駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

新井素子『イン・ザ・ヘブン』(新潮社)

2013年12月10日 | 乱読記/書名あ行
 最新短編10編に創作の秘密を明かすエッセイも収録した、待望の短編集。

 ものすごく久しぶりのこの作家の本を読みましたが…短編集は33年ぶりだそうですが、そこまでではなくともここ20年くらいは確かにまったく読んでいなかったとは思うのですが…しかしまったく芸風が変わっていないのに驚きました。
 文体、とか作風、とかではない。これはもう芸ですよ。デビュー時点から確立されていた芸風がいい意味でも悪い意味でもまったく変わっていない、稀有な作家なのだなあとしみじみ思いました。
 別にクサすつもりはありません。単純に本当にただただ驚いたので、ただそう記しているだけです。
 そして実は今でもときおり読み返す『星へ行く船』は愛蔵の一冊であり自分のある種の運命を変えたエポック・メイキングな作品でもあり、今なおある種の輝きを失っていない作品だと思うので、私はやっぱりこの作家を評価したいとは思うのです。
 …なんか含みがありそうな言い方になるなあ、なんなんだろうなあ。近親憎悪というレベルではさすがにないんだけれどなあ。
 まあでも今もご活躍で何よりです、はい。

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