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ロシアのコロナワクチン接種が進まない

2021-04-30 | ロシアのコロナ情報
ロシアの新型コロナウイルス感染者数が、あまりに多くなりすぎて、
しばらくフォローしていませんでしたが、ここでおさらい。


Moscow News

昨秋から第2波に入り、一時はアメリカに次いで第2位となったものの、
その後、ブラジル、インド、フランスの感染がひどくなり
現在ロシアは累計感染者数の多い国5位まで順位を下げてきました。


Стопкоронавирус.рф

上は2021年4月28日の感染状況。
累計478万7273人 新規7848人 死者10万9367人

1日の感染者数がようやく8000人を切り、順調に下降してますが、
気になるのは致死率が高くなってきていること。
このブログで何度もロシアは致死率が低いと書いてきましたが、
第2波ではその限りではありません。
これまで死者数詐称疑惑のあったロシアですので、
ようやく正しく死者数をカウントするようになったということかも。

もうひとつ気になるのは、ワクチン接種者が増えないこと。
世界に先駆けてコロナワクチン「スプートニクⅤ」を開発し、
昨年12月から接種開始したものの、いまだ接種率8%以下。
これは1回でも受けた人の割合なので、2回接種が完了した人となると
全人口のうち、わずか約4.8%。世界と比較してみると一目瞭然。


Our World in Data

上のグラフは主要国のみ抜粋。トップはもちろんイスラエル58.6%、
ロシアとほぼ同時期に接種が始まったアメリカは、すでに28.9%。
見えにくいですが、下から3番目がロシアの数字。
参考に日本も一番下に加えておきました。0.8%とあります。

「ロシア・ビヨンド」が報じるところによれば、
モスクワでは赤の広場前のグム百貨店に接種会場が設けられ、
予約なしでワクチンが受けられるのに、ガラガラなのだそう。
通常のワクチン開発には何年もかかるのに、十分な治験もなく
見切り発車的に接種が始まったワクチンに懐疑的なのがその理由。

副作用に不安をもつのは、どの国の人でもそうですが、
接種が始まったばかりの日本の接種率0.8%に比べて、
5カ月たっても4.8%のロシアは、いかにも低すぎます。
国土が広大すぎて、地方にワクチンが行きわたっていない、
という事情もあるようですが、少なくとも都市部では
ワクチンが十分あるのに拒否する人が多いそう。

以下は私見ですが、ワクチン拒否の背景には、
もともとロシア人は、本能的危機意識が高いこともあるのかと。
添加物や農薬などの人工物が体内に入るのを嫌うのもその一例で、
それがダーチャでの無農薬菜園にもつながっています。
安全性に不安のあるワクチンが将来にわたって及ぼすかもしれない影響と
コロナに感染する危険性を天秤にかけたときに、前者のほうが重い、
と判断するロシア人が多いのかもしれません。
実際、知人のロシア女性は「コロナにかかるのは全然怖くない」
と豪語しておられます!
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