いよいよ参議院選挙が近づいてきました。
ネット選挙解禁ということで、ネットを使った選挙運動が様々な形で行われるようになります。
総務省のホームページを見ていると、今回の改正公職選挙法のポイントが説明されています。
ポイントとしては二つのカテゴリーがあって、一つは「ネットが解禁になってできること」で、もう一つは「誹謗・中傷、なりすまし対策」
「できること」の中には、まず「ウェブサイト等を利用する方法による選挙運動用文書図面の頒布」が挙げられます。
ただしここで、「ウェブサイト等を利用する方法」には、「ホームページ、ブログ、SNS、動画共有サービス、動画中継サイト等」は含まれますが、「電子メール」は除かれます。
電子メールを選挙運動に使えるのは候補者と政党等に限られていて、支援者は電子メールを使えません。
ただ似たようなものですが、電子メールを用いずにフェイスブックやLINEなどユーザー間でやりとりするメッセージ機能は、電子メールを利用する方法ではなく、ウェブサイト等を利用する方法に含まれますので、候補者・政党等以外の一般有権者も利用できるとのこと。
また、インターネット等を利用した選挙期日後の挨拶行為も解禁されるとのことで、当選のお礼や落選のお詫びなどもネットでできるようになりました。
まだいろいろと制限事項はありますが、事実用かなり使えるツールということになるでしょう。
【総務省ホームページ】 http://bit.ly/14MszkT
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また、二番目の「誹謗中傷、なりすまし対策」としては、氏名などの虚偽表示を行った者は処罰されるようになり、また当選を妨害するための嘘や偽りを公表した者は改正公職選挙法で処罰されます。
また、改正公職選挙法だけではなく、様々な秩序を守るための既存の法律でも嘘や偽りによる誹謗中傷は処罰の対象となります。
例えば、候補者の名誉を棄損した場合は名誉棄損罪により処罰されますが、公職の候補者に関する事実や真実であることが証明されているときは罰せられません。
ただし、単に公然と侮辱したものは侮辱罪により処罰されます。
嫌いだからと言って、「バカ、アホ」などと言うのはいけませんが、事実なら良いのだそう。
候補者になるということは、自分に関わるすべての事実をネットで公表されることを覚悟しなくてはならない立場になったわけで、これはこれで辛そうですね。
基本的には、善意の利用についてはかなり解禁され、性善説に立てば使えるようになったことでしょうが、世の中は善人ばかりではないので、悪意ある相手に対する抑止効果がどこまで効くでしょうか。
誰かを応援したいと思っても、これらをよく勉強して間違わないようにしたいものですね。
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さてそんな中、フェイスブックに、来る選挙で立候補を予定している知人の行動を知らせるお知らせが届きました。
(なるほど、これがネット選挙解禁というものか)と思ったのですが、どこかで何をしているということを知らせるだけで、どれだけ支持に向けた共感が得られるのだろうか、とマーケティング的に考えてしまいました。
別に直接「一票を入れてください」と言わなければ、普段から自分の考え方を公にすることはできるわけで、普段そういう活動をせずに、選挙が近づくとどこかすり寄るような情報を提供してくるというのはどれくらい効果的なのでしょうか。
有権者にも様々な分類ができますが、一番多く名前を聞いた候補に入れてしまう人もいれば、じっくり考える人もいます。
そういう意味では、特にネット住民は良く考える集団と言えそうで、そこには単なる名前を知らせるだけでは「何も伝えようとしていない」と思われて、逆効果になりかねないと危惧します。
私が時々言うところの、「認知」→「認識」→「共感」→「参加」→「率先」というステップアップを考えると、この段階のどこにいる有権者をどうステップアップに導くかにはそれなりの戦略が必要なように思います。
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ただ、ネット時代は全てがさらけ出される世界だということを考えると、普段から頑張って情報発信している人はそう伝わり、普段ほとんど発信していない人もそのとおりに伝わるもの。
ネット選挙とその利活用がどうなってゆくのかをそうした視点で関心を持って見つめてみようと思います。