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映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女(2023年)

2025-02-27 | 【す】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv88040/


以下、公式HPからあらすじのコピペです(青字は筆者加筆)。

=====ここから。

 1940 年 8月、ベルリン。18 歳のステラ・ゴルトシュラーク(パウラ・ベーア)は、アメリカに渡りジャズシンガーになることを夢見ていたが、ユダヤ人の両親を持つ彼女にとって、それは儚い夢だった…。

 3年後、工場で強制労働を強いられていたが、ユダヤ人向けの偽造パスポートを販売するロルフ(ヤニス・ニーヴナー)と出会い、恋に落ちると、同胞や家族が隠れて生活する中、ロルフの手伝いをしながら街中を歩き、自由を謳歌していた。

 しかし、ゲシュタポに逮捕されると、アウシュヴィッツへの移送を免れるため、ベルリンに隠れているユダヤ人逮捕に協力を強いられる。生き残るために同胞を裏切ったステラは、終戦後、裏切ったユダヤ人仲間から裁判をかけられる…。

=====ここまで。


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 2月アタマの旅行前にインフルとかに罹りたくなかったので、映画館行きは自重しておりました。だって、ものすごいインフル流行ってたんですよ、東京。なので、本作は1か月半ぶりの劇場鑑賞となりました。まあ、またナチものです。食傷気味だのなんだの言いつつ、見に行ってしまうのでありました、、、ごーん。


◆サバイバルなんかしたくない。

 宣伝の惹句には「“被害者”から“加害者”へ」とある。あの時代、ユダヤ人でも積極的にナチに協力していた人たちは大勢いた。

 ユダヤ警察のように、大っぴらにナチの手足となって動いているユダヤ人たちもいれば、ステラのように、表向きは同胞として振るまいつつ、密告者としてナチの手先となっていた人々もいたわけだ。今読んでいる本『クラクフ・ゲットーの薬局』(タデウシュ・パンキェヴィチ著、田村和子訳、大月書店)でも、密告者の存在が書かれている。

 私は、本作を見ていて、ステラが被害者か加害者かということにはあまりアンテナが働かなかった。全編で、こんな状況でそれでも“生きよう”とするステラに、ただただ驚愕していた。前述の『クラクフ・ゲットーの薬局』にも出てくるが、ゲットーに押し込められていたユダヤ人たちの中には、青酸カリをいつも持ち歩いていた人たちも多かったとある。その類の話はよく聞く。スクリーン内のステラの姿を見ながら、私はそのことが脳内でぐるぐるしていた。

 ステラは度々ナチの親衛隊に「アウシュビッツに送らないで!!」と泣き叫びながら懇願する。そして、密告を重ねる。

 私だったら、、、ナチに拷問される前、取調べを受けると分かった時点で青酸カリを飲むかな、、、とぼんやり考えていた。アウシュビッツに行くのはもちろん嫌だが、ナチに拷問されたり、怒鳴られたり、殴られたり、パシリさせられたりするのも同じくらい嫌である。密告者になりたくないとかではなく、正直、あんな状況で生きていたくないと強く感じたし、私はサバイバル能力がないという自覚があるのだ。

 サバイバルゲームとか映画とかで、一人また一人と死んで行く展開はよくあるけれど、私はああいうの見ていると、一番最初に死んじゃいたいと思うのだ。だって、生き残るほどに苦痛と恐怖が指数関数的に増えるだけじゃん。おまけに、仲間はどんどん減っていくし孤独になる。死んだもん勝ちってヘンな言葉だけど、まあ、そんな感じ。ゲームや映画は、最後に生き残った一人が英雄扱いになるんだけど、現実にそんなことになったら、生き残ったって地獄やろ、、、と考えちゃうのは、悲観的に過ぎるかしらん?

 新卒で就職した同期で、それとは正反対の考えの女性がいて「私は地球が滅んでも最後の一人になる自信がある!」と言うのを聞いて、のけぞった。「だから、大事故とか大災害に遭っても、自分だけは助かると信じてる」と言うのだ。私は「えー、すごいね」としか言えなかったが、生命力が強い人の思考というのは、こういうものなのかも知れん、、、と思った。……その後、その女性は早々に会社を辞めて音信不通になったが、今どうしているんだろう。

 ステラもある意味、その同期のような思考回路の人なのかな、、、とも感じた。死ぬことへの恐怖が強いというより、生きることへの執着がもの凄い。とにかく、どんな状況でも生きようとするのである。「もういいや、、、」ってのがない。これはスゴい。

 『戦場のピアニスト』で生き残ったシュピルマンとは、ステラはまたちょっと違うように感じる。シュピルマンもただただ生きようとするだけなのだが、どこかに諦念があり、“とりあえず生かされているから生きる”という印象である。が、ステラは“とにかく生きるために生きる”なのである。諦念の有無の差は大きいと感じさせられた。


◆チクりはダメですか?

 密告、、、非常に卑劣な行為のように見える。が、人間、いざとなったらいくらでも卑劣になれるんじゃないか、とも思う。

 ステラを批判するってことは、死ねってことと同義だと思うが、密告などしなくても生き残った人もいるではないか、と反論されるだろう。あの状況で、ステラのように“積極的に”生き残ることを考えた人は、大なり小なりナチに協力したんではないか。国外逃亡という手もあるけど、それだって、同胞を見捨てたことと同じ、、、と言えるのでは。だからと言って、批判などできようはずもない。

 独裁社会では、必ず使われる、密告という手法。まんまタイトルになっているクルーゾー監督の『密告』もナチ占領下で作られた映画だが、とにかく社会が暗くなる。そらそうだよね、皆が、家族や友人同士でも疑心暗鬼になってしまうのだから。

 ステラが生きるために喜んで密告に精を出していたとは、、、やはり思えない。それは、戦後の彼女の生き様を見ると、そう思う。最期も自死だしね。

 本作内では、戦後、ステラが裁判にかけられるシーンが出て来て、彼女は完全アウェー状態。ナチの手先として動いていたとき、ステラは1人だけ、密告をしなかった人物がいる。ジャズバンド仲間の男性アーロン。恋愛関係ではないが、彼女はアーロンをナチに売ることはしなかった。できなかったのではなく、しなかったのであり、アーロンのドイツ脱出の手助けもしている。それでアーロンは戦争を生き延びることが出来た。

 アーロンは、戦後、ステラが仲間にして来た裏切り行為を知って「君は怖ろしいことをして来た」「悔いてくれ」と冷たく彼女を突き放すのだ。けれど、ステラもジャズバンド仲間の女性に密告されている。彼女は多くの同胞を裏切ったが、裏切られてもいる。裏切った数の方が多ければ、裏切られたことは相殺されるのか。

 私がアーロンだったらどうするかなぁ、、、と考えてしまった。彼女の密告によって、自分の大切な人たちが収容所送りにされていたら、やはり許せないだろうか。でも、自分は彼女によって助かっているのだよなぁ、、、。あんな風に彼女を切り捨てられるだろうか、、、せめて裁判で、自分のことは密告しなかった、彼女のおかげで命拾いした、、、という証言くらいはしたかも知れない。

 密告というとおどろおどろしいけど、要はチクりである。チクりなんて、平和な世の中でも日常茶飯事やん。

 チクりというとネガティブ感が強くなるが、これが「内部告発」となると、急に意味が変わるのだよな。往々にして、内部告発者は卑怯者のレッテルを貼られるそうだが、卑怯者の最たる者って、チクりを歓迎し、内部告発を毛嫌いする人やない? 卑怯というより、卑劣か。そんな奴だから、人にチクりを強要し、人に告発されると逆切れするんだよって、どっかの知事見てると思うよね。


◆その他もろもろ

 ステラのパウラ・ベーアは相変わらず体当たり演技であった。彼女はあまり好みではないのだが、本作を見ても印象は変わらなかった。序盤のジャズシンガーとして歌っているシーンは良かったけど。

 中盤で登場するロルフを演じるヤニス・ニーヴナーは、やはり美しい。ワルいヤツが妙にハマっているヤニスくんであった。「コリーニ事件」(2019)ではSSの将校を演じていたが、本作ではユダヤ人役。ベルリン大空襲のシーンが良かった。爆弾が雨霰と降って来る中で狂ったように踊るロルフとステラ。狂気そのものの時代と社会そのまんまだった。

 パンフに載っているステラ・ゴルトシュラークの年表を見ると、かなり忠実にそれに沿って本作は進行しているようである。戦後の展開は若干違うようだが。前述したが、戦後の彼女はやはり少し壊れていたのだと思われる。家族のため、生きるためとはいえ、やはり、彼女のあの行動は、彼女の精神に相当な負荷がかかっていたことの証左だろう。

 しかし、、、ナチもの映画はあとどんくらい作られるんでしょうか。そして、私はあとどんくらい見るんでしょうか??
 

 

 

 

 

 


ステラは、改宗し、反ユダヤ主義を標榜するようになった。

 

 

 

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愛する映画の舞台を巡る旅VII ~冬のフィンランド湾を渡る~ その②

2025-02-22 | 旅行記(海外)

**タリン(エストニア)**vol.2

 
その①につづき

 小さなタリン空港を後にし、バスに揺られて10分ちょっと、9時前にホテルに到着。

 もちろんチェックインはまだできないので、荷物を預けて、一休み。まだ朝早いので、ホテルの地下に直結しているというスーパーは開いていなくて、道を挟んで反対側に、24時間スーパーがあるという。「機内食が少なくてお腹が空いている人は、何か買ってきて腹ごしらえしても良いですよ」とのN子さんの言葉で、迷わずスーパーへGO!

 

左:白い建物がホテル/右:トラムの行き交う通りを渡って、、、スーパー・Rimi(H&Mロゴの上にあるRimi)へ

 エストニアではメジャーな24時間(?)スーパー・Rimi。モールの地下にあり、店内はまあまあ広い。

 あまり時間がないので、一回りして、すぐに食べられそうなパン(シナモンロールとクロワッサン)と、ロシアのお菓子スィロークみたいなチーズチョコ菓子をゲット。セルフレジでモタモタしていたら、係の愛想の無いおばさまが全部会計してくれる。シナモンロール1.55€、クロワッサン0.65€、スィローク0.69€。

 ホテルに戻り、ロビーでシナモンロールにパクつく。お腹が空いていたからか、肝心のシナモンロールの写真を撮り忘れ、、、がーん。この旅行でシナモンロールは3個食べたけど、このスーパーで買ったシナモンロールが一番好みだった。食感がモチモチしていて、シナモンの効き具合もちょうど良く、、、。写真を撮り忘れたのに気づいたのは食べ終わってから、、、。

 

左:仕方がないので、クロワッサンだけ撮りました/右:スィロークみたいなチーズチョコ菓子

 チーズチョコ菓子(ほかにココナツ味、ストロベリー味もあった)は想像通りの味で、美味しかった。あまり時間もないので味わっていられなかったのが、ちょっと残念。


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 9時半。いざ、街歩きに出発。現地ガイドは、東京出身のC子さん。エストニアの方と結婚されて、タリンに住んで10年以上だとか。

 ホテルから旧市街の入り口ヴィル門まではすぐ。

 

左:ヴィル門前では花屋さんがいっぱい、、、/右:ヴィル門から来た道を臨む(奥に見える白い建物が宿泊したホテル)

 

玄関の上に滑車がついている

 

 C子さんの解説を聞きながら、ヴィル通りをゆるゆる歩く。

 まずは聖ニコラス教会へ。中世に建てられた教会で、第二次大戦中はソ連の爆撃に遭ったり、それ以外にも火災に遭ったりなどしたらしい。

 

ユニークな外観、、、。窓がカワイイ

 現在は、多くの美術品を収蔵しているとのことで、コンサートも開かれているのだとか。数年前に美術館(博物館?)として整備されて、塔にもエレベーターで上れるようになったそう。

 ガイドのC子さんが、ここに展示されている絵画「死の舞踏」は一見の価値あり!と激推し。でも、朝早いのでまだ中には入れない、、、。

  

 ……ので、再び歩き始める。

 

店先がとにかくカワイイ

 

皆が覗いているのはこちら(開店前の雑貨屋さんの可愛いディスプレイ) 

 「短い足」という意味のリュヒケ・ヤルク通りをゆるゆる歩き、デンマークの王の庭へ。

 13世紀、侵攻してきたデンマーク軍を打ち負かそうとしたとき、この庭に空から旗が舞い降りてきて形勢が逆転し、デンマークが勝利を収めた、、、んだとか。その旗がデンマーク国旗になったのだそうだが、その後、デンマーク統治下に入ったのだろうが、ドイツやロシア、スウェーデンに支配され、エストニアの歴史もなかなかに厳しい。

奥の丸いのが「乙女の塔」。カフェや博物館があるらしい

 

 この広場には、マントみたいなのを被った大きな像が3体あって、これは幽霊なんだって。タリンの美術学校の学生さんたちが制作したものの中からコンペによって選ばれたのだって。幽霊が出るという噂を基に造られ、このマントの中は空洞で、映画「インビジブル」を思い出した

 屋台でナッツを売っていた。一番右のを試食させてもらったけど、香辛料が効いたピリッとした味だった。

 また、ゆるゆる歩いて、アレクサンドル・ネフスキー教会へ。

 こちらは、中に入ったのだけど、撮影禁止だったので画像はナシ。、、、だけど、ロシア正教なので、ロシアで見た正教会の内部とよく似ていた。ちょうど聖歌隊が歌っていて、お祈りしている人たちも結構いた。

 そして、こちらの売店で、またロシア正教の聖歌隊のCDを買ってしまった。8ユーロ。ついでに美しい絵葉書も(0.5ユーロ)。

 で、教会を出たその目の前にあるのが、トームペア城。今は、国会議事堂として使われている。あの元大関・把瑠都も議員時代はこの辺で時々見かけたとのこと。

 エストニアが独立した後、国会議事堂の前にロシア正教の教会が建っているのはどうなのか、、、という議論が巻き起こったらしい。そもそもアレクサンドル・ネフスキー教会は、ロシア帝国がその権威を示すために建てたもの。一時は、教会を取り壊すという話も現実味を帯びたらしいが、ロシア系住民も多い上、ソ連支配の暗黒時代も歴史の一部には違いない、、、という冷静な結論に落ち着いたとのこと。

 このトームペア城にある塔は、「のっぽのヘルマン」と呼ばれていて、ここにエストニアの国旗が掲げられていることは、エストニア人にとっては誇りなのだと、C子さん。

 お次は、展望台へ。トームペアの丘へと向かう。

聖母マリア教会の前を通り、、、

 旧市街を一望する展望台に到着~。

 

右:これは展望台のすぐ横にある政府機関の建物

 この辺りから、だんだん寒さを感じるように、、、。気温はマイナス1度くらいだったと思うが、ず~~~っと外にいるからか身体が冷え切って来る感じ。

 展望台から降りて来て、チョコで有名なお店マイヤスモックを覗き、、、

 

左:マイヤスモック/右:その前にあるのは、聖霊教会。

 

左:店内にはマジパンで作った小物がいっぱい展示されていた/右:マジパン小物の制作中 

 

 ラエコヤ広場へ出て来て、ぐるりと見回してから、ようやく昼食へと向かう。あーー、、、ちかりた。


その③へつづく

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愛する映画の舞台を巡る旅VII ~冬のフィンランド湾を渡る~ その①

2025-02-18 | 旅行記(海外)

**タリン(エストニア)**vol.1

 
 コロナ禍直前にロシアに行って以降、人流復活後もヨーロッパは心理的に遠く、ようやく行ってみようという気になりました。……とはいえ、私が今のところ一番行きたいのは、アイスランド!!なんだけど、なかなか良さそうなツアーがない、、、ごーん。小心者の私としては、やっぱし初めて行く所はツアーが良いのです。

 と思ってネットを眺めていたら目に付いたのが、女性限定おひとりさまツアー。この女子ツアーはインドでも利用したけど、非常に快適だったので、アイスランドじゃないけど同じ(?)北欧だし、一都市だけどバルト三国にも行けるし、イイかな、、、でもちょっと考えよう、、、と思って、数日後に同じサイトを覗いたら、何と満席でキャンセル待ちになっているではないか!! そうなると急に行きたくなるのが人情。仕事がらみで時期的に迷ったものの、ダメ元だと開き直り、どうやら勢いで申し込んでいたらしい。

 ……らしい、というのは、実はその後「キャンセルが出ました」と旅行会社から電話をもらうまで申し込んだことを忘れていたのです。え、、、私、あの時申し込んでたんだ、そっかー、そうだったんかー、、、「あ、ハイ、行きます、行きます!!」と返事をしたのが11月末頃。

 というわけで、大した思い入れがあったわけではなく、とにかくもう、仕事でウンザリすること続きだったのもあって、ヤケクソに近い現実逃避の旅と決め込んで、予習もそこそこに、いざ出発の日を迎えたのでありました。


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 出発は成田。23:10発ヘルシンキ行きフィンエアー74便。集合は、20:40。仕事はヤマを越え敗戦処理が残っていたので、その日は普通に出社し、仕事を終えてから成田へ。

 事前に添乗員のN子さんから電話で、集合時間より早く来過ぎても云々と言われていたので、19:00過ぎには空港についていたけど、両替したり、おにぎり食べたり、本読んだりしながら20分前くらいに集合カウンターへ向かう。

 と、係の女性が「お客様、○○様ですか?」といきなりの名指し。え、、、何で分かるの??と思ったら、どうやら、私が集合最後だったらしい。早く来るなって言われたから、それでも20分前に来たのに、んじゃあもっと早く来て荷物さっさと預けたかったゼ、、、と内心思いながらも、テキトーに愛想笑いをしてフィンエアーのチェックインカウンターへ。

 webチェックインしていたので、荷物だけ預けて、手荷物検査を経て出国。あー、ヤレヤレ。でも、このツアー、初日が一番キツいスケジュール。夜中に出発、早朝現地着、そのまま夕方まで観光(しかもほとんど徒歩)、、、機内でまともに寝られないのを考えると、まさに殺人的。正直、出発前から少々憂鬱だった。

 搭乗時刻少し前に添乗員のN子さんから諸々説明があり、ツアー参加者は19名、ヘルシンキはスリが多いから気を付けろと何度も注意される。もう22時半を回っていて疲れていたし眠かったので、あんまし話を真面目に聞いていなかった(ごめんなさい)。その後、座席が窓側なので、搭乗前に2度もトイレに行く。ついでに化粧も落として歯磨きもした。夜出発の便に乗るのは、久しぶりだ、、、。


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 今回のツアーを選んだのは、往復がフィンエアーだってのも大きかった。一度乗ってみたかったのよ、フィンエアー。機内はマリメッコで統一されていると聞いていて、ちょっと楽しみだった。webチェックインのときに窓際でガーン、、、と思ったが、comfortシートとやらでエコノミーだけど足元が少し広めらしいので、3列の真ん中よりはいいか、、、と(席替えは有料なので)。

 エアバスA350にいざ搭乗してみると、、、ハレ、、、?マリメッコやないやん!? いたってフツーの機内。シートもご覧の通り。足元は、、、まあ多少広いかな。3-3-3の席並びで、窓側の33A。マリメッコ機は期間限定だったらしい。

 

 ずーっと真ん中に人が来なかったので、これはもしや空席?ラッキー!と思った瞬間、ほぼ満席の機内でそんな訳はなく、女性がやって来た。まあ、でかいオッサンじゃなかったのはラッキーなんだが、この女性、席に着くなり靴を脱いで靴下に履き替えるわ、化粧落とし始めるわ、エアピロー膨らますわ、、、でくつろぐ準備を着々。うぅ、、、落ち着かない(ちなみに、この方、ヘルシンキまで途中数時間を除き割とずーっとこんな感じだった)。

 それにしても、フィンエアーのCAさんたちは皆さんデカい! コスチュームは紺でシンプルなデザインだけど、オシャレやった。あの体格の人が着るから映えるのだな、多分。

 モニターにフライト概要が出て、機内食のメニューもこちらで見られる。チキンかビーフか選ぶのだが、しばらく和食を食べられないので、敢えて和食のチキンにしてみた。 

 

 しかし、、、ショボい、この見た目。量も少ない。私はこれでそこそこお腹も膨れたが、大の男はこれじゃゼンゼン足りないんじゃないの??と思うくらいに少量だった。味は悪くないけど、美味しいともちょっと、、、。ペーパーナプキンだけマリメッコで、何とも期待外れな食事。ドリンクも食事中一度だけしか回って来ない。食べ終わってもなかなか容器の回収に来ない。別に良いけど、かなり割り切ったサービスなのだな、さすが北欧(?)とヘンに感心。

 眠いけど、すぐに眠れそうにもないので、映画を物色。お、「陪審員2番」があるやん!ラッキー!!と思って見始めたけど、何と、日本語字幕がない。タイ語はあるのに、、、、。ほかにも、日本語字幕のない映画が多くて、機内で頭を使うのは不可能、英語字幕なんかとても読む気にならん、、、というわけで、邦画一択。草笛光子主演「九十歳。何がめでたい」を選択。期待はしていなかったが、うぅむ、、、という感じで。感想はまたいずれ。

 その後、少し寝たみたいだけど到底熟睡はできず、また映画を探すも、これといったのが見当たらない。で、音楽を見ると、古いのから新しいのまで洋楽がイロイロあるが、さすがフィンエアー、シベリウスチャンネルなんてのがあるのを発見。有名どころがラインナップされているので、聴いてみたが、そのままウトウトしたらしい。

 気が付いたら機内が明るくなっており、朝食が配られる。あまりに小さなボックスが手渡されてビックリ。飲み物はブルーベリージュースを所望。……しかし、この食事の量の少なさはちょっとなぁ。味は悪くないけど、これじゃあこの後の観光が心配だ。あ、ブルーベリージュースは普通に美味しかった。

 で、片付けなどバタバタしているうちにヘルシンキに到着、、、。朝5:30頃でまだ真っ暗。

 


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 ここで、タリン行きに乗り換える。

 

左:ガラス張りでキラキラに見える乗降口/右:日本人が多いのかトイレに日本語表記

 

 タリンまでの飛行時間はわずか30分。乗り換えに2時間もなく、手荷物検査もかなり厳しい上に、入国審査のお姉さまが入念な審査をする方でかなりギリギリに。

 

 広いヘルシンキのヴァンダー空港内をひたすら歩いて搭乗口へ行くと、もう搭乗が始まっている。

 再び窓側になり、今度は現地の人と思しき若くてガタイの良いお兄さん。機体はATR72、狭いけど30分なら平気。

 

 滑走路直前まで行くと、なぜか飛行機が止まり、向こうからでっかい車が近づいて来る。え、翼にぶつかるやん、、、ヤバくない??と思って見ていたら、いきなり放水を始めるではないか。

 ご覧のとおり、びしょ濡れの窓。景色を眺めようと思っていたのにぃ、、、。

 これって、雪を落とすとか、氷結を防ぐとか、そういう意味の放水なんですかね? ネットで調べたけどそれらしいものがヒットしなくて分からない。雪はゼンゼンなかったけれど、、、。

 その後、普通に離陸し、本当に、あっという間にタリンの空港に着陸。

  

左:反対側の窓からは美しい朝焼けが見られたとか/中:タリンの街並み/右:(おそらく)ウレミステ湖、凍っている

 

 

ホントにあっという間に着いたタリン空港

 

左:空港のロビーのオブジェ(presidentとか見えるので偉い方々なのかと)/右:椅子がカワイイのだ

 

 あー、、、疲れた。やれやれ、、、などと言っていてはいけない。この後、バスでホテルまで行って荷物を預けたら、いざ観光なのだ。ひょ~~。

 

 

その②へつづく

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