駒子の備忘録

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三浦しをん『あの家に暮らす四人の女』(中央公論新社)

2015年11月19日 | 乱読記/書名あ行
 謎の老人の活躍としくじり、ストーカー男の闖入、いつしか重なり合う生者と死者の声…古びた洋館に住む女四人の日常は、今日も豊かでかしましい。残念な女たちの現代版『細雪』。

 長風呂の供に楽しくダラダラと読みました。著者が四人の女に向ける視線は意外とドライで、四人の暮らしも決して楽しいだけのおとぎ話ではないですが、その分リアルだなーと思いました。
 オチもあるようなないような、ってところがまたリアルというか、現代的。日々の暮らしとは劇的な物語にケリがついておしまい、というものではないからです。
 でも、ドライ一辺倒ではなくて、ユーモアとかペーソスとか温かみとかがあふれています。なので楽しく読みました。女たちの暮らしに、幸多かれ。





 
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