの脳性マヒの演技は、ソル・ギョングのとことんゴクツブシに徹した役とともに、よくチャレンジしたなと思わせる。
ただ勇気は別として不随意運動を演技という随意運動で再現しなくてはいけないという本質的なムリがある。その限界を逆手にとるように、ときどきふっとイメージ・シーンで健常者の地を出して自由に動き回ってみせるのが、なんともパセティックな情感を出して、利いている。
手鏡で照らした光がハトや蝶に化けるCGの使い方のセンスの良さ。

ギョングが高速道路でバイクを飛ばしながらドラマの撮影隊のトラックをからかっているうちに転倒するのを、カットを割らずに撮っているのにびっくり。
(☆☆☆★★)



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