駒子の備忘録

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ラストお手紙渡しを終えて。~カウントダウン澄輝日記

2019年07月21日 | 澄輝日記
 私は出待ちが嫌いで(長くて疲れるから、というしょーもない理由で、なのですが)初日とか千秋楽とか何かのイベントがあるとかでないとまず行かないのですが(なのでたまに行くとガード常連の会員さんたちにレアポケモン並みに驚かれるのですが)、今日はさすがに最後だし、と行ってきまして、先ほど帰宅してひとっ風呂浴びたところです。平日1回公演の出待ち時間は仕事してるし2回公演の出待ちは遅い時間すぎてイヤだけど、土日なら夜といってもまあ普通の時間に終わるだろうし…という程度でのこのこ出かけてきたわけですが(普段の土日の夜はどこかのお茶会に行っていることが多いのです)、明日はいよいよ千秋楽でお手紙は入りも出も回収でしょうから、お手紙を手渡しできるのはこれが本当に最後の最後だったのだな、と、言われて初めて気づく体たらくでした。
 片手で持つにはどんなに指を大きく開いてももういっぱいいっぱいだよあふれるよ、という量のお手紙をもらって、普段あまり使わないお手紙バッグに大事そうにしまって、いつもと変わらぬ優しくものんきそうな笑顔でニコニコと、でもさすがにときおり言葉につまるように訥々と語る様子を見ていて、本当に心が温まり、じんわりし、ちょっとうるうるして、しんみりさみしさも感じつつも、それでも元気に帰宅しました。明日もあるし、みんなの熱い想いは確かに伝わっている、と思えたからです。
 私は公演の感想だろうが日々の日記だろうが愛と妄想のポエムだろうがなんでもテキトーに書けるタイプで(笑)、日々のお手紙はさんざん楽しく書いてきましたが、関西組でお稽古待ちが中心の方は、公演については書けないので苦労しているのかもな、とかは思いますね。ともあれみんな、書くことないの暑いの寒いの脚が痛いのと言いつつも、結局は楽しくて幸せで入り出待ちに通ってしまうんですよね。それは贔屓の顔が見られるからであり声が聞けるからであり想いが直接伝えられるからです。たとえ時間としては短くても確かに交流があるし、お手紙はちゃんと読まれている気配があって、つながれている、負担になっていない、想いは届いていると信じられる…それが嬉しくて、幸せで、雨の日も風の日も、万難を排して、行ける人は行ってしまうのでしょう。
 ファンクラブとか入り出待ち、そのガードといったシステムは昔はもっとフランクで、おそらくはユリちゃんの人気が驚異的だったころ、平成初期の時代に今の形に近く整えられたのでしょう。そのときは熱狂的な一般ファンが生徒に突進しちゃったりして、いろいろトラブルもあったんですよね。だからそのころから、ファンクラブ会員が生徒と一般ファンの間に入り生徒をガードする、しかし一般ファンの視界を遮らないよう生徒が楽屋口に来たときにはしゃがむ、ガードは生徒にお手紙を手渡しできるが一般ファンはギャラリーするのみ、というスタイルができたのだと聞いています。
 トップスターにこそ劇場の警備員さんが付き添ったりしますが、それ以外は特に何もないので、ムラはともかく日比谷なんて日本有数の繁華街の一角で酔っ払いとかあつかましい観光客とかがけっこういて、本当にガードだけで生徒の安全を守れているのかけっこうヒヤヒヤする事態も見ているとよくあるのですが、今のところは、良心と良識と性善説とに任されてなんとか成立している、ギリギリの楽園かな、と思います。AKBなんかが生まれるはるか以前から(AKBは宝塚歌劇団の在り方も参考にして作られたところがあるそうですが)彼女たちは「会いに行けるアイドル」(正確には「会いに行けるフェアリー」、かな)だったわけで、それはできればこの先も長く続いてほしいな、と改めて思いました。
 劇団はギャラリー写真を個人で楽しむ分には容認する姿勢ですが、ギャラリーさんが撮影した写真をツイッターなどのSNSにあげること自体はグレーなんじゃないかなと個人的には考えています。ファンクラブ会員はガードには入れますがギャラリーは禁止されています。だから贔屓の画像が欲しくてそっと保存することはあると思うし、ぶっちゃけ私はしています。美意識としてリツイートは絶対にしませんけれどね。でも生徒はタレントでもあるので、いい宣伝になっている部分もあると思います。お茶会のレポートツイートと同じですね。
 ただしギャラリーが写真をブログに上げてアフィリエイトで稼ぐとか、プリントをメルカリで売って儲けるとかは生徒と劇団の肖像権とパブリシティ権の侵害です。犯罪です。通報され告発され処罰されます。生徒と劇団に愛があるならそんなことはやめていただきたいですし、愛なんかないよ単なるビジネスだよと言うなら違法です犯罪です逮捕される前にやめてくださいとしか言えません。
 アイコンやヘッダー画像に生徒の画像を使用するのも違法です。スカイステージの画面のスクリーンショットを上げること、劇団の刊行物を撮影して上げることも違法です。生徒と劇団の正当な売り上げを侵害し、彼女たちを痩せ衰えさせることになります。ファンならやめていただきたいです。
 オフに劇場に観劇に来た姿を撮影するのもNGでしょう。少なくとも、大劇場1-1扉の前で群がって待ってスマホを掲げる姿は醜悪です。贔屓にそんな姿を見られて恥ずかしくないですか? 贔屓が悲しそうな顔をして視線を逸らすのを見て心苦しくないですか?
 清く正しく美しく、そして朗らかに。それは生徒だけに求められるものではなく、ファンにも同様に求められるべきものでしょう。そうして守り耕し慈しみ育てていかないと、この花園はとりあえず百年はなんとか保ってこられたけれど、気を抜くとすぐに駄目になってしまうものだと思うのです。脆弱だから、というより、それほど貴重で繊細で豊穣なものだ、ということです。
 先日、楽屋口内を撮影した動画を上げたり、ギャラリーやガードを冷笑するような記事を上げてプチ炎上したOGがいましたが、同様に愛と節度と良識を持っていただきたいです。初めてファンレターをもらったとき、彼女は嬉しくはなかったのでしょうか? 入り待ちをしたいといわれたとき、誇らしくなかったのでしょうか? それがあったなら、そんなことはできないはずだと思うのですが…
 私の贔屓は、私が知る限りわずか4人しかガードがいない日も、今日のようについに何ブロックにも渡って何列にもガードが並んだ日も、変わらず、よほどの大雨の日以外は(そして最近は警報が出るような荒天ではすぐ入り出待ちそのものが中止になるようになったので、私が知る限りではわずかに二度?)回収にせず、お手紙をひとりずつから直接受け取ってくれました。それを負担に思う様子はなく、ありがたがってくれているようでした。お手紙の内容を楽しく読んでいるようでした。ファンとのそういうつながりが、関わりが、確かにあったのです。幸せな日々でした。他のどの生徒さんとファンとの間にも、この空間と時間を守っていきたいです。
 私の贔屓は明日この花園を卒業します。卒業のその後も、この花園がもう百年でも二百年でも変わらず美しくあれますように、私も一ファンとして努めたいです。贔屓もきっとそれを願っているはずです。彼女の幸せのためにも、私はそうしたい。
 私は観劇は続けますし、引き続き全演目観劇を目指しますし、遠征もどこへでも行くつもりです。でももう同じ演目を10回も20回も観ることはないでしょう。ホイホイお手紙書いて案内もらってあちこちお茶会に出かけますし、生徒さんからチケットを買いたいので取り次ぎ目当てでファンクラブに入ることはあるかもしれませんが、でも、ガードはもうしないんじゃないかな、とも思っています。
 あれはね、やっぱり、特別なものです。ごくごく特別な愛情がないとやれないものです。
 「明日の日比谷の天気は…曇りか(あくび)」とルーベンさんふうにつぶやいて、梅雨明けはならずともお天気がなんとか保つことを祈って、ソーラーロイヤルプリンスのパワーを信じて、明日一日がんばってきたいと思います。と書いているうちに日が変わってしまった、お手紙書いて支度して寝なくては…
 良き一日になりますように。みなさまも祈っていただけたら嬉しいです。おやすみなさい。



 …「私の贔屓」の連発はウザかったかもしれません、すみません。感傷的なのだとご容赦ください。私の他にもたくさんのファンがいる、れっきとしたスターさんです。みんなの王子さまです。
 彼女と、宙組子と、ファンのみなさますべてが幸せな一日をすごせますように。



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