交渉学について書いたところ、読者のある方から「知人がある国際間の交渉の通訳をしていたところ、片方が突然怒り出してびっくりしたという話を聞きました」というコメントをいただきました。
昨日は「感情を抑制することが大事」と書きましたが、上手なやり方によって感情を出させないようにするということも大切なのかも知れません。
交渉の場でよくありがちなのが、何かこちらが主張をした際に「お前はそういうことを言う奴だったのか!」と言われること。主張そのものは正論だったとしても、その正論を言ったお前が許せない、という風に、本当の問題点とそれを指摘した人間を重なって気にくわなく思うのです。
こんなときこそ「人間と問題の分離」を図りましょう。問題は問題、それを言った私個人の人格とは別問題ということです。
そのこと自体は正しいのですが、それを相手の目を見て言ったりすると一対一のケンカのように身構えられてしまいます。
そこでぜひ用意したいのがホワイトボードです。相対で話してケンカになりそうなときは、問題点や課題を相手に背を向けてホワイトボードに書くのです。
そしてなにかの問題で相手が怒ったときも、相手に背を向けて、ホワイトボードに書かれたその問題を指さしながら、「そう、これが問題なんですねえ」と叫ぶのです。『相手に背を向ける』ということがポイント。
その瞬間、私も相手も同じ方向を向いて議論をしていることになり、共通の敵を相手にしているかのような感じがします。
向かい合ってやると、「なんだ、やるのか!?」とけんか腰になるような問題も、共通の敵として同じ方向を向くことで共同して解決する同志になれる(かも)というわけですね。これも交渉上の知恵なのだそうです。
※ ※ ※ ※
人間は興奮してくると、だんだん自分自身のコントロールが出来なくなります。
交渉学の田村先生ご自身も、交渉に臨むときは手帳に「二分法の罠」とか「人と問題の分離」と書いて、それを見ながら話をするのだとか。そんな冷静さがあるうちは大丈夫でしょうけれど。
繰り返しになりますが、交渉というのは、相手を言い負かして勝って喜ぶのではなく、自分の満足と相手の満足を最大にするように納得し合える合意点を探るということに尽きます。
かつての近江商人には自分良し、相手良し、世間良しの「三方良し」という言葉がありました。日本人も交渉の知恵は心得ていたのですね。
歴史を経た知恵は素晴らしいですね。温故知新と行きますか。
昨日は「感情を抑制することが大事」と書きましたが、上手なやり方によって感情を出させないようにするということも大切なのかも知れません。
交渉の場でよくありがちなのが、何かこちらが主張をした際に「お前はそういうことを言う奴だったのか!」と言われること。主張そのものは正論だったとしても、その正論を言ったお前が許せない、という風に、本当の問題点とそれを指摘した人間を重なって気にくわなく思うのです。
こんなときこそ「人間と問題の分離」を図りましょう。問題は問題、それを言った私個人の人格とは別問題ということです。
そのこと自体は正しいのですが、それを相手の目を見て言ったりすると一対一のケンカのように身構えられてしまいます。
そこでぜひ用意したいのがホワイトボードです。相対で話してケンカになりそうなときは、問題点や課題を相手に背を向けてホワイトボードに書くのです。
そしてなにかの問題で相手が怒ったときも、相手に背を向けて、ホワイトボードに書かれたその問題を指さしながら、「そう、これが問題なんですねえ」と叫ぶのです。『相手に背を向ける』ということがポイント。
その瞬間、私も相手も同じ方向を向いて議論をしていることになり、共通の敵を相手にしているかのような感じがします。
向かい合ってやると、「なんだ、やるのか!?」とけんか腰になるような問題も、共通の敵として同じ方向を向くことで共同して解決する同志になれる(かも)というわけですね。これも交渉上の知恵なのだそうです。
※ ※ ※ ※
人間は興奮してくると、だんだん自分自身のコントロールが出来なくなります。
交渉学の田村先生ご自身も、交渉に臨むときは手帳に「二分法の罠」とか「人と問題の分離」と書いて、それを見ながら話をするのだとか。そんな冷静さがあるうちは大丈夫でしょうけれど。
繰り返しになりますが、交渉というのは、相手を言い負かして勝って喜ぶのではなく、自分の満足と相手の満足を最大にするように納得し合える合意点を探るということに尽きます。
かつての近江商人には自分良し、相手良し、世間良しの「三方良し」という言葉がありました。日本人も交渉の知恵は心得ていたのですね。
歴史を経た知恵は素晴らしいですね。温故知新と行きますか。