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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

効率化の名のもとに…

2011-04-03 23:55:54 | Weblog
 久しぶりに献血に出かけました。

 今の血液センターは住んでいる家の近くにあるのでとても便利なのですが、なんと6月いっぱいでここを閉じて、家から離れたところにある郊外ショッピングセンターの中へ移ってしまうのだそうです。

 おまけに移った後は全血の献血だけで、成分献血は行わなくなるのだとか。

 もともと成分献血をした場合は札幌まで持ち込んで行って検査をしていたそうで、効率が悪かったのです。効率化の名のもとに、地方ではボランティアもしにくくなるというのは皮肉なものです。


    ※     ※     ※     ※     ※

 
 ところで、成分献血であれば二週間たてば次の献血ができたのですが、200mlの献血では一か月、400mlの献血では3か月経たないとそれができません。

 なんとか100回までは献血したいと思っている私には不利になるのでちょっと残念です。

 また、これまでは400mlか成分献血でなければしてもらえなかった血球検査は昨年末から200mlの全血献血でも行ってもらえるようになったのだそう。

 献血をボランティアだけではなく健康管理に使っている人には朗報ですね。

 健康な体と健康な生活を送っているものにだけ可能な献血ボランティアです。若い人たちにももっと参加してほしいものです。
 


【日本赤十字ホームページより】 http://bit.ly/eD1l8c 200mL全血献血にご協力いただいた方への血球計数検査の実施について 10/12/02

 平成22年12月28日より 200mL全血献血にご協力いただいた方(検査サービス通知を希望された場合) にも、血液型検査・生化学検査に併せて 血球計数検査結果のお知らせを開始いたします。
 是非、みなさまの健康管理にお役立てください。

【血球計数検査】
 ・赤血球数 ・ヘモグロビン量 ・ヘマトクリット値 ・平均赤血球容積
 ・平均赤血球ヘモグロビン量  ・平均赤血球ヘモグロビン濃度
 ・白血球数          ・血小板数


 日本赤十字社ホームページに掲載及び各献血会場にてお配りしている、パンフレット「お願い!」については、平成23年4月1日(予定)より変更させていただきます。なお、パンフレット「お願い!」の配布準備が整うまでの間は、従前どおりの記載とさせていただきます。


---------------≪ 引用ここまで ≫--------------

 
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【医療メルマガより】後方搬送は負け戦の撤退作戦に似ている:混乱するのが当たり前

2011-04-03 22:51:47 | Weblog
 個人的な勉強の一環として「MRIC」という医療ガバナンス学会が発行しているメルマガを送ってもらっています。

 今回の東北地方大震災では当然のように医療関係者に多大なる負担をかけていますが、そんな最前線から、混乱する医療現場の声が届いています。

 容体が悪化する患者は移動させるのも大変ですが、少なくても現状の悪辣な環境にいることはできないという苦渋の中での決断。

 自衛隊への過剰な負荷、支援準備が整っていながら指示の出ない上部機関、そしてまとわりつくように作業の支障となる存在…。

 著者の小松秀樹医師は、臨床医の立場から、日本の医療問題に関する積極的な発言を数多く行っている方です。最後の「7現場の邪魔になった各種馬鹿」には考えさせられます。

 是非現場の最前線の声をお聞きください。 


---------------≪ 以下引用 ≫--------------


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後方搬送は負け戦の撤退作戦に似ている:混乱するのが当たり前

亀田総合病院 小松秀樹
2011年3月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp----------------------

 東北・関東大震災で、2件の後方搬送に関わった。この経験から、後方搬送は負け戦の撤退作戦と心得るべきだと痛感した。

1 関わった撤退作戦
 2011年3月17日:いわき市からの透析患者搬送作戦
 2011年3月21日:いわき市からの介護老人保健施設(老健)疎開作戦

2 いわき市のライフラインと燃料供給
 いわき市の一部は原発事故に伴う屋内退避地域にかかっていたが、大半は避難地域ではなかった。しかし、地震のため上下水道が使えなくなった。風評被害で食料を含めて外部から物資が届かなくなった。ガソリンが極端に不足した。各種設備の修理のための業者がいなくなった。外部の業者はいわき市に入るのを嫌がった。
 
3 いわき市の医療状況
 寒さ、栄養不足、環境衛生の悪化で、高齢者の肺炎が急増。いわき共立病院が患者であふれた。避難地域から、いわき市の病院に移送された患者が多数死亡したことが報道された。

 3月19日ごろ、友人から、いわき共立病院の肺炎患者95名の後方搬送の相談を受けた。
 3月20日、人工呼吸器使用中、あるいは気管内挿管されている患者8名をいわき共立病院から亀田総合病院にヘリ搬送する作戦開始。2日間、悪天候のため、ヘリが飛べず、待機せざるを得なかった。3月22日搬送。主目的は現場の負荷を減らすこと。


4 3月17日透析患者搬送
 7百数十名の透析患者を新潟、東京、鴨川に搬送するための準備作業は生半可なものではない。患者リスト、病歴サマリーなど情報伝達のための作業は膨大だったはずである。

 劣悪な環境のため、患者の全身状態は通常より悪化していた。患者の多くがバスから自力で降りられなかった。
 民間人のネットワークで、数十台のバスを用意した。前日、福島県が用意したバスで搬送予定だったが、県が厚労省に許可を求めるという悪手をうって、厚労省に止められた。そこで民間だけで搬送した。薬品会社が搬送費用を負担した。

 亀田総合病院は45名の患者を受け入れた。受け入れ本部では、送り出し側のいわき泌尿器科病院が超多忙で混乱しているかもしれないとの想定で、連絡を最小限にした。翌日聞いたところでは、予想通り、送り出し側は徹夜の作業だった。

 受け入れ側の最重要情報は、患者の氏名、生年月日。これは受診カードを作成するためである。前もってカードを作成しておくと、本人確認が容易になり、早急に診療が開始できる。この情報についても、完璧なものを現地に要求しないようにした。

 一部の診療科からは、細かい情報を現地に問い合わせるよう要請されたが、現地を混乱させるだけだと考えて、すべて握り潰した。現地の生活状況まで聞けという馬鹿もいた。

 撤退作戦では、短い言葉で表現できる情報で全体を想像する。動きながら、刻々変化する状況を判断し、決断していくしかない。
 重症患者についての細かい連絡は、バスが出発してからすることにした。

5 介護施設の生活環境
 上下水道が破壊されたため、水が得られず、トイレが使用できなくなった。排泄物がたまり悪臭がでた。しかも、放射性同位元素の室内への侵入を防ぐために換気しなかった。食糧不足で、職員は地震以後おにぎりのみで副食なし。入所者も食糧不足のため1日2食になった。水分がとれず、脱水気味になった。地震後、少なくとも3月21日までは、全員、風呂に入れなかった。車での通勤が不可能になり、職員の多くは施設に泊まり込んだ。

 建物が1棟損壊して、危険な状況になった。50人が別の2棟(それぞれ50名収容)に割り振られたため、生活範囲が狭くなった。車椅子に乗って動くスペースがなくなった。リハビリができなくなった。
 運動機能、全身状態がみるみる悪化した。


6 3月212日老健(小名浜ときわ苑)疎開作戦(松浦新「要介護者の避難に、広がれ『鴨川モデル』」ウェッブ論座)
http://astand.asahi.com/magazine/wrbusiness/2011032200012.html?iref=webronza
 大形バスと施設所有の車で搬送。いわき側では、救援のために小名浜に入港する予定の神奈川県の船の利用を検討したと聞いた。定員が少ないことに加えて、2段ベッドで、重症者の観察、介護が不可能だと判断したという。自衛隊は連日の大活躍で過剰な負荷がかかっていた。自衛隊への出動命令がなかなか出せない状況だったかった。実際、人工呼吸器を使用している患者の亀田総合病院へのヘリ搬送を実現するのに、政治的働きかけが必要だった。米軍は、日本政府が要請しないので、被災者を搬送できなかった。結局、入居者120名と職員、家族、全体で200名弱、セラピー犬2頭、飼い犬1頭がバスと施設の車で移動した。

 劣悪な環境にいたので、入所者の体調は悪かった。移動するにも危険はあったが、現地にとどまることにはさらに大きな危険があった。さらに、原発の状況で避難範囲が広がると、混乱状態になり、組織だった避難が不可能になる。少数の職員と入所者が取り残される可能性が高くなる。

 後述するように、避難範囲に含まれる病院や介護施設で、取り残される事例が実際に発生した。負け戦での潰走状態に酷似した状況になる。組織的対応が可能な間に搬送することになった。


7 現場の邪魔になった各種馬鹿
○詳細情報要求馬鹿
 残念ながら、行政やメディアだけでなく一部の医師にも観察された。苦境にある相手の状況を想像せずに、細かい情報を要求する。
 潰走状態にある戦闘部隊に人数、年齢構成、携帯している食糧の種類と量、武器と弾薬の種類と量、到着予定時間などの情報をよこせというのは、馬鹿としか言いようがない。

○5W1H馬鹿
 自称Y新聞の記者が、亀田総合病院の地震対策本部に電話してきた。老健の出発が何時か聞いてきた。10時目標だがいつになるか分からないと返事。それでも、予定は何時かとしつこく尋ね続けた。入所者をバスに運び込むのに、ひどく時間がかかるので、出発時間など分かるわけがないというと、到着時間の予定は何時かと尋ねてきた。出発時間が分からない移送の到着時間の予定などあるはずがない。超多忙で事態に当たっていたので、馬鹿ものと怒鳴って電話を切った。上司が真正5W1H馬鹿で、本人は馬鹿追随馬鹿かもしれない。
 
○「正義の味方」馬鹿
 自分を正義の立場におき、善悪の基準で物事を判断する。誰かを悪人に仕立てて非難することが事態の改善につながなると思っている。あるいは、習性でそのような行動しかとれない。
 老健疎開作戦についての、3月221日の毎日新聞の見出しは「集団避難中に2人死亡 福島から千葉 長距離移動にリスク」だった。2人の死亡を、記事の最後の2つのバラグラフで大きくとりあげた。「長距離移動にリスク」をとりあげるのなら、同時に「劣悪な環境に残すことのリスク」をとりあげる必要がある。

 今回の震災で、逆の報道もあった。福島県の双葉病院で、避難中入院患者が「置き去り」にされて20数名が死亡したとされる事件があった。で、同院の医師と思われる人物(未確認)の掲示板への書き込みを、友人の神田橋宏治医師が紹介してくれた。正しいかどうか確認する手段を持たないが、この事件の報道が一瞬で途絶えたことから判断すると、事実の可能性が高い。
 以下一部を引用する。

 自力で歩ける患者さんを中心に209名の患者さんと私を含め数十名の職員が5台のバスと数台の病院の車に乗って、数日分の薬と非常食を積んで大急ぎで避難しました(避難したのは最初の爆発の2時間前でした)。この時は一時的な避難で、病院に数日以内に帰ると思っていました。私たちの出発時に院長は病院に間違いなく残っていました。
(中略)
 さて、病院に残った院長と数名のスタッフは、1回目の水素爆発の後も電気も水道も通信手段もない(携帯も公衆電話も不通)病院で点滴やオムツの交換をしつつ次の救援を待っていたそうです。自衛隊の救援が来たのは、丸2日後の3/14の午前で、近くの老健の入所者98名と双葉病院の寝たきりの患者さん30名をバス8台で連れて行きました。その後院長を含む4名が警察官と共に次の救援を待っている間に3回目の水素爆発があり、3/15午前1時に警察の車で強制的に川内村まで避難させられたそうです。

 院長一行は川内村から再び病院に戻ろうとしましたが、避難指示のエリアということで戻ることは許可されず、1回目とは別の自衛隊員だけで最後まで残された90数名の患者さんを避難させたそうです。自衛隊によって避難させられた患者さんは、名前も病名もわからない状態で医療機関や施設に収容され、中には亡くなった患者さんもおり、各病院の先生方にはご迷惑をおかけし、大変申し訳なく残念に思っております。
 以上の経過の通り、患者さんが全員避難するまで院長は病院に留まろうとしていたのにもかかわらず、強制的に警察に退避させられたのです。間違っても患者さんを置いて「逃げた」わけではないのです。

 おそらく最後に患者さんを避難させた自衛隊員の報告を聞いた県の担当者が、何の裏づけも取らず「なぜ入院患者だけがいたか、現段階では分からない。避難する中で混乱が起きることはあるが、もし高齢者だけを置いて避難したとしたら許せない」と発言し、新聞が横並びに報道したものと思われます。後になって県は訂正しましたが、果たしてどれほどの人がこの訂正を知っているでしょうか?

 老健疎開作戦についての毎日新聞の記事には。駒木智一という署名が入っていた。この記者は少なくとも、当日鴨川には取材に来ていなかった。記者がよくとる方法だが、責任を回避するために、明確な主張をしていない。あいまいさやほのめかしに徹している。見出しと合わせて、無理な移動で人命を失ったという印象を誘導しているように思える。
 東京電力の記者会見に出席している記者の多くは、この範疇に入るかもしれない。原発事故の現場で、命がけで頑張っている東京電力社員を、安全地帯にいる記者が攻撃する図は正視に堪えない。質問する記者を名前入りで撮影すべきではないか。

○電話馬鹿
 電話をかけることが、相手に迷惑になることが想像できない。自分が欲しい情報、しかも、事態を改善するのに役にたたない情報を得るために、超多忙な現場に電話をかける。

○前例踏襲馬鹿
 危機的状況でも、前例がないと動けない。

○目立ちたがり馬鹿
 大きな寄与をしていない、あるいは、ときに阻害要因になることすらあるのに、メディア(ネットメディアを含めて)に自身を露出することには熱心に動く。メディアに売り込むためには、疲れ果てた当事者に負担をかけることを厭わない。

8 英雄
 前例がない中で、疎開後もこれまで通りの介護報酬請求を認めることを確約してくださった渡辺敬雄いわき市長の英断にエールを送る。
 高齢の要介護者を迎え入れるために、80kgのベッド120台をエレベーターなしで搬入し、翌日には入所者をけがさせないように丁寧に運びいれてくださった市民のボランティアに感謝する。
 絶望的な状況の中で、10日間持ちこたえ、さらに、死に物狂いの大搬送作戦を完遂した弱冠39歳の施設長とスタッフに満腔の敬意を表する。

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今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨ご紹介いただけましたら幸いです。
MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp****************************************************************

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MRIC by 医療ガバナンス学会


---------------≪ 引用ここまで ≫--------------


 本震災で亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被災された皆様へのお見舞いを申し上げます。

 そして陰で状況を支えている多くの医療スタッフの皆様のご無事と、被災地の一刻も早い復旧・復興を祈ります。
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