prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「陽気なギャングが地球を回す」

2006年05月25日 | 映画
ライト・コメディ感覚のクライム・サスペンスとはまた難しい題材を選んだもの。
今どき銀行強盗しても、あまり実入りは良くないだろうなあ、と思ってしまう。政府の政策一つで銀行がどれくらい儲けたか思うと、たかが数千万と何兆と金額の桁が5つも違うのだから。
かといってバーチャルな世界の取引で儲けたところを描いたところで、ちっとも見ていてそれこそロマンがないわけで。じゃあ、何がロマンかというと、これが難しい。一番難しいのではないか。

それで、か、衣装・美術ほかこれが作り物の世界であることを強調して、「ルパン三世」ばりのマンガチックなトーンになっている。ただ、カーアクションはCGだとわかるのだから、もっと徹底して現実にはありえない走法をさせた方がよくなかったか。
キザなセリフが多いのは、結構ひやひやもの。わからない外国語で聞くのと比べて不利。
各キャラクターの特殊能力はそれほど生かされていない。

観客をひっかける仕掛けが随所にあって、シーンの組み立て、カット割りともにずいぶん凝っているが、よくあるMTV風の表面だけ凝ってみせるのではなく、ずっと見ていて初めて、あ、そういうことねと思わせるように構成できている。
主役陣も豪華な顔ぶれだが、脇もストーリー上でひっかけがきくようにキャスティングに気を配っているのに注目。

ちなみに、キリンを冷蔵庫に入れる四つの条件、というのは見ていてどういうものかわかった。どこかで聞いていたのかな。
(☆☆☆)



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