映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

マルケータ・ラザロヴァー(1967年)

2023-11-23 | 【ま】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv77266/


以下、公式HPよりあらすじのコピペです。

=====ここから。
 
 舞台は13世紀半ば、動乱のボヘミア王国。ロハーチェックの領主コズリークは、勇猛な騎士であると同時に残虐な盗賊でもあった。ある凍てつく冬の日、コズリークの息子ミコラーシュとアダムは遠征中の伯爵一行を襲撃し、伯爵の息子クリスティアンを捕虜として捕らえる。王は捕虜奪還とロハーチェック討伐を試み、元商人のピヴォを指揮官とする精鋭部隊を送る。

 一方オボジシュテェの領主ラザルは、時にコズリーク一門の獲物を横取りしながらも豊かに暮らしていた。彼にはマルケータという、将来修道女になることを約束されている娘がいた。

 ミコラーシュは王に対抗すべく同盟を組むことをラザルに持ちかけるが、ラザルはそれを拒否し王に協力する。ラザル一門に袋叩きにされたミコラーシュは、報復のため娘のマルケータを誘拐し、陵辱する。部族間の争いに巻き込まれ、過酷な状況下におかれたマルケータは次第にミコラーシュを愛し始めるが…

=====ここまで。


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 昨夏だったか、イメージフォーラムで上映していたけれど、暑過ぎて渋谷まで行く気にならず(って言い訳だけど)見逃してしまった。あーあ、残念、、、と思っていたら、先日、早稲田松竹のレイトショーで上映してくれた。ありがとう、早稲田。夜遅くに3時間近く大丈夫かな、、、と心配だったけど、ゼンゼン杞憂だった。

 本作は、“チェコ映画史上最高傑作”なんてキャッチコピーで宣伝されていたんだけど、ん~~、そうなのかぁ。チェコ映画というと、私が思い浮かべるのはシュワンクマイエルなのだが、まあ、ちょっとジャンルが違うので比べようがないかな。『異端の鳥』と雰囲気は似ているか(モノクロだからかな)。

 とはいえ、確かに映像はキレイだし、何より個人的に音楽がとっても気に入った。ポリフォニーみたいな、聖歌みたいな、グォ~~~~ンって感じの唸るようなの。それが要所要所で流れる。宗教色も感じる画と併せて、ちょっと荘厳な感じさえある。

 そもそも、13世紀なんて想像もつかない遠い世界、おまけに東欧、、、世界史に疎い私にとっては、歴史的な背景とかゼンゼン分からないけど、本作は、同名の小説が原作で、設定はまったくのフィクションとのことで、まあ、一種のダーク・ファンタジー映画だと思って見た。

 タイトルでもある少女マルケータ・ラザロヴァーは、重要なポジションの人物ではあるけれど、あんまし出番は多くない。序盤と中盤と終盤にちょこちょこと出て来る、、、という感じ。レイプされた相手を好きになるとか、、、ちょっとねぇ、なところもあるが、それも“中世だからね”ってことで脳内処理(これについてはここでは敢えて言及しないことにします)。

 ストーリーとしては、日本でいえば豪族みたいな土地の有力者同士の仁義なき戦いであり、そこに、土着の宗教とキリスト教が絡んで来て、何だかややこしい。中盤以降は、流浪の修道士が狂言回し的に出てくるんだが、キリスト教の修道士には見えない。

 マルケータは、修道女になるはずだったので、誘拐された後に解放(?)されてから、終盤になって修道院に行くのだけど、修道院では持参金が足りないとか言われて冷たくあしらわれ、マルケータ自身も修道女たちの祈りに懐疑的で、結局、修道院を去ってしまう。……とかいう話の流れも、序盤に突然バーンと現れた修道院の画が、修道院に対して批判的な印象を受けたので、終盤でこのような展開になるのは、やっぱり、、、という感じだった。

 キリスト教といえば、捕虜にされたクリスティアンがその象徴的な存在か。最終的には、クリスティアンと、コズリークの娘アレクサンドラの間に子が出来て、それをマルケータが自分の子と一緒に育てる、、、というオチなのだが、こうしてキリスト教が土着の宗教と混じり合いながら浸透していったってことなのかしらね。私は、このクリスティアンが見ていて一番可哀相だったなぁ。途中から、彼の父親が登場し、クリスティアンを救えとピヴォを顎で使おうとする。クリスティアンは状況を理解して行動できる賢い人の印象だが、その父親はいけ好かないワガママ爺ぃ。クリスティアンはコズリークらとの板挟みになり、結局死んでしまうのだから気の毒すぎる。

 もう一回くらい見れば、もう少し色々分かるかな~。でも、見る機会があるかしらん。パンフの執筆陣が豪華で、迷わずゲット。やはり、こういう映画のパンフには、映画ライターのコラムなんかより、チェコ文学研究者とか、チェコ史研究者とか、そういう方々の論評を載せてもらった方が有難い。

 ポスター(↓と同じメインデザイン)がすごい素敵で、こちらも思わず買っちゃいました。

 

 

 

マルケータを演じたマグダ・ヴァーシャーリオヴァーさんは、現在、外交官・政治家なのだって!

 

 

 

 

 

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