映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

推し活レポート◆2024.June

2024-07-13 | 推し活

◆6月5日 サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン
     CMGプレミアム 小菅 優プロデュース『月に憑かれたピエロ』 @サントリーホール・ブルーローズ(小ホール)

 

 室内楽(というか弦楽アンサンブル)は、あんまし聴かないのだけど、金川さんご出演とあれば、そら聴きに行くわね。しかも、この日は、ヴィオラデビューするという事前ツイートも流れて来て(プログラムに書いてあったんだけど)、楽しみに馳せ参じました。

【プログラム】
 ストラヴィンスキー:クラリネット独奏のための3つの小品 より 第1番
 ストラヴィンスキー:『シェイクスピアの3つの歌』
 ラヴェル:『マダガスカル島民の歌』
 ベルク:室内協奏曲 より 第2楽章「アダージョ」(ヴァイオリン、クラリネット、ピアノ用編曲)
 シェーンベルク:『月に憑かれたピエロ』作品21

 実際、予習として聴くまで、このプログラムのうちこれまで聴いたことがある曲はゼロ! この演奏会のタイトルにもなっている『月に憑かれたピエロ』は割と有名な曲の様で、ネットでも普通に出てくるが、ストラヴィンスキー『シェイクスピアの3つの歌』は出て来ない、、、がーん。

 といって、CDを買ってという時間もないので、前半は演奏会で初めて聴くことに。

 金川さんはその『シェイクスピアの~』のヴィオラで、後半のベルク、シェーンベルクに出演。

 まあ、ヴィオラって大抵埋もれちゃう音色だし、今回金川さんが演奏した曲はどれも歌付で、歌がメインなので金川さんの美音を堪能するという感じではなかった。

 でもでも! 特に『月に憑かれたピエロ』がすご~く面白かったのです。出演者は皆、前半とは違う黒の衣装で統一してご登壇。メゾ・ソプラノのミヒャエラ・ゼリンガーはメイクもちょっとピエロを意識(?)したようで、ささやかながら演出も目に楽しかった。

(画像お借りしました)

 

 何より、ゼリンガーの表現力が素晴らしく、私は普段、ほとんど歌曲は聴かないのだけど、その歌声の力強さと美しさ、そして曲の怪しさを堪能した。

 歌詞の対訳が配られたので、訳を見ながら聴けたのがまた良かった。『月に憑かれたピエロ』は元はアルベール・ジローの詩集がドイツ語訳されて、部分的に書き換えられるなどして出版されたものだそう。それを、シェーンベルクが女優に頼まれてメロドラマ化したのが、この作品。発声が独特だなー、と思って聞いていたら、解説に、語りでも歌でもない発声法を用いているのだと書いてあった。

 で、詞がね、すごい面白いので、ちょこっとだけ、、、

 カサンドロの頭、/わめき散らす奴のぴかぴか頭に/ピエロは偽善者づらして ぐりぐりと刺す/やさしげに――穿頭ドリルを
 穴には 親指で詰めこんでゆく/上等なトルコの煙草を/カサンドロの頭、/わめき散らす奴のぴかぴか頭に
 それからピエロは マハレブ材のパイプを/つるハゲ頭の後ろから捩じ込んで/いかにも悠々 ぷかぷか吹かしてみせる/上等なトルコの煙草を/カサンドロのぴかぴか頭から!

 ……ヘンでしょ。これは、16曲目の「意地悪」というタイトルの歌詞で、もっと陰惨なのやエロチックなのもあるけど、全体にはダークファンタジー。意味など考えずにゼリンガーの時に唸るような、時に囁くような声を聴きながらその世界に没入するのだった、、、。演奏会でこんな感覚を体験したのは初めてかも。

  


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◆6月22日 大阪フィルハーモニー第579回定期演奏会 @フェスティバルホール

 金川さんのチャイコは、昨夏、N響で聴いているのだが、席が近過ぎて、もちろん金川さんの美音はめっちゃ堪能できたのだけど、やはりオケとのバランスがイマイチだなぁ、、、と感じていた。席の位置はなかなか難しい。

 ヴァイオリン協奏曲では、ヴァイオリンという楽器の音量から言ってステージに近い方が良いと言うけど、それはソリストによりけりで、金川さんのように音が遠くまで飛ぶソリストの場合は、むしろ遠めの席の方がバランスが良いように感じる。そもそも、オケだけのシンフォニーとかの場合は、私は2階席の方が良いと思っているし、金川さんも2階席の方が良いだろうと、今回は年明け早々にチケットをゲットしていたのだった。 

【プログラム】
 チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
 ストラヴィンスキー/バレエ音楽「火の鳥」(1910年版)

 で、私のこの読みは当たったっぽいのだった。会場はフェスティバルホールで、もちろん初めてだったのだが、かなり大きいホールで驚き。残響も良かった。

 感想を書く前に、この演奏会は、上記画像にあるとおり、デュトワが指揮するはずだった。のだが、直前になって体調不良で降板というお報せがメールで流れて来た。なんと、払い戻しに応じるとまで書いてある。そこまでデュトワって、、、(以下略)と思ったけど、それよりも、金川さんに失礼やろ! と、内心私はちょっとオコでありました。

 デュトワの代役は横山奏氏。初めてお名前を知った。「火の鳥」の1910年版が、よく演奏される版(1947年版かな?)とはかなり違って、本番で振ったことのある指揮者があまりいないのだとか。……というわけで、1910年版を振ったことのある横山氏に白羽の矢が立ったということらしい。

 けど、私のお目当ては、ただただ金川さんのチャイコである。

 ……2階席の後ろまで、その美音が響き渡るのだった。2楽章の美しさよ。弱音、高音の美しさは、世界でも指折りではないかしら。

 とにかく、彼女の演奏は曲に誠実である。毎回、彼女の演奏からは一音一音の意味(レゾンデートル)を感じさせられ、作曲家の意図が見えるよう。こんな演奏家は、そうは居ない。

 どんな曲も丁寧に、でも楽しそうにサラリと弾いて見せる。頑張ってる感がまるでない。それでいて、あの演奏。凄いとしか…言い様がない。曲の終わり頃には、涙が出て来てしまった。

 横山氏の棒が降りた瞬間の割れるような拍手が凄まじかった。ブラボーも止まず。

 アンコールはパガニーニのカプリスで、こちらも超絶技巧。終わった瞬間の客席のどよめき。金川さんも、何度もカーテンコールに応じるが、拍手がなかなか止まず。ちょっと珍しい光景だった。

 正直なところ、もうこの余韻のまま、メインを聴かずに帰りたかった、、、けど、もちろん聴きましたよ。1910年版を。私の知っている「火の鳥」とは大分違って、始めて聴く曲に近い感覚だったかなー。時折、馴染みのある旋律が聴こえてくる、、、みたいな感じ。「展覧会の絵」のラヴェル編曲版じゃない(私が聴いたことあるのはリムスキー=コルサコフ版だけだが)のを聴いたときの感じと近かった。

 それにしても、デュトワ、最近結構日本のあちこちのオケで振っている様子。秋には5年ぶりだか何だかでN響とも久々の共演だとか(行かないけど)。彼がしばらく干された理由はwikiにあるとおりだが、彼が復帰できているのはほぼ日本でだけのようである。実は、金川さんの出演とはいえ、指揮がデュトワなので、正直なところ若干聴きに行くのをためらう気持ちもあった。けど、金川さんが共演を承諾したわけだから、そこは私がとやかくジャッジすることでもないのか、、、と思い直した次第。

 それにしても、日帰り大阪はちょっと、、、いや、めっちゃ疲れた。とはいえ、まあまあ面白かったので、後日、大阪日帰り日記を書きたいと思います。

 

 

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推し活レポート◆2024.Mar.& Apr.

2024-05-05 | 推し活

◆3月13日 第544回日経ミューズサロン 山下愛陽ギター・リサイタル ~ゲスト=金川真弓~ @日経ホール

 日経がこんなリサイタルを定期的に開催していたとは知らなかった、、、。そういうわけで、当然、日経ホールも初めてなんだが、多目的ホール(音楽のための専用ホールではない)で、椅子もセミナー仕様みたいなのだし、内装も事務的な感じで安っぽく、始まる前から気分も盛り下がる。席は前方右側。

【プログラム】
 ジョン・ダウランド/ラクリメ(涙のパヴァーヌ)
 ビセンテ・アセンシオ/神秘的な組曲  ゲッセマネ、ディプソ、ペンテコステ
 フェルナンド・ソル/奇想曲「静けさ」作品50
 ベンジャミン・ブリテン/ノクターナル作品70
 フランシスコ・タレガ/アルハンブラの思い出
 J.S.バッハ(山下愛陽編曲)/無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004 より「シャコンヌ」
 ウジェーヌ・イザイ/無伴奏ヴァイオリンソナタ第4番 ホ短調(※金川ソロ)
 アストル・ピアソラ/「タンゴの歴史」より 売春宿 1900-、カフェ 1930-(※デュオ)

 金川さんはゲストなので、出番は後半のイザイから2曲のみ。山下さんとは個人的にも親しい様で、金川さんのTwitterにも一緒に映った画像がアップされていたが、私は山下さんのことは全然存じ上げなかった。

 ギターはあまり詳しくなくて、パコ・デ・ルシアのアルバムを大昔に当時の職場の先輩に勧められたのが切っ掛けで、ちょっとずつ聴くようになった。これまでライブで聴いたことがあるのは、福田進一、大萩康司、鈴木大介、徳永真一郎、カニサレス、、くらいだと思う(村治佳織さんも聴いたような気がするが、ちょっと記憶違いかも)。福田さんはもちろんだけど、大萩さんのアランフェス(N響)は素晴らしかったし、ギターはクラシックに限らず好きな方だが、あまり積極的に聴いて来たとは言い難い。

 そんな程度の耳しか持っていないのだが、正直なところ、前半の山下さんの演奏は少し退屈だった(眠くなったし)。技術的なことは分からないが、表情が乏しいかなと。あんましエモーションを感じなかったというか。これは私に受容体がないだけかも知れないが、まあ率直な感想だから仕方がない。

 で、後半、金川さんのイザイのソロから始まり、休憩を挟んだこともありバッチリ覚醒。

 無伴奏で金川さんの美音を堪能。この曲は加藤知子さんのCDで時々聴いていて、加藤さんの演奏も素晴らしいのだけれど、この日の金川さんも圧巻。無伴奏って、聴いている方もかなり緊張するのだが、彼女の無伴奏は本当に美しい。

 山下さんとのデュオ、ピアソラは、イザイとはガラリと変わって、リラックスして聴けた。ギターとバイオリンというと、昨年の7月に浜離宮ランチタイムコンサートで、徳永真一郎とのデュオを聴いたけど、個人的には昨年のリサイタルの方が楽しかったかなー。その時の無伴奏(ビーバー:パッサカリア)がこれまた涙が出そうなほど感動的な演奏だったのよ、、、。

 アンコールはデュオと山下さんの歌付ソロだったが、山下さんは声楽も学んでいるらしい。なかなかの美声だった。

 まあでも、、、満足度的には低めだったかな、、、ごーん。


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◆3月16日 金川真弓&小菅優 デュオ・リサイタル @彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール

 この会場は、音楽ホールだけでなく、演劇ホールなどもあるらしく、友人が大分前に蜷川の何かの舞台を見に行ったと言っていた。そのとき、友人が誘ってくれたのだが、私はあんまし蜷川さんのこと好きじゃないので行かなかった。結局、ニナガワ舞台は一度も見ずに終わったなぁ。

 で、長らく大規模改修工事をしていたらしいのだが、このほどようやくそれが終わって、3月にリニューアル・オープン後の初の公演が、このデュオ・リサイタルとのこと。

 というわけで、初ホールに行くのはワクワクします。駅から会場まで一番分かりやすい道を行くと街路樹もない大通り沿いを延々歩くことに。この時期はまだよかったけど、真夏はキツ過ぎる、、、と思いながらてくてく10分ほど歩く。

 

【プログラム】
 モーツァルト:きらきら星変奏曲 KV 265(ピアノ・ソロ)
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 作品30-2
 イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番 ホ短調 作品27-4(ヴァイオリン・ソロ)
 ファリャ:7つのスペイン民謡
 プーランク:ヴァイオリン・ソナタ

 最初は、小菅さんのソロから。小菅さんの演奏を聴くのは初めて。輪郭のハッキリした、それでいて柔らかさもある音。ホールの音響もキンキンしなくてまあまあ良さそう。席は2階席真ん中で、バランスも良い感じ。

 2曲目から金川さん登場。ベートーヴェン、、、2楽章が絶品。ピアノとの息もピッタリ。

 休憩を挟んで、3日前に聴いたイザイがまた聴ける~と楽しみにしていたところ、金川さんがマイクを持って話し始めた。この後のファリャからプーランクへの流れとして、ロルカの詩を詠む。プーランクのヴァイオリンソナタが、あのジネット・ヌヴーの依頼によって書かれたことなど、曲の背景なども割と長めの解説。前から感じていたけど、金川さん、演奏する曲についてよく語るお方だ。最近のアーティストは、SNSなどでも積極的に発信しているから、一昔前のアーティストのイメージとは大分違うよね。まあ、ファンとしては彼女の素の語りが聴けるのは嬉しい限り。

 ちなみに、ロルカの詩、恥ずかしながら読んだことないので、金川さんの詠む声を聴いてそのまま流れて行ってしまったので、後から検索したところ、詳しく書かれているサイトを発見。金川さんの演奏動画(事務所の公式HP)もあるので、貼っておきます♪

 で、マイクを置くと、イザイへ。

 ……これが、3日前にも同じ曲を聴いていたはずなのに、何かこう、、、違って聴こえるという、、、。やはり、リサイタルやコンサートは、会場やら聴衆やらもろもろの雰囲気ももの凄く大事だと改めて実感。とにかく、このイザイが凄過ぎて、終わった後の拍手が起きる前に、客席からどよめきが起きたほど。いや、これ、私も涙が出そうになって、思わず唸ってしまったもんね、、、。実際、泣いている方もかなりいた。分かる、分かるわ~~。

 その後の、ファリャもプーランクも、とにかく素晴らしかった!としか書きようがなく、、、。ボキャ貧なのでスミマセン。

 小菅さんとの共演は、来月にもあるので、楽しみだ。

 

(右の画像はお借りしました)

 

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◆4月5日 読売日本交響楽団第637回定期演奏会 @サントリーホール

 バルトークを金川さんの演奏で聴けるなんて!! 絶対聴かねば!!! とチケット発売日を1週間後に控えた頃に、夫の海外赴任に帯同していた友人が帰国したので3年ぶりくらいに会った。彼女に、私が金川さんの追っ掛けをしていることを話したら、「聴きたい!!」と言ってくれたので、んじゃあ2人分チケット取るべ!と頑張って(いや、頑張らなくてもゼンゼン取れたんだが)取りました。

 誰かとコンサートに一緒に行くなんていつ以来かしらん??というくらいに久しぶり。こういうコンサートは一人で行くに限るといつもは単独行動がほとんどなんだが、たまには誰かと分かち合うのも良いもんだ、としみじみ感じました。

【プログラム】
 マルティヌー:リディツェへの追悼 H. 296
 バルトーク : ヴァイオリン協奏曲第2番 BB 117
 メシアン:キリストの昇天

 それにしても、なかなか尖ったプログラムで、マルティヌーの曲は初めて聴く。が、実に感動的だった。ナチスによって僅か一日で消滅してしまったチェコの村リディツェへの追悼として書かれた曲だが、静謐な美しさに満ちた曲。

 指揮者のシルヴァン・カンブルランによれば、金川さんからバルトークの2番を提案されたので、それに合わせて、他の2曲をプログラムしたとのこと。……ふむ。

 で、2曲目はお目当てのバルトーク。序盤、ちょっとオケと合っていない??と感じる部分があったのだけど、1楽章の中盤からは凄まじい集中力。民族舞踊的な独特のメロディラインも実に魅力的で、あっという間に終わってしまった……!

 終わった瞬間に、友人と一緒にため息が出てしまい、思わず顔を見合わせた。「何か鳥肌立ってる……」と友人が言っていたけど、本当にこの人は一体何者??というくらいに、隙の無い演奏で拍手よりもため息が先に出た感じ。

 ソリスト・アンコールはなし。まあ、あんなもの凄い演奏聴いた後では、むしろアンコールはない方が良い。

 その後、休憩中にワインを飲んだ友人は「金川さんのお父さんと思しきお方がいらしたみたい?」と言っていた。あんなスゴい娘さんを持って、御父上も幸せだ。

 メシアンは、あんまし得意じゃないんだけど、やはりライブで聴くとグッとくるものだなぁ、、、。この曲に限らずだけど、金管楽器のコラールって美しい。1楽章とか、聴き惚れてしまった。

 大満足で、友人とも感動を分かち合えて嬉しく、傘を忘れて来てしまった、、、というオチ付き。あー、ステキな夜だった!

 

 

 

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推し活レポート◆2024.Jan.

2024-02-10 | 推し活

 推し活を始めて2年。結構通ってます。ちなみに、昨年(2023年)の推し活実績は以下のとおり。

2月17日 読響@サントリーホール(ブラームス)
2月23日 リサイタル@三鷹市芸術文化センター・風のホール
3月25日 東響@ミューザ川崎シンフォニーホール(コルンゴルト)
3月28日 東京・春・音楽祭2023@東京文化会館・小ホール(シューマンの室内楽)
4月26日 都響@東京芸術劇場(メンデルスゾーン)
6月27日 N響 Music Tomorrow 2023@東京オペラシティコンサートホール(一柳 慧/ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲)
7月 1日  N響ベストクラシックス@かつしかシンフォニーヒルズ(チャイコフスキー)
7月 4日  浜離宮ランチタイムコンサート@浜離宮朝日ホール(ギタリスト・徳永真一郎とのデュオ)

 ……ね、結構行ってるでしょ。8月以降は、なかったんですよ、コンサートもリサイタルも、、、しょぼ~ん。でもでも!その間は、前回の推し活記事に貼り付けた動画の「スコットランド幻想曲」を毎日聴いて、寂しいのを凌いでおりました。

 が!!!

 なんと、この動画、先月突然「非公開」になってしまい見られない・聴けない状態になってしまいました。が~~~~~~~ん!!!!私の生命維持装置だったのに!!

 N響さんよ、せめて事前に告知しておくれ。んで、お願いだから、お金払うからダウンロードできるようにしておくれ、、、。お願いです。私が何年オタクの会員やってると思ってんだ!!!

 、、、と言ってもしょーがないのだが、とにかく、彼女のコンチェルトをまともな音源で聴けるのは、コレしかなかったので本当にショックです。昨年発売されたリサイタルのCDを聴いて、何とか生き延びています。

 そんなわけで、今年も推し活は続きます。せっかくなので、自身の記録のために、推し活レポートも書くことにしました。


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◆1月13日 神奈川フィルハーモニー管弦楽団みなとみらいシリーズ定期演奏会第391回 @横浜みなとみらいホール

 今年の推し活第1弾は、かなフィルとの共演。

 曲は、私の大好きなブラームスのコンチェルト。昨年、読響でも聴いているので2回目。いや、この読響とのブラームスが、とにかく圧巻だった(オケは普通だったけど)。

 なので、今回も楽しみにしていそいそと横浜まで行きました。フランス映画祭では、横浜遠いからなー、と思って行かないのに、金川さんの演奏を聴くためならゼンゼン苦にならない!

 片道1時間ちょいかかって、みなとみらいホールに到着。ここのホールは20年くらい前に来て以来だと思う。ホールについてはゼンゼン覚えていなかったけど、キレイなホール。席は1階のやや前方の中央右寄り。音は、、、どうなんだろうか。

 

 金川さん、濃紺のシンプルなドレスで登場。

 ……が、嗚呼、席選びを間違えたと途中で気付く。楽器の向きが変わると、あの美音が聴こえなくなる角度があるのだ、、、がーん。ダメじゃん、みなとみらいホール!!!

 うぅ。。。悲しい。なんということだ。もちろん、それでも聴こえるときは、あの美音が骨の髄まで沁みて来る。2楽章など、あまりの美しさに陶然、、、。

 やっぱり2階席にするべきだな。このホールに限らず、コンチェルトは1階席で満足な音で聴けた試しがない(サントリーもまあまあヒドい)。でも、席が選べないときもあるし、こればっかりは運だなぁ、、、。

 ブラームスでは、ソリストアンコールなしなんだよね。読響のときもそうだった。でも、なんか分かる気がする。ブラームスは消耗も激しいのだろうし、あの曲の後に何弾いても、何か違う、、、となる。

画像は公式Xよりお借りしました


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◆1月27日 群馬交響楽団第594回定期演奏会 @高崎芸術劇場大劇場

【プログラム】
 モーツァルト/ディヴェルティメント ニ長調 K. 136
 シベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
 ブラームス/交響曲 第4番 ホ短調 作品98

 自慢じゃないが、私は相当の出不精である。家でダラダラするのが至福の人間。それなのに! なんと、高崎まで行ってしまいました!! 新幹線の距離ですよ? もちろん、在来線で行きましたが。片道2時間超!遠かった。この私が、、、。自分でもビックリ。

  

高崎芸術劇場外観&ロビー。このホールは初めてなのだけど、駅からは近くて便利。完売とのことで、すごい激混みでした

 ……というのも、曲がシベリウスだったからです。ブラームスだったら、行かなかったかも、、、いや、行ったかな。

 難曲で名高いシベリウスだけれど、結構、ソリストによって個性が出る曲だと思う。私はこれまで、この曲はライブではなぜか、日本人女性バイオリニストの演奏ばかり聴いている。諏訪内晶子さん、青木尚佳さんで、いずれもN響と。どちらも良かったけど、私は基本的にあんまし感動しない人なので、「凄いなー」で終わることが多く、彼女たちの演奏もそうだった。

 で、3年前に、青木さんの演奏と、金川さんの演奏(都響)を聴き比べた感想を書いている人がいた。その人が言うには、青木さんの演奏は、シベリウス・北国の人々の心理の深層に迫り得た演奏だったが、金川さんの演奏は「ドイツ的な解釈」で疎外感を味わった、、、んだそうである。

 私は、青木さんの演奏はこの方と同じ演奏を聴いたわけだが、正直言って、彼女のシベリウスから特別北国の魂なんぞは感じなかった。シベリウスの曲はもちろんいくつか知っているし、好きな作曲家ではあるが、そもそも私は骨の髄まで日本人なので、「シベリウス・北国の人々の心理の深層」がどんなんかさっぱり分からん。

 で、この日は、初めて金川さんのシベリウスを聴くことができたのでした。

 いやぁ、、、もう2楽章がね、、、、涙出ました。北国の深層とかそんなん知らん。とにかく美しく、心の襞に深く入り込んでくる美音が、ただただ沁みる。そこからラストまでの躍動感は、行ったことないけど、それこそ、北欧の雪が舞う森の情景が浮かんできたよ、私の脳内には!!

画像は公式Facebookからお借りしました

 んでもって、今回はソリストアンコールがあり、「パガニーニ/カプリース 第24番」。超絶技巧をサラサラと弾いて、圧倒されました。

 ちなみに、このコンサートの前に、金川さんのトークがあり、彼女の飾らない一面を垣間見ました。フィンランドにもコンクール前に一時期ホームステイしていたことや、コンクールのプレッシャーなども聞けて良かったです。

 帰りに、有名なだるま弁当などを買って帰りました。美味しかったです♪

 

 

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“推し”について

2023-04-23 | 推し活

 以前にも書いたのですが、昨年から“推し活”に励んでおります。おかげで、日常にハリとツヤ、、、じゃなく、ハリと楽しみができました。以下、私の“推し”の紹介をさせてくださいまし。


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◆ヴァイオリニスト金川真弓さん

 私の推しは、ヴァイオリニストの金川真弓さん。

 金川さんの演奏を初めて聞いたのは、昨年の2月、N響の定期でヒラリー・ハーンの代役で、だった。代役が立った理由は、もちろん、コロナの“まん延防止措置”。このときは指揮者のパーヴォ・ヤルヴィも入国できなくなり、代わりに尾高忠明さんが振ることに。

 ヒラリー・ハーンは、世界的に実力・人気ともにあるヴァイオリニストなので彼女を目当てにしていた人は多かったんじゃないかなぁ。私は、もう何年も前になるけど、彼女の演奏(チャイコだった)を聴いて、確かに凄かったけど、ゼンゼン感動はしなかったので、彼女に代役が立ったことについては何とも思わなかった。

 ただ、彼女の代役を務めなければならないというのは、結構プレッシャーだろうな、大変だなぁ、、、と心配していた。しかも、曲はバーバーのコンチェルトで、難易度が高い。代役が決まってから本番まではあまり日数もなかっただろうし、こりゃタイヘンだ、、、と。

 金川真弓さんのお名前は、もちろん聞いたことはあった。2019年のチャイコフスキー国際コンクールで入賞(4位)してニュースになっていたので(ちなみに、金川さんのプロフィールはこちら)。ただ、このコンクールでは、ピアニストの藤田真央氏がピアノ部門で2位になって、こっちの方が大々的に報じられていた。その後、藤田さんの演奏は、都響とのシューマンのコンチェルトを聴く機会があったけど、こちらもスゴいとは思ったけど、感動はしなかった(ファンの方スミマセン)。私、なかなか感動しないんです、、、ハイ。

 で、昨年の2月17日、金川さん登場のバーバーのヴァイオリンコンチェルトは2曲目。

 ……いやもう、、、、最初の1音でKOされました。

 何という美しい音、、、。もう、圧倒されて、あっという間に曲が終わっていました。それくらい、引き込まれ、息をするのも忘れていたような気がします。曲自体もとても美しくメロディアスなのだけど、それだけに歌い方も個性が出る。金川さんの奏でるバーバーは、実に艶やかでのびやか、表情豊かで、何より歌心のセンスが抜群に素晴らしい。さらに格別の美音。もう、夢のように美しいバーバーでした。

 私は、ギル・シャハムの同曲のCDを持っていて、大好きな演奏なんだけど、シャハムには悪いが、金川さんの演奏はそれを圧倒していたと思う。

 演奏が終わった瞬間、うわ~~っと込み上げるものがあり、一瞬拍手するのも忘れていたほど。ライヴで感動することは本当に少ないので、これは貴重な貴重なコンサートでした。ギル・シャハムも大好きなヴァイオリニストで、何度もライヴで聴いているけど、こんな感覚になったことは一度もない。ブレハッチのライヴを初めて聴いたときもメチャクチャ感動したけど、比じゃなかった気がする。

 正直、この日の他のプログラムの演奏、ゼンゼン記憶にない、、、ごーん。


◆2回目で完全にハマる。

 その日を境に、私の日常は大激変! ……いや、大げさでなく、ホントに。

 まず、金川さんの出演情報を検索しまくる。で、5月に都響と共演すると知り、すぐチケットを買う。でも、結果的に、私が決定的に金川さんの追っ掛けをすることになったのは、このコンサートだった。

 曲は、バーンスタインの「セレナード」(プラトン『饗宴』による)。あんまり演奏機会は多くない曲だと思うけど、五嶋みどりが生前のバースタイン自身の指揮で演奏し、一躍有名になった曲だったはず。難易度はよく分からんけど、多分、かなり難しいと思う。バーンスタインらしく、曲想がコロコロ変わり、実に面白い曲なんですが。

 で、楽しみに聴きに行って、私はここで、滅多打ちにされた。もちろん良い意味で。

 バーバーとは全く趣の異なる曲で、スコアを見ていないから分かんないけど、おそらく変拍子もかなりありそうだし、技術と音楽性をかなり問われる曲だろうけれど、金川さんは当然暗譜で、あまりにも颯爽と弾ききってしまった。難曲を難曲と聴衆に感じさせないその弾きっぷりに唖然、、、。この人、何者、、、??

 アンコールは確かバッハだったけど、これもねぇ、、、もう凄過ぎで口あんぐり状態。魂を抜かれた感じだった。

 以来、私はゾンビのように彼女の追っ掛けをすることに。

 ……いや、ちゃんと意志を持って楽しく追っ掛けしております。

 Twitterでも、前述のバーバーの演奏はもちろん、バーンスタインの演奏も、絶賛のものがいっぱいあり、やはり皆さん、その完成度の高さに驚愕していらっしゃる様子。……分かるわぁ、、、驚愕するよ、あれは。


◆裏切らない“推し”
 
 そんなわけで、昨夏以来、金川さんのコンサートやリサイタルに、既に7回ほど通いました。

 こんだけ通えば、一度くらい“裏切られる”こともあってもおかしくないのに、これがウソ偽りなく、一度も無いのだ。ホントに、毎回毎回、あの美音と美しい音楽に酔いしれている。今後も、いくつか既にチケット購入済み。ドイツ在住でありながら、日本でも演奏の機会を増やしてくれているのは嬉しい限り。先日は、初のCDも発売になり(もちろん買いました)、今後、さらなるレコーディングも期待したいところ。

 世界中にスゴいヴァイオリニストはゴマンといらっしゃいますが、あの美音に勝る音を奏でるヴァイオリニストは世界広しと言えども、そう多くはないだろうと思いますね。

 演奏のほかに私が良いな、と思うのは、演奏スタイルにもある。無駄な身体の動きがほとんどないし、姿勢がとても良い。人気ヴァイオリニストの中には、パフォーマンス過剰な人は結構いるが、ああいうのは好きじゃない。金川さんは、そういう部分でもとても知性と品性が感じられて好感度高し。

 あと、衣装も。シンプルだけどハイセンスなドレスばかり。同じ衣装を別の演奏会でもサラッと着ていて、そういうところも好きだ。衣装って、やっぱりその人の感性とか如実に表れると思うのよね。

 ……というわけで、最後に、彼女のライヴ演奏動画を貼っておきます。

 これは、昨年9月、サントリーホールで行われた「明電舎presents N響名曲コンサート2022」での、ブルッフのスコットランド幻想曲。もちろん、ライヴで聴きましたが、この動画も何度も聴いてます(全視聴回数のうち200回くらいは私が稼いでいるかも)。特に「Ⅲ アンダンテ・ソステヌート」(15:49~)が有名かな。映画「北京ヴァイオリン」でも使われていた曲です。

 この演奏会のリハの模様を、Cl首席の松本氏がツイートしていたのが印象的でした。「リハーサル2日目は2コマ目にに金川真弓さんをお迎えして「スコットランド幻想曲」を練習しました。あまりの素晴らしさに聴き入ってしまって仕事になりません」……そうでしょうとも。松本氏は、バーバーの際も絶賛ツイートされていました。

 では、どうぞ、この素晴らしい演奏をご堪能あれ!! 

 

 

 

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