初冬の月が
天空を煌々と照らしていた。
日一にちと寒さが募り
今朝方は頭痛で目が覚め、
風邪を引いたかや
と心配した。
朝夕はストーヴを炊かずば
いられない時節である。
数日前には、
色ずく庭のドウダンツツジと照柿に
初雪が風花となって舞い込み、
秋は往くんだと思わせた。
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『魂理学雑談』
愚直な人との出会い
奈保子 こないだ、先生のご推薦で、遠藤周作の『おバカさん』というのを読みました。
佐々木 ああ…。オモロかったでしょ。
奈保子 はい。ガストン・ボナパルトという冴えない外人が日本人女性に淡い恋心を抱くんですが、彼女からは蛇蝎のごとく嫌われるんですね。
佐々木 そうそう。せやけど、物語の最後で、彼女は「彼は馬鹿やないんや。おバカさんなんや・・・」って言うて、愚直なまでのガストンの生き方に神聖なキリストの姿をダブらせるんですね。
奈保子 はい。読み終わってから、「直ぐい人」というのは、やっぱり胡乱な人でもあるんだなあ、と思いましたね。
佐々木 変人は、俗から離れて聖なるものに近い人と言えるかもしれへんし。
奈保子 今の青少年たちは「教育者」や「指導者」に取り囲まれて、個性を摩り減らされて、ほんまに自分の個性とかかわる道を見出すのに役立つような人には、めったに会うことはないんやないかなぁ…と思いました。
佐々木 なるほどね。そうかもしれへんね。あるいは、会うてても、青年の方が無視したり馬鹿にしたりして取り合わないかもしれへんし、そんな変人とつき合うてる暇はない、とか思うてるかもしれへんね。
奈保子 そういうこともあるでしょうね。
佐々木 愚直な人との出会い、いうのは人生の中で大切な機会なんやけどなぁ…。
奈保子 ある意味、神性を体現した人でもありますものね。
佐々木 そうでっせ。
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