NYに向かう豪華客船の中で、世界にその名を轟かせる遊び人ニッキー・フェランテ(ケーリー・グラント)と、クラブ歌手をしていたテリー・マッケイ(デボラ・カー)は出会う。互いに富豪の婚約者がいる身でありながら、惹かれ合った2人であったが、無情にも客船はNYに着いてしまう。
NYに着く前日、ニッキー(=ニコラ)は、これまで自分はまともに働いたことがない身であるが、半年頑張ってみるので、半年後、もし生活が軌道に乗っていたら結婚して欲しい、とテリーにプロポーズする。テリーは、では半年後の7月1日午後5時に会いましょう、会えたら結婚しましょう、と返答する。そして会う場所は、あのエンパイアステートビルの最上階、天国に一番近い場所で、と約束し、互いに未練タラタラ下船する。
下船後、莫大な遺産で大金持ちの婚約者を袖にしたニコラは、絵の才能を活かし、美術商に自分の絵を売ったり、看板の絵を描いたりしながら真面目に生活し、一方のテリーもクラブ歌手に戻って地に足の着いた生活をお互いに送っていた。
そして、約束の7月1日。5時にエンパイアステートビルの最上階にはニコラがテリーを待っていた。エレベーターの扉が開くたびにテリーの姿を探すニコラだったが、、、。
コテコテのメロドラマ、、、。ラストは、意外な展開で、無事ハッピーエンドです。
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最近、もしかしたら痴呆症ではないかと思うほど、まるで記憶にないDVDが送られてきまして、びっくりすることが多いです。本作もそう。なので当然、予備知識ゼロ。
船上での出会いと恋、ってんで、何かシャルル・ポワチエの出ていた映画に似てるな~、、、と思って見ておりました。そしたら、案の定、シャルル・ポワチエ出演の『邂逅』という作品のリメイクだそうで。そもそも『邂逅』なんてタイトルも忘れていたし、内容もぼんやりとしか記憶になく、特に、NY編はまるで覚えていなかったので、見終わった後にネットで情報を見るまで全く分かりませんでした。トホホ、、、。
まぁ、でもおかげで、純粋に本作を見ることが出来ました。
正直な話、私はケーリー・グラントが全然イイ男に見えなくて困りました。何か、ムダに日焼けした感じの肌色だし、お世辞にもあんまり品が良いとは思えないお顔。まあ、世界に名の知れた遊び人という役だから、あんましお上品でもなんだけど、ううむ、、、。しかも、この時の彼は53歳くらいで、横顔のショットなんか首のたるみがすごくて、なんというか、、、あんまし見ている方としてはときめかないんですよ。ライトの当たり具合でやたら顔が黒光りしているシーンとかもあって、歳の割にギラギラのオッサンみたいに見えちゃって、、、。風情のないこと書いてすみません。
対するデボラ・カーは36歳でギリギリ何とか美しさを発揮しておられます。まあ、大人の恋のオハナシということで割り切って見るしかないんでしょうけれど。
いや、、、でも、例えば、下船のシーンとか、2人が迎えに来たそれぞれの婚約者を見ながら目で会話するシーンなんか、もう、オヤジとオバサンがやることかよ、とか思っちゃって、見てて恥ずかしい、、、。実年齢が53歳であろうと36歳であろうと、見た目が若々しければいいんですけど、それなりの見た目ですし。ああいうのは、若い子たちがやるから可愛くて微笑ましいんじゃないかしらん。というのは固定観念、思い込み、なんでしょうけれど、やはりスクリーンには画になるシーンが映っていて欲しいものです。
映画としては、前半より後半の方が見応えあります。すれ違いが起き、2人はどーなるの!? と思って見ていたら、思いがけずニコラの描いた絵が鍵となり、2人はすれ違いの誤解が解け、めでたしめでたしになり、ホッとします。前半で白け切っていた私も、ラストシーンは気付いたら涙しておりました。
でも、なんかちょっと気に喰わないというか。
思いがけない事故でテリーは天国に一番近い場所に行けずじまいでしたが、それで足が不自由になったことで、ニコラの負担になりたくないから本当のことをニコラには伝えない、という彼女なりの意地を通します。これ、どーなんでしょうか。テリーの気持ちも分かりますけれど、ニコラの気持ちを考えたら、たまりませんよ。ニコラには、裏切られたとしか思えません。ニコラを大切に思うのならば、きちんと事情を話すべきでは。こんな勝手な意地のせいで、片方は蛇の生殺しみたいな地獄を味わわされて、たまったもんじゃないでしょ。私がニコラだったら、腹立つと思うなぁ。それに、足の不自由さを負担に思う、なんて、随分信頼されていないものだと悲しくなるかも。
テリーのあまりにもヒドい自己完結ぶりが巻き起こしたドタバタで、ラストこそじーんと来たものの、全体的には「なんじゃこりゃ」でした。
テリーを健気と思うか、勝手と思うか、どちらでしょうか。
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