prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「小さき勇者たち~ガメラ~」

2006年05月22日 | 映画
ガメラが脱ぎ捨てた後の殻らしい赤い石がガメラの力の源になるらしいのだが、なぜそうなるのかわからず、ガメラを育てる少年がどうやってそれを知ったのかがまたわからず、少年が石を戦うガメラのもとに届けようとするところで、なぜか突然見ず知らずの子供たちが現れて石をリレーして少年のもとに持ってくるのだが、彼らが何者なのかどうやって石のことを知ったのか、少年の仲間の場所をどうやって知ったのか、これまたわからない。
まるで判じ物。

ガメラは何を食べたのかわからないまま突然でかくなるのだが、変な科学者が成長に必要な物質とかいうのを注入しようとして効果があがらないまま、ガメラが外に出るとまた突然でかくなる。「なぜか」大きくなるという設定で通していいのに、なまじっか変に理由をつけようとして、ボロが出た。

少年はしきりとガメラを助けるとかいって、命を大切にしろとかいうわけだが、それで怪獣同士が戦っている危険な場所に近づいて自分の命を危険に曝すとは何事か。男手ひとつで育ててくれている父親だっているだろうが。人の(亀の)命を心配するより、まず自分の命を大切にするのを覚えろよ。

「亀という生物はいない」伊藤和典=金子修介コンビ三部作の世界観を完全に否定して(オープニングだけギャオスが出てきて、三部作風のハードな描写が見られる)、亀を育てたらガメラになっちゃったというハナシは悪くないし、子供の味方にした作りは旧シリーズよりスマートになってはいるが、いかになんでも基本的なスジの通し方がぐちゃぐちゃ。

前半のひなびた海辺の町の風景や、ゲームやパソコン、携帯のない世界にしているのはいい。シーダスとかいう新しい怪獣はまるで魅力なし。ガメラがあまり強くないのはともかく、ここぞという時にいいところを見せる呼吸が今ひとつ。
(☆☆★★)



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