『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

療養読書

2015-02-28 10:01:00 | 
まだ風邪っ気が抜けないが、
day by day で、
大分と楽になってきた。

昨夜あたりから
黄色い洟が出るようになり、
抗生物質の効力で
排膿が始まったようである。

同時に下痢もしたので、
善玉菌も死んで
腸内の菌交代症状が
起こったかもしれず、
常備薬の整腸剤も服用している。

まだ数日は
服薬・保温・安静で
大事をとって
ぶり返しに用心したい。




今週は、
まるで「自宅入院状態」で、
ほとんど病床に伏せっていたので
ずいぶんと本が読めた。

かねがね敬愛し、
著作品を全巻蒐集した
狐狸庵先生(遠藤周作)の
盟友でもあるので、
最近では佐藤愛子のことも
「アイコ先生」と
こころの中で呼ぶようになった。

アイコ先生、まさしく女傑で、
それでいて、しばしば
愚行をするので
可愛気があって
大した者である。

その文庫本が面白くて
毎日3冊ずつ読んでいた。

今年、92歳になられるが、
瀬戸内寂聴(93)同様に
矍鑠(かくしゃく)とされているようだ。

曽野綾子は84になる。

いずれも知的女性たちで、
その歯に衣着せぬ物言いが
なんとも頼もしい
婆さんたちで、
今、いちばん信頼し
私淑している。




ブックマーケットという古書店で
文庫本が4冊100円だったので、
曽野綾子やアイコ先生のを含めて
8冊買ってきた。

その中の
佐渡裕の音楽本が
面白かった。

95年の著作だが、
この20年後、佐渡が
小学生の時の夢だった
ベルリン・フィルとの
共演を果たしたのを
知っている読者には、
(あんた。これから大成功するんだよ)
と、まるで、神の目になったかのような
未来人からの視点で
読めたのが面白かった。

また、自分もリサイタル直前で、
佐渡の説く、演奏会の素晴らしさ、
自らの感動を伝え、
聴衆に感動を起こさせることの難しさ、
そして、演奏家の存在意義・・・などには
一々共感して力を得た。

これも、
風邪で伏せっていたからこそ、
出逢えた一冊だったのかもしれない。


よい音楽をするには、
技術を高めながらも、
おのれの心を磨き、
純化させ、その澄んだものを
掬い取って、指先・・・というより
全身・全霊で楽器を用いて
現すことなのかもしれない。

ミューズ(音楽の神)に愛されるには、
音楽を愛し、人を愛し、運命を愛し、
この世のすべてを愛し、
無私無欲で、無償の奉仕を
捧げることなのではないか・・・と、
おぼろげながら感じさせられた。



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