駒子の備忘録

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宝塚歌劇星組『VERDAD!!』

2021年07月05日 | 観劇記/タイトルあ行
 舞浜アンフィシアター、2021年7月4日11時。

 作・演出/藤井大介、作曲・編曲/吉田優子、青木朝子、手島恭子。星組トップスター礼真琴を中心としたREY'S Special Show Time。全2幕。

 ところで「REI」じゃないんですかね…そもそものお披露目ショー『Ray』だってこのスペルだとむしろれいちゃん、つまり同期かつ花組トップスター柚香光のことだしね…というのは野暮なつっこみなのでしょう。
 というわけでみりおコン以来の舞浜に嫌々ながらも行ってきました。嫌々ってのは家から遠くてかったるいのと、鼠の国にミリも興味がないのでそこの客と一緒になるのが苦痛だからです。雨だしコロナ禍で未だまん防中なのに、家族連れもカップルも若者も電車内にわんさといて、げんなりしました…でもハコ自体はさすがよくできていて、どこでも見やすいし、音がいいですよね。ありがたくも前が通路の席だったのでアクリルトロッコもよく見えて(笑)、ステージも思っていたより全然近く見えて、快適でした。

 構成は、まず1幕が宝塚編というところ。今年は星組創立88周年とのことで、後半は今年亡くなったミネさん追悼コーナーからネッシーさん以降こっちゃんまでの歴代トップのショー主題歌メドレー、去年亡くなったスータンさんの映像をバックに『ノバ・ボサ・ノバ』コーナーでシメ。
 個人的前半の目玉は先日の寺田コンでツレちゃんで聴いたばかりのこっちゃんの「スキャット」と、みっきぃが歌う「セ・マニフィーク」で踊るこっちゃんとせおゆり子さん(この日は金髪ボブの鬘。3種日替わりらしいです、本気か!(笑))のデュエダン、でしょうか。しかし相手が同期しかも男役かつせおっちとなると(笑)こっちゃんもだいぶ扱いランボーで、やはり相手役さん、娘役さんへの気遣いってすごいものがあるんだなーとわかりました。まさかのリフトもあったけどせおっちがやっぱり乗るのがあまり上手くなくて、あたりまえだけどやっぱり特殊な技術が要るんだな、というのもよくわかりましたしね。でもせお子さん(名前変わっとるがな、正しい役名はレイナS)、美しかったです。でもそのあとひっとんが出てきたあとのMCでは「こちらが本物です」って紹介するこっちゃんもちょっとおもろしかった…本物の相手役、という意味かしらん(笑)。
 『アルジェ』は実際やったしね、懐かしいね…という気持ちになり、『コルドバ』はそんな朗々と歌っちゃって、でもれいちゃんでは絶対にこんなふうには聴けないから今耳を幸せにしておこう…と思い、『紫子』は愛ちゃん風吹で再演アリだと思うけどどうよ?…となりながら聴きました。私の星組はシメさんからなので、「ワンナイト・ミラージュ」にたぎり、ひっとんの「心はいつも」に泣き、「ジュビレーション!」にワクテカでした。みっきぃといーちゃんの「青い星の上で」もとてもよかった。以下たぁたん、ワタル、トウコ、ちえちゃん、ベニーでこっちゃんか、濃いな星組!(笑)
 そして再演すればいいのになー、黒塗り問題はあるけどこの作品はそういうものだからさー、という『ノバ・ボサ・ノバ』。こっちゃんがねっとり歌いひっとんがバリバリ踊る「アマール・アマール」、最高でした。そりゃひっとんはエストレーラよりブリーザが観たいかもしれないけれど、でもエストレーラのカルナバルのダルマ姿はひっとんにそりゃめちゃくちゃ似合うだろ!と思います。愛ちゃんオーロ、以下は役替わりで…見える、見えるよ!…と思っているうちに圧巻の「シナーマン」、から冒頭の「愛!」に戻って、幕。

 2幕は主題歌2曲(いい歌でしたね!)とひっとん以下娘役ちゃんのNiziU(なんですか? まったくうとくてわからず…カワイイことはわかりました)のあと、何故かコンサートでは必須とされているらしいコントコーナーに突入。私の『ドラえもん』の推しキャラは出来杉くんなので、こっちゃんの「出来無杉まこと」という役名にはちょっと待った!をかけたいところなのですが、さらにいーちゃんの役名にいわゆる「お局さま」を思わせるネーミングをするセンスがもうダメすぎるよダイスケ…
 てかコンセプトがカラオケってのは全然アリだと思うんですよ、こっちゃんのカラオケ好きは有名だと思うし、実際何を歌わせても上手いんだからさ。流行りの曲でもなんでもござれですよ、そのために役が何か必要だというならお芝居仕立てにしたっていいよ。でもその役が宝塚の曲を入れて、でも声が小さくて聞こえないとか下手で聴けない、って芝居をこっちゃんにさせるとか、寒すぎると思わないのかね…? おもしろさがまったく理解できません。あと吃音を笑うな。あとこのコーナー、どこまでがソレだったの? ホント意味不明…
 「Be Our Guest」もこっちゃんの上手さには唸らされたんだけど、後半のこの歌詞ワンフレーズ繰り返しターンはいったいどーした? 何か日本語歌詞を乗せちゃいけない契約でもあったの? 保たないよ、つまらないよ、針が飛んだレコードかよ!(もはや若者には通じないたとえ)「Let It Go」もものすごく素晴らしかったけど、だからこそそのあとのひっとんとせおっちでのリプライズは要らなかったよね!? ちなみにひっとんアリエルは絶品でした。夢々しいディズニー・プリンセスっぷりがサイコーでした。
 しかしレリゴーが素晴らしかったこっちゃんは同じ歌い手とは思えない音域と音色で「STARS」を聴かせてくれて、さらに英語も素晴らしい「自由を求めて」もあって、もうホントにホントにすごかったです…! アンコールの「僕こそ音楽」がそれこそただのオマケに聞こえましたよ…作品に恵まれていい感じに卒業して、早く帝劇や日生でバリバリ歌ってくれ、いやブルーノートかサントリーホールだな、むしろカーネギーホールやミラノのスカラ座目指してくれ…!って思いましたねマジで。
 私が知っている歌上手トップというと、カナメさんには間に合っていないので、ズンコ、たぁたん、トウコ、オサ、みっちゃんにだいもんあたりかなと思うのだけれど、こっちゃんは本当に本当に上手いですよね…! そしてただ音程が狂わないだけ、って感じはもちろんない。コンサートだからいちいち役になっている感じはあまりしなかったけれど、歌の意味は十分伝えていて、ニュアンスのバラエティが富んでいて、飽きさせず、聴き応えがありました。そして踊れて芝居ができるんだからスターとしてホント強い。
 卒業直前に、今度はコントなしの、歌とダンスに特化したライブをやるといいんじゃないかしらん…耳が幸せでした、ごちそうさまでした。

 今の星組はみっつに別れていることもあって、このチームはこっとんせお他にみっきぃといーちゃんの他は、路線というか新公主演経験者としてはさりおがいるくらいで、地味と言ってはなんですが若手ばかりで、アンサンブルに徹している印象でしたかね。都優奈ちゃんがクリスティーヌを歌ったくらい? でも、どなたかも言っていましたがこっちゃんとデュエットするのはひっとんであるべきで、他を歌わせたいなら他のカップルを作るべきだったと思います。
 あと私せおっちって別にものすごくおもしろいとかトークが上手いとか全然思わないので、まあ通う組ファンが楽しいならいいんだけどMCはもうちょっと仕込んだ方がいいんじゃないの?と思いました。別にその場で思いつきをしゃべってるだけ、とは思わないけど…エピソードをおもしろく話す、ってのには技が要るので、せめておもしろいエピソードをちゃんと用意しておかないと…もちろんそこにもファンが何をおもしろいと感じるかを察知する技が要るんだけどさ…
 下級生は、私は顔はさきっぽやタケルが好みですが、どこででも識別できるレベルには至っていないので、結局どこでもひっとんを見ていて、いつもよりバリバリ踊っていて胸がすくようでした。あとは彩園ひなちゃんと綾音美蘭ちゃん(ラストのツインテ、可愛かった!)の顔が好き。あと星咲希ちゃんはともかの妹なんですね? そういえば顔が同じだ、なので識別できるようになりました(笑)。
 ペンラやマフラータオルで振りを強制されるようなこともなく、わりとまったりゆったり聴いていられるコンサートで、私は楽で楽しかったです。手拍子もそんなに激しくなかったしなー、これからもっと練れてくるのかしらん?
 セットや映像はわりとシンプルで、予算ないのかなとかちょっと勘ぐってしまいました。あとは、ダイスケとヨシマサ以外もコンサート作ってよ、とは思いましたかね。てかスターによっては歌オンリーのリサイタルでもいいですしね。
 まあでも上手い人がひたすらバリバリ歌い踊るのはいいことだ、と思いました。強靱な喉と体幹、素晴らしかったです。残りの日程も無事に進みますよう、お祈りしています。





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