
何度も書いているように、王金平さんは大の北海道ファンであるだけでなく、5月中旬に300人の人員を引き連れて北海道を訪問し、重ねて今回送られる鶴を見るために釧路まで足を伸ばしてくださったのです。
駄目元で名刺だけでも置かせてほしいとお願いをしていたところ、なんと30分だけあってくださるとのこと。これも鶴を送り込む自治体からの訪問と言うことで、台湾の札幌分処の特別な計らいでした。
台湾立法院は官庁街の中でも素朴なレンガ造りの建物。聞けば日本統治下で学校として建てられた建物を利用しているのだとか。どこか懐かしい風景に思えるのはそのためでしょうか。
会談は9時半から始まりました。王委員長からは東日本大震災へのお見舞いと鶴を贈られることへの感謝の言葉が寄せられました。

【王委員長との会談】
私の方からは、「釧路市はもちろん国、道、ならびにニトリさんのご協力で今回のプロジェクトが実現しました。また当地でも受け入れに当たって多くの皆様のご協力をいただき感謝に耐えません」と挨拶。
さらに「3.11の大震災と津波と放射能問題で日本の観光が大変苦しいときに王委員長が自ら北海道と釧路にお越しをいただき台湾の皆さんにその安全性をアピールしていただいたことは、『苦しいときにこそ本当の友がわかる』という意味の『風雨故人来(フォン・ユー・グー・レン・ライ) 艱難見真情(ジェン・ナン・ツィェン・ヅン・チーン)』という言葉があると聞きました」と重ねて御礼を述べました。
実際の発音は会場行きのバスの中で通訳さんにどう発音するのかを教えてもらった付け焼刃でしたが、一応通じたようで笑いとともに拍手をいただきました。
当方としては多額の義捐金をいただいたことを、少々おこがましかったものの国民を代表するつもりで直接お礼を述べることができ感慨無量でした。
しかし私からの言葉に対して王院長は、「それは1999年の台湾中部大地震の際に日本がいち早く救援隊を派遣してくれたからです。そのときの日本が台湾に対して与えてくれた支援を台湾の人たちは忘れていません。おまけに台湾は日本が大好きです。だからこそ、今度は我々が支援する番だ、という機運が高まったのですよ」とおっしゃってくれました。
双方が互いの困難に支援しあってお互いに感謝しあう輪が広がっていたのです。私も台湾の大ファンになりました。

【王委員長へのプレゼント】
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立法院訪問を終えた後はちょっとあわただしく中華航空と五福旅行社を訪問してから台北市役所へ。
台湾での要人会談の二人目は台北市の�皖(ハウ)市長さんです。これもまたタンチョウゆえの特別の計らいに他なりません。

【ハウ市長と後ろの女性が趙局長】
�皖(ハウ)市長さんとの会談では来月釧路へ来るという趙局長さんも出迎えてくれましたが、驚いたのは会談の様子を撮影するマスコミとカメラの数の多さで関心の大きさがわかります。
こちらではビッグとキカの大きな歓迎看板が立てられた中で市長さんと、互いにお礼を述べ合う型どおりのやり取りがなされましたが、サプライズはビッグとキカの台北市名誉市民証が贈られたこと。
台北市では私たちのような訪問団でも機会を捉えて、既に二羽のタンチョウを迎え入れる喜びと準備が盛り上がっていることを感じさせます。

【ビッグとキカに台北名誉市民証が贈られました】
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感心したのは、今日お会いできた、来月釧路へタンチョウを迎え入れるツアーで訪問する予定という観光局長の趙さんは、なんとタレントの「ほしのあき」さんに似た若くて美人の女性だったこと。
会話の中で、なんとこの方は人気のテレビキャスターだったのが市の観光振興のためにヘッドハンティングされて局長に就任されたのだと知りました。
訪問団の一人が「映画の女優さんのように美しいですね」と褒めると、脇から「女優は可愛ければなれますが、テレビキャスターは頭もよくないとなれませんからね」という説明がなされましたが、ちょっと顔を赤らめる表情もまあ魅力的。
この方が来月釧路を訪れてくるというのですから、マスコミにも多いに取り上げてもらえることでしょう。
今はとにかくタンチョウに関してはあらゆる機会を通じて話題が盛り上がるように努めるべきで、台北での盛り上がりとともに道内、日本国内での盛り上がりを演出したいものです。
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【台北動物園は東洋一の規模なんだそうです】
午後は台北動物園も訪ねてビッグとキカが暮らすケージを見てきました。エアコンもついたケージで釧路動物園からのアドバイスもあって工夫されています。
ここでたくさんの台湾の人たちに可愛がっていただきたいところです。
明日は復興航空と台湾の観光局や亜東協会を訪ねます。