神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

8892後期紅印圓茶

2005-09-03 | 黒茶(中国茶)
餅茶や沱茶はいくつか家にストックしているが、
プーアル茶に興味を持ち始めてからまだ一年ほどなので、
実は自宅で夏を越すのは今年が初めて。
プーアル茶を保存するにはむしろ高温多湿のほうがいいと聞くので
特に問題があるとは思えないけれど、やっぱりちょっと心配ではある。
私が持っている餅茶はほとんどが20年未満のまだ比較的若いものばかり。
飲み頃、とは行かないけれど、月日がたってどう変化するのか確認するのも面白い気がしている。

8892後期紅印圓茶はプーアル茶.comさんから2枚購入。
1枚は保管して熟成を待つためのもの、
もう1枚は少しずつ飲んで変化を楽しむためのもの。

同じ年代の餅茶には、他にもっと飲みやすいタイプもあるけれど、
野生大葉種の、大葉(大き目の等級の茶葉)で作られているというところに惹かれたのだ。
スモーキーでワイルドな香り、パワフルな味わいが好き。

1枚は少しずつ崩して、あらかじめ陶器の壷に入れている(写真左)。
今日飲む分は壷に移してから3ヶ月ほどたったもの。
蓋を開けるとふわっとかび臭さがあるが、まあ、「没問題」だろう。

心持ち茶葉は少なめにして、宜興製の茶壷で淹れる。
洗茶は丁寧に、抽出時間は短めに。
この方法はまだ若い餅茶を美味しく淹れるには有効だと思う。

味わう。
壷を開けたときのかび臭さは煎じると全く感じない。
夏前に飲んだ時よりもまろやかさが出たような気がする。
熟成が進んだというよりは、崩して壷で保管していたので、
空気に多く触れることで味がこなれたのかも?
飲んでいると身体がポカポカしてくる。

30年を過ぎた年代物に比べるとまだまだだけれど、
既に熟成を終えて悠然と構える先代達とは違った魅力がある。
これもひとつのプーアル茶の楽しみ方なんじゃないかなあ、と。
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4 コメント

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ゆっくりでいいと思います (ふじもと)
2005-09-11 22:04:41
8892後期紅印圓茶は当店で散茶状態にして保存しているものも、この夏の変化はあまり見られませんでした。でもこれはこれでいいのだと思います。常温の乾燥状態だけで美味しくなるには時間がかかりますが、そうでしかできない風味を持つことだろうと思います。8892後期紅印圓茶は、これまでにも常温の乾燥した倉庫にしか入っておりませんから、これからの変化もゆっくりでしょう。私の望みとしては、強い甘味がなくなって、酸味はそのままに香りが高くなって欲しいです。それに対して、73青餅は香港の乾倉ですから、高温多湿で風通しのある倉庫だったと思います。すでに十分飲みやすいし、誰が飲んでも美味しく感じる味ですね。茶葉が違うというのもありますが、それ以上に味の差を感じます。しかし、73青餅の熟成は早く飲みやすくなった(と言っても20年ですが・・・)と引き換えに、何かを失っているような気もします。

次回入荷予定の散茶が未入倉もの(常温の乾燥した倉庫)で50年モノです。8892後期紅印圓茶と同じ易武茶区の茶葉です。これもお試し茶にする予定です。8892後期紅印圓茶の将来(30年先くらいかな・・・)を予感できるかもしれません。いままでのお試し茶とはかなり違った方向の風味です。
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50年モノの散茶♪ (ちょし)
2005-09-12 08:57:50
ふじもとさん、コメントありがとうございます。

私が8892圓茶を気に入っている理由は、実は私も以前、60年モノの易武の大葉散茶を飲んだことがきっかけです。熟成は比較にならないですが、方向性が似ている気がしたのです。あのパワーは感動的でした。

このダイナミックな味は茶葉によるものかと思っていましたが、73青餅を飲んで、ふじもとさんのお話を伺って、保存にもよるのかな、と興味を持ちました。

8892圓茶をプロデュースした香港茶商のドンは意識的に未入倉にしたのでしょうか?
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乾倉の8892後期紅印もあるそうです (ふじもと)
2005-09-12 19:41:23
私は飲んだことないのですが、常温ではないほうの乾倉の8892後期紅印もあるそうです。いろいろ試しているのではないかと思います。どこかで乾倉ものを見つけたら味見してみます。

易武の大葉種でいうと、同興号後期圓茶70年代もそうですね。これは甘味があってまろやかですが、やはり独特の香りがあります。香りは茶葉が持っている個性が生きるのかもしれませんね。
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乾倉の8892 (ちょし)
2005-09-13 08:49:35
面白そうですね。味の違いを見てみたいですね。

もし味見する機会があったら、是非感想を聞かせてください。
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