北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

都市再生の現場(7)~密集地区の成功事例

2007-06-22 23:02:00 | Weblog
 ほぼ一週間ぶりの本格的な雨の一日となりました。少しお湿りが欲しいところだったので、木や草も嬉しそうでした。

 今日は密集地区の現地見学。少しは密集事業の上手くいった事例も見てみよう、ということで、都内の数カ所の現場を巡ったのです。

 写真はそのなかでも典型的な、実に分かりやすい密集の事例です。ここでは谷地形のところに小さな土地と小さな家が密集して建てられています。家を建てるときには道路に接していなくてはならないという、接道要件が建築基準法では決められているのですが、それも満たされていません。

 ここは調査によると、かつて密集地区改善事業が行われる前には7500㎡の面積に150戸の家があったと言いますから、道路がなかったとしても一戸あたりの敷地面積は50㎡以下で、道路らしい道路といえば1mほどしかない細い路地でしかないという現状だったとのこと。

 今では道路事業による直接買収が始まっていて、やがてこの風景も消える運命ですが、さすがにここは典型的な密集の形態を良く表していました。
 上空からの写真では屋根のひさしで道路が隠れちゃっていたそうですよ。

    ※    ※    ※    ※

 お次は大きな工場跡の土地を使って高層住宅を建てつつ、この土地を活かして細く曲がった道路を7回に渡って土地交換を行い、まっすぐでしかも広げたという事業を見学。

 それまでは古い木造住宅だったものが、道路が広がった途端に自分たち自身で家の建て替えを行い、全く昔の雰囲気がなくなったと担当者は語ってくれました。

「やっぱり道路なんですよ。道路ができれば土地の価値が上がって、個別の家をどうにかしなくても自分たちで良くしたくなるものなんですから」

 地域の中には、道路の計画がありながらいまだにまだ道路のための用地を打ってくれないでいる「へた地」もありました。土地への思いが強い人はいるものです。

 こうした土地の再生事業は、できてしまうと何の変哲もない、どこに出もある道路と家並みに見えますが、従前の写真と見比べてみるとその差は歴然としています。

 目立たないけれど、大事な仕事をする。

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 我が社のイメージについて有識者と意見交換をした際に、ある女性の方が「いろいろ話を伺っていて、機構さんのお仕事のイメージってミミズのようなものではないかと思うようになりました」という発言があったそうです。

「ミミズって、一見すると何をしているのかよく分からないけれど、実は土を食べることで質の悪い土を良い畑に変える働きをしていますよね。ミミズがいない土地は悪い土地で、ミミズがたくさんいる土は良い土なんです。そんなことを思いついたんですよ」

 なあるほど。自然界にも目立たないけれど立派な役割を果たしていて、いないと困るという存在がありました。そういうことを心の勲章にして、都市の再生事業に励むとしますか。 
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