まちなかで景観まちづくりワークショップが開かれると聞きつけて、飛び入りで参加してきました。
主催は道の釧路総合振興局で、これに釧路市の都市計画課も協力してスタッフを送り込んでいます。
今日はワークショップということで、参加者と一緒に町なかを巡り歩いた後で意見交換という全体の予定です。
参加者は全体を①北大通りを巡るグループと②釧路川のリバーサイドを巡る二つのグループに分け、さらに両グループと時計回りと反時計回りに回る二つのグループに分けて全部で四つのグループがまちを巡ります。
事前のオリエンテーションでは、釧路高専の千葉先生から町を見る視点について「景観を構成する要素」や「遠景・中景・近景」などの味方、さらには「内部の生活者として見るか、外部からの来訪者として見るか」といった立場の違いなどがある、という講義を受けて準備終了です。
私は北大通りを時計回りに回るグループに参加して徒歩でまちを巡ることにしました。迷惑でなければ良かったのですが(笑)
【いざ出発】
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普段かなり見ているつもりでも、やはり大勢で、普段歩かないようなところを歩くと様々な発見があるものです。
まちを景観という視点で見る、という今回のワークショップですが、私としては経済的景観の方が気になって仕方がありません。
美しい景観という花が咲くということは、暮らしの成り立つ経済環境という良い土があって、そこに地域の住民たちが生き生きと暮らす生活という茎や葉っぱがあるからこそ。
そうした土と葉っぱの状態が悪いとなかなか綺麗な花が咲く道理にはならない。
北大通りを称して、「昔は本当に大勢の人がいて歩けなかったくらいなんですよ」と懐かしむ人がいるけれど、それって言葉は悪いけれど、恋人に捨てられた男と女のセリフにしか聞こえないのです。
ではこれからどうやって再び魅力を取り戻して別れた恋人の目をこちらへ向けさせることができるのでしょうか。もしかしたら努力をしても昔の恋人を相手にするのではなく、別の人をねらう方が良いのかもしれません。
かつては商売で流行った場所だとしても、車など市民の移動力(モビリティ)の向上とともに郊外のショッピングセンターが隆盛を極めています。
商売に適した場所で買い物客というかつての恋人の目をこちらに向けさせるのか、それとも別な社会のニーズを取り込める場所にさせるのか。地域全体が納得するようなコンセンサスをどう取ってゆけるでしょうか。
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【ミヤケ模型店】
北大通りを歩いていて、一件だけハンギングバスケットで店を飾ってくれているミヤケ模型店へ立ち寄りました。
「以前補助金が出た時はみんな一生懸命やったんですけど、補助金が切れますとねえ…」とは、今日このワークショップに参加してくれたこの店のお母さんの弁。
「お店の一番奥を見ていってくださいね」と案内されたのは、日本一に輝いたDr.スランプのアラレちゃんの模型。
【右端が日本一のアラレちゃんです】
単に箱に入った模型を売るだけではなく、指導や上手な模型の事例を見せることで模型の世界への憧れをリードしようとするビジネス哲学は立派です。
「昨日から港に自衛艦が入港していますよね。早速陸に上がった隊員の方3人が来店されて購入されていきましたよ」とはお店のお父さん。
「よくここのお店が分かりましたね」
「いや全部ネットでチェックして、どこにどんな店があって希望の商品を置いているかもわかっているみたいですよ(笑)」
ミヤケさんくらいになると、独自の固定客を掴んでいて、店の前の人通りが多いか少ないかは商売には全く関係がありません。こういう力強い商売でなければ個店として生きてゆくのは難しいのかもしれません。
「でも先行きは心細いですよ」とはお店のお母さん。聞けばお店に来るお客さんお95%は大人買いの人たちで、子供が来るのはわずかに5%程度しかないのだそう。
「でも大人だって良いでしょう。心細いというのはどうしてですか?」
「だって、大人の男性って本当に使えるお金がないんですよ。そりゃもう、可哀想なくらい。それに比べると女性の方がはるかに使えるから、ランチだってちょっとした服だって女性は豊かでしょう?(笑)もっと男性にお小遣いを上げてほしいものですよ」
世の中よ男性にもっと小遣いを!
これもまたちいさなまちなかの景観の話題なのです。
【日本に7セットしかないという1/144スケールの戦艦大和】