映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

マスターズ&スレイブス 支配された家(2018年)

2021-10-01 | 【ま】

作品情報⇒https://eiga.com/movie/95125/

 
 以下、wikiよりあらすじ等のコピペです(青字は筆者加筆)。

=====ここから。

 造園家のエヴィ・ミュラー・トッド(カッチャ・リーマン)と整形外科医の夫クラウス(オリバー・マスッチ)は、立派な家で優雅な暮らしをしている。

 ある日、クラウスは酔っぱらってネットの求人広告に“奴隷募集中”と記載し、妻に相談もなく新しいお手伝いを募集してしまう。その翌日、なんと家の前には大勢の“奴隷希望者”が…!

 すぐさま追い出したが、夜になってバルトス(サミュエル・フィンジ)という一人の男がミュラー夫妻を訪ねてきた。彼は様々な資格を持ち、「信頼関係に基づいたやりがいのある奉仕がしたい」と申し出た彼を戸惑いながらも受け入れることに。

 バルトスの極上のサービスはミュラー夫妻の生活をたちまち豊かにしたのだが、バルトスの若い妻や、庭にプールを建てる為にブルガリア人の奴隷も加わり、優雅な暮らしが次第に変化していく。

=====ここまで。

 ドイツ版『パラサイト 半地下の家族』と一部では言われてます、、、が。


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 もう10月。今年もこのままコロナに明け暮れて過ぎて行くのでしょうねぇ。緊急事態宣言は解除されたけれど、きっと次なる波はまた来るのでしょう。何かもう、どーでもいいや、、、的な気分になっております。

 さて、本作をリストに入れた経緯は記憶にありませんが、多分、オリバー・マスッチご出演なのでポチったのだと思われます。日本未公開みたいですね、これ。


◆終盤でガックシ。

 格差社会をドイツらしくアイロニカルに描いている、、、という一般的な評なんだが、“ドイツらしく”ってのが私にはよく分からんが、格差はメインテーマではないと感じた。背景ではあるけどね。

 だから、本作をドイツ版『パラサイト 半地下の家族』というのにはちょっと???である。毒のベクトルの大きさは同じくらいだけど、向きがゼンゼン違う。

 突然現れた、とにかく何でもできる使用人バルトスが、どう見ても怪し過ぎる。誰もが、こいつには何かあるに違いないと思うはず。そして、実際あるんだよ。しかも、それが途中で読めちゃうという、、、。

 多分これ、見る人の大半が読めちゃうんじゃないかと思うが、作り手の意図がイマイチ分からないのよね。見る者に推察されてもいいと思っているのか、どんでん返しを狙っているのか、、、。終盤の盛り上がりからして、恐らく後者だと思うんだけど、その割にはちょっとなぁ……という感じもするしね。

~~以下ネタバレですのでよろしくお願いします。~~

 つまり、バルトスは、クラウスの前のオーナーだったってことね、この豪邸の。私がどこでそうだろうと思ったかというと、クラウスがこの豪邸の前のインテリアについて「センスが悪い」と盛大に腐していて、バルトスがそれをじっと聞いているシーン。バルトスの表情は変わらないけど、カット割りがネタバレのようなそれだったので。

 エヴィは、だんだんバルトスの過剰な“おもてなし”が苦痛になり、クラウスもエヴィの気持ちを尊重して、バルトスをクビにするんだが、ここから壮絶なバルトスの復讐劇が始まる。復讐、つったって、自分の家を盗られた、自分の家のインテリアを貶された、という、全くの理不尽な恨みを抱いてのことなんだが。

 バルトスが家を手放した理由がイマイチ分からなかったんだが、別に、クラウスが不法に家を手に入れたとかではなかったはず。

 で、バルトスはあることをネタにクラウスを脅迫して家を取り戻そうとし、クラウス、絶体絶命!!みたいになるんだが、何と、土壇場でクラウスは脅迫から救われる。この救われ方がね、、、、もうズッコケもいいとこで。つまり、クラウスの予想もしない強力な助っ人が現れて、バルトスとその妻を拉致・監禁してくれちゃったわけ。

 ……ただまあ、その後、バルトスとの最終的な決着のつけ方がエグ過ぎて、私は見てられなかった(もちろん、エグいシーンは寸前で映りませんが。ヒントは“生きたままチェーンソー”です。ウゲゲ、、、)。

 正直、そんなのアリ? って感じやった。クラウスに自力で対決させなきゃ面白くないやん、、、とか。

 最終的に、クラウスはその強力な助っ人によって、家もステータスも失わずに済んだわけだが、この先、この強力な助っ人がクラウスの人生に何らか悪い影響を及ぼすことになるだろうね、、、。何せ、この助っ人は、世界を震撼させるテロリストの親玉なのだから。


◆誰かにかしずかれる生活をするということ。

 他人にかしずかれ、あれこれと気の利いた世話をされることが日常化してしまうと、やはり、人間、勘違いするものなんだろうな、、、と見ていて思った。自分はそれだけのことをされる価値がある人間なのだ、と。世話をする方は“仕事”だからやっているだけなんだけど。

 あと、クラウスの妻エヴィが鬱っぽいというのもミソ。最初は、痒い所に手が届く(かのような)バルトスの仕事ぶりに気をよくしている彼女も、次第に、それが上辺だけであることに気付き、さらに、庭にプールを作るために雇った貧しい外国人労働者たちの日常を目の当たりにすることで、また鬱がぶり返すという、、、。

 精神的に豊かな暮らしとは何か、ってことですかね。……ま、そんなに哲学的な映画じゃないですが。

 ある種のブラックコメディではあるかも知れないが、ラストのオチが悪過ぎるのと、途中からアイロニカルよりはソフトバイオレンス寄りになってしまったのが残念かなぁ。

 マスッチ氏は、ぶっ飛んだキャラを楽しそうに演じておられて、見ている方も楽しかった。『帰ってきたヒトラー』(2015)とはゼンゼン別人のようだった。ほんのちょっと、マッツ・ミケルセンに似ているかなぁと感じたのだけど、、、、違う? バルトスを演じたサミュエル・フィンジが怪しさ全開で良い味出していました。

 まあ、日本で公開されなかったのも致し方ないですね。あまり一般ウケはしないでしょう、これは。悪くないんだけどね。
 

 

 

 

 

 

 

 

自分の世話は自分でした方が良いと思う。 

 

 

 

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