北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「移動」できることのありがたみ ~ 介護スクール8日目

2023-04-01 23:10:35 | Weblog

 

 介護スクールも今日で8日目。

 全部で15回のスクーリングの半分を終えました。

 先週から介護に関する実技演習が始まって、様々な場面での動作を体を使ってやってみるという時間が増えました。

 先週は睡眠に関するベッドメイキングや利用者をベッドで解除する方法を学びましたが、今週は「移動」に関する演習でした。

 歳を取ると、「筋力の衰え」、「骨が弱くなる」、「関節の動きが悪くなる」といった諸症状が現れて、段々思うように動けなくなってきます。

 さらには脳の血管障害や交通事故によって体に麻痺が起こるといよいよ体を思うようには動かせなくなってしまいます。

 移動という行為には、「活動範囲の拡大」「自立した生活の確保」「質の高い生活の維持」「他社との交流の拡大」「社会参加の促進」などの意義があると教わりました。

 まだ自分自身が健常なためあまり深く考えたことのない「移動」ということですが、なるほどこれらの価値を当たり前に甘受していたのが、移動できなくなるともうそれらに触れることが難しくなるのです。

 体を動かせなくなることの副次的な影響は、「生活不活発病」という形で現れることがあります。

 体を動かさなくなることで意欲が衰えて、それがまた骨や筋力の低下につながりいよいよ動けなくなってしまうという悪循環が生まれます。

 最近は病院でも手術が終わるとすぐに体を動かすようになりました。

 入院でも日常でも寝て過ごす時間をできるだけ少なくすることが心と体の健全性を保つためには非常に重要だという事です。

 日常で当たり前に体を動かして好きなところに行けるという幸せを、授業を通じて改めて感じました。


       ◆


 今日の実技は、「移動・移乗」がテーマで、大きく二つの諸動作を学びました。

 一つ目はベッドで寝ている利用者の体を起こすことと、二つ目には車いすとその使い方についての実技です。

 いわゆる「身体介護」というもので、利用者の体に触って移動を助けたり補助したりします。

 ボディメカニクスという、体に負担が少なく、小さな力で利用者の体を動かすちょっとしたコツも学びました。

 これを知らないと、利用者の体を思うように動かせなかったり、不快な思いをさせたり、自らの腰など体を傷めたりもします。

 先生は小さな体の女性なのに、練習台の生徒自らの力も使いながら転がしたり、できるところはやらせたりして、体を横にしたり起こしたりしますが、初めてやる生徒は簡単にはできません。

 何よりもそうした動作の前後には、「これから〇〇をしますよ、いいですか?」という確認をすることと、動かした後に利用者の様子を観察することを強調します。

 声掛けも確認も動かし方も全部含めたトータルが、利用者への接し方と言うわけです。

     ◆


 車いすを始めて使ってみました。

 ベッドから車いすに移乗させる方法を学び、車いす移ってもらいますが、車いすも人が乗ると結構な重さであることが分かります。

 段差の上を行き来するときや大きな階段の上り下りの介助には、ここでも力任せではなく、バランスとてこの原理を使って効率的に動かすやり方を学びました。

 車いすの大きな車輪の下には、「ティッピングレバー」という部分があって、足で踏めば前輪が上がるようにできているということを初めて知りました。

 初めての動作を手順通りにこなすのは、座学で教科書を読むよりも頭の回転を必要とします。

 実技と言いながら、今日は久しぶりに体よりも脳がくたくたに疲れました。

 ようやく半分が過ぎたところで、まだまだ胸突き八丁の日が続きます。

 

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