毎年、桜の季節は憂鬱になるのが年中行事みたいなもんなのですが、今年はかなり酷い、、、。まあ、原因は分かっているのです(仕事、、、)。なので、気分転換しようと、映画はちょいちょい見に行っているのだけど、なかなか感想を書くのが追い付かない。……と、いつも言い訳している気がするのですが。
もう、見てから大分時間が経ってしまった映画2本の感想を、備忘録を兼ねて書いておきます。
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◆教皇選挙(2023年)
作品情報⇒https://press.moviewalker.jp/mv88105/
《あらすじ》 キリスト教最大の教派であるカトリック教会の最高指導者にしてバチカン市国の元首でもあるローマ教皇が亡くなった。悲しみに暮れる暇もないまま、ローレンス枢機卿は新教皇を決めるための教皇選挙を執り仕切ることに。世界中の強力な候補者たちが集い、システィーナ礼拝堂の中で極秘の投票が始まる。選挙をめぐる陰謀や差別、スキャンダルが渦巻くなか、ローレンスはある秘密を知る。
~上記リンクよりコピペ~
オスカーにもノミネートされ、何かと話題になっていたので気にはなっていたのだけれど、劇場まで行くべきか若干迷った。けどまあ、レイフ・ファインズ昔好きやったし、なんかセットも豪華そうやし、スクリーンで見ておくか、、、と、公開されて割とすぐの時期に見に行った。公開直後なのに、か、だから、かは分からないけど、ほとんど満席だったのでビックリ。
で、噂に違わぬ、いろんな意味で豪華な作品で楽しめた。……けど、じゃあ、良かったかと聞かれれば、別に、、、って感じかなぁ。
何というか、あのラストの展開により、オチが全てな映画になってしまったような感があり、ちょっと白けてしまったのだ。ベニテスが現れたときに、これがジョーカーかと、きっと誰もが予想しただろうが、それにしては、、、、と思っていたらのラストのオチ。
うぅむ。これって、21世紀の今だからこその展開じゃないんですかね? カトリックのタブーをああいう形で破る、、、という。それ自体は面白いと思うし、良いのだけど、そう来たかぁ、、、、、、、、、、、ごーん。って感じだった、私の頭の中は。
公式HPのネタバレ解説を見たら、このベニテスは、「フランシスコを意識していることは明らかだ」と書いてあった。そのフランシスコが亡くなったというニュースに衝撃が走ったが、話題を呼んだ映画と、現実が、まるでパラレルワールドのように展開するという、事実は小説よりも奇なりを地で行くリアル。
キャストもセットも衣装も超豪華、ストーリーはよく考えられてサスペンスフル、エンタメ要素もてんこ盛りで、映画として十分素晴らしく、スクリーンで見て正解だったと思う。思うが、何か物足りなかったのも事実。
というわけで、あまり感想を書きたくなる映画ではなかったってことで、“まとめ”扱いでスミマセン。
……あ、レイフ・ファインズが想像以上にヨボヨボになっていて、まあまあショックだった。
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◆ドマーニ! 愛のことづて(2023年)
作品情報⇒https://press.moviewalker.jp/mv86029/
《あらすじ》 1946年5月、戦後まもないローマ。3児の母デリア(パオラ・コルテッレージ)は家族とともに半地下の家で暮らしている。夫イヴァーノ(ヴァレリオ・マスタンドレア)はことあるごとにデリアに手を上げる。意地悪な義父オットリーノ(ジョルジョ・コランジェリ)は寝たきりで介護しなければならない。夫の暴力に悩みながらもデリアは日々家事をこなし、いくつもの仕事を掛け持ちして家計を助けている。多忙で過酷な生活を送る彼女にとって唯一、心休まるのは市場で青果店を営む友人のマリーザや、デリアに好意を寄せる自動車工のニーノ(ヴィニーチオ・マルキオーニ)と過ごす時間だった。そんなある日、母デリアの生き方に不満を感じている長女マルチェッラは、裕福な家の息子ジュリオからプロポーズされる。彼の家族を貧しい我が家に招いて昼食会を開くことになるマルチェッラ。やがて、デリアのもとに一通の謎めいた手紙が届き、彼女は新たな旅立ちを決意する……。
~上記リンクよりコピペ~
気になっていたので、他に見たいものもあったし、ついで、、、と言ってはナンだが劇場まで行ってきた。
……というか、いきなりのビンタでドン引き。夫婦で寝ているベッドで、朝、妻が起きて、夫に「おはよう」と言ったら、返事代わりにビンタ、、、って、私なら即離婚や。と思ったけど、この時代、そうもいかなかったのだろうな、、、辛い。
デリアの夫のDVは近所でも有名らしく、皆「……また始まった」と眉をひそめつつも、誰も止めには入らない。ヨソの家のことには首を突っ込まない、、、のは分かるが、下手すれば妻が死にかねないような状況で、なぜ誰も介入しないの??と疑問に思ってはいけないのだろうな。
娘がデリアに「何で抵抗しないんだ?」と言って反抗的な態度をとる。デリアにしてみれば、これはかなりキツい状況だろう。家族の中で、誰もデリアを思いやる人がいないのだ。孤立無援。でも、私が娘の立場でも、同じことをデリアに言うだろうな、、、とも思う。やられっ放しの母親を見ていれば、イライラするだろう。
そんな娘が連れて来た成金の息子が、また絵に描いたようなドラで、案の定なオチが待っている。成金息子の正体を見破っていたデリアにしてみれば、胸を撫で下ろす展開だが、娘が悲劇のヒロインになるのも無理からぬ。
本作の鍵は、デリアに届いた手紙が、誰からの、どんな内容の、、、だったのか、である。そして、観客を微妙にミスリードするシナリオ。すわ、デリア、ニーノと駆け落ちか!?
~以下、ネタバレです。~
デリアが意を決して家を出たとき、ドアの前で、その手紙を落としてしまい、私は手に汗握った。それをDV夫が拾い上げて見る。憤怒の表情。嗚呼、、、。もう、ドキドキ。
でも、どう考えてもデリアが駆け落ちしたとは想像しにくく、デリアが歩幅広く歩く姿も、およそこれから男と駆け落ちする、、、という風ではない。
なにやら、人が大勢集まっている広場のようなところへ辿り着くデリア。んん??駅??いや、違う。デリア、ここで、手紙を落としてしまったことに気付く。ヤバい!!! 夫もデリアを追いかけて来て広場に到着している。あーーー、デリアぁぁぁ
と、叫びそうになったとき、ふと、デリアの背を叩く手が。振り返るデリアの目に映ったのは、DV夫……ではなく、娘だった。娘は、デリアの勇気を後押ししに来たのだ。
彼女が来たのは、投票所。イタリアで女性が参政権を得たのは1946年というから、まさに、本作で描かれている投票は、女性たちにとって初めての投票だったのだろう。
男尊女卑の描写がずーーーっと続いた挙句の、終盤のこの展開は少しだけ胸のすく思いでもある。けれど、DV夫は変わらないだろうし、デリアを取り巻く状況が、1票を投じたことで劇的に変わることもないだろう。
デリアを演じたのは、監督も務めているパオラ・コルテッレージ。あまりにも理不尽な女性の置かれた状況を、コミカルなタッチで描くことで、より理不尽さを浮き彫りにした点が素晴らしい。手紙を、ニーノの駆け落ちのお誘いにミスリードするシナリオはイマイチ好きじゃないけれど、スリリングな展開は見ていて引き込まれる。
イタリアで大ヒットしたというのも納得。
因みに白煙が上がった(教皇が選出された合図)瞬間、大きなどよめきが沸いたと同時に、面白い光景がサン・ピエトロ広場の大スクリーンに映し出され、ネットミームになってます。↓上手く貼れたかな?
https://www.youtube.com/watch?v=Q8Vbrew8Owk&ab_channel=Skytg24
『ドマーニ…』のラストは一瞬ドキッとさせましたが、ああよかった~と胸を撫でおろしました。監督・主演のパオラは、デビュー当時、物真似芸人でメチャクチャ面白かった。歌も上手いんです!内輪ネタで面白さは伝わりませんが、雰囲気だけでも…↓
https://www.youtube.com/watch?v=2_4r7sHuyEs&ab_channel=Gialappa%27sBand
最初の動画「この動画は、お住まいの国では公開されていません」という無慈悲なメッセージがっ!!!
見られないとなると、無性に見たくなる、、、(;_;
パオラさんの方は見られました!
よく分からないけど、どなたのモノマネなのでしょうか(……と聞いても分からないと思いますが(-_-;)
ホント、歌が上手い! 可愛い!! お若い頃ですかね?
途中で本(?)を広げているのは……? ヘンなオジサンも出て来て本を持って踊っているし、、、シチュエーションを知りたいです!(^^)!
隣の男性(髪型が、、、)、城田優に似ていると思っちゃいました。
画像が粗めで余計に(^^♪
教皇選挙、こちらでは大ヒット上映中が続いているみたいです。
現実の選挙は、思いのほか早く決着がつきましたね。
現地ではどんな受け止めなのでしょうか? よろしければ、また教えてください。
大半のイタリア人は(私も)今度こそイタリア人と思っていました。史上初の北米の枢機卿が選ばれ、白煙が上がった瞬間は、まだどこの国の枢機卿か発表されないので大歓喜、北アメリカ出身と聞いてテンションダダ下がり。
ノーマークだったので、レオ14世の経歴発表にやや手間取ったようですが、北米人とはいえ欧州から南米までの血を引いているマルチ国籍で、ユニークな経歴があり、前教皇に比べると保守的路線と言われますが、温和で気さくな教皇です。
時間が経つにつれ親近感が増し、新法王に期待が高まっています。虎ンプの暴走を止めてくれるといいのですが。記事とは全く関係ないことをダラダラ書いてごめんなさい。一番見て欲しかったのは、カモメの雛です
かもめの動画は、こちらでもX(Twitter)のTLで流れてきました!
白煙が出て、大歓声に親鳥(?)がちょっと驚いたのか、雛から離れてしまって、その後、雛がコケているみたいに見えたのが可愛かったです。
あの瞬間、世界一有名なかもめの親子になりましたね(^^♪
北米出身と聞いたときは、え゛ー、と思いましたが、経歴を知ると、虎ンプの思惑が外れた様で、とりあえずはホッとしました。
でも、やはりイタリア人の教皇を待ち望んでいるのですね、イタリアでは。
そりゃそうですよね。
映画友が、映画の教皇選挙の予告がほぼ英語だったのを見て「イタリア語だったら絶対見たいのに」と言っていたのですが、実際に映画を見てみたら、バチカンがそれだけ国際化しているってことなんだな、、、と分かりました。
どんな教皇になるでしょうか。個人的にも(映画の影響か)注目しています。