男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

塩昆布

2016年02月22日 | だし・調味料・スープ類

2月12日は司馬遼太郎さん没後20年目・・死因は腹部大動脈瘤破裂でした。この病は自覚症状
がない・・サイレントキラーの一つで、高血圧症や愛煙家に多いと言います。
前回終りに触れたドナルド・キーンさんと司馬さんとは一つ違い、キーンさんが一歳年上です。

日本の国民的作家と評される司馬さんと、日本文学と日本文化の研究家、キーンさんの出会い
は、中央公論社が二人の対談を仲介したときでした。以来二人は終生の親友になります。二人
の対談集は二冊・・「日本人と日本文化」と「世界の中の日本」です。

「日本人と日本文化」の「はしがき」は司馬さんが書き、その一部を以下に抜粋します。
「キーンさんに会って、対談しませんか」と私に勧めたのは、中央公論社の嶋中鵬二氏であった。
私は最初、それほど憂鬱なことはありません、とことわった・・中略・・私にとって最も知らない
世界は日本文学史である。ところがキーンさんは日本文学史を書くと言う碩学である。

これに対しキーンさんは、同書「あとがき」に次のように書いています。
「司馬さんと対談したらどうですか」とすすめられたとき、わたしは名誉だと思った。と同時に、
何となく不安に感じた・・私は司馬さんの小説をほとんど読んでいなかったからである・・中略・・
そして正直に言って、司馬さんに対して少し警戒していたことも事実である。」

初めての対談で、互いに警戒していた様子が窺えますが、二冊目の「世界の中の日本」では、
随分うちとけて来る・・対談の一部「日本語について」・・二人の意見を、以下に略記します。

キーンさん、「最近のこと、欧州に行きン十年ぶりでフランス語で講演したが、喋りながら言葉
が自然に浮かんだ」・・次いで「英語の中のフランス語の割合は70%」と言い、「フランス語は
心の言葉ではなく頭の言葉」・・その関係は、日本語の「漢語と大和言葉」の関係に似ている。
「外来語を喜んで採り入れるのも、日本語と英語の共通点・・」と言います。

司馬さんは「きみとかぼくという言葉は、明治維新前後から使い始めた・・それを明治になって
学生たちが広めた。お父さん、お母さんという言葉は、明治30年代の教科書が初出であった。
日本語の標準語を作ったのは夏目漱石で、彼は誰でも書ける文章日本語を自分一人で作った
・・その代表作を「吾輩は猫である」であらわした・・」と述べています。

二人が「日本語の曖昧さ」について語り合うのも面白いですが、紙面の都合で次回にします。

お送りするのは「塩昆布」で、材料は取り置きの板昆布を使いました。今はやりの、甘く柔かい
のと比べ、塩辛く歯応えある昔ながらの塩昆布です。そのまま食べてもおいしいですが温かい
ご飯にのせ、熱いお茶を注いで食べる・・日本人に生まれて良かった・・と思う味の一つです。

甘味のない本当の塩昆布・・醤油はたまり醤油だけで煮ます。たまりは色は濃くても塩辛さに
トゲがなくまったりして美味しく、隠し味にみりんを加え、塩味をつけるために味塩を使いました。
味の素を振りかけたのは、昆布の旨味を増幅させるためです。美味しい塩昆布ができました。


材 料
板昆布 1パック 125g ・・両端を切り落とした後の正味量

調味料
日本酒 2.5カップ 450cc ・・0.5カップは昆布を浸し、2カップは昆布を煮るのに使う
酢 大さじ 1 10cc
たまり醤油 2/3カップ 120cc
みりん 大さじ 1 10cc
味塩 小さじ 1 5g
味の素 適宜

作り方
昆布の下こしらえ
板昆布の両端を切り落として30cmほどに切り分け、
日本酒にくぐらせたたあと、ラップに包んで一晩置く。
酒を含んでしっとりとなった昆布を、2.5㎝角に切る。
・・菜切り包丁で切ると、きれいに切れる・・
昆布が柔らかくなるまで煮
鍋に日本酒と酢と角切りした昆布を入れ中火にかけ
て煮る。フツフツし始めたら落し蓋をして、1ポイント
火を弱めて30分煮る。
・・途中、水気が無くなったら、少しずつ水を加える・・
昆布を噛んでみる・・噛切れたらOK・・トロトロになる
まで煮込まないこと・・程よい硬さを残す。
・・この段階で煮汁は昆布ヒタヒタくらいがベスト・・
たまり醤油などを加える
たまり醤油とみりんを加え、弱火で煮汁がなくなるまで
煮る・・途中焦げ付きに注意!
煮汁がなくなったら、味塩、味の素などを加えてかき混ぜ
そのまま冷ます。
煮汁の水分を飛ばす
耐熱皿に塩昆布を並べて、レンジの乾燥モードにかけ、
続いて冷蔵庫に入れ、分を飛ばして出来上がり。
コメント
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