映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

乙女の祈り(1994年)

2021-03-01 | 【お】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv10939/

 

 学校で浮き気味の女子高生ポウリーン(メラニー・リンスキー)は、イギリスからの転校生ジュリエット(ケイト・ウィンスレット)と趣味や志向が一致し、意気投合。2人だけの世界にのめり込んで行く。

 しかし、2人の両親は、2人のあまりにも距離感のない関係を「レズビアンなのではないか?」と疑い、引き離そうとする。ジュリエットの両親の離婚に伴い、ジュリエットは母親と南アフリカへ行くことになり、2人が離れ離れになることが決定的に。ポウリーンは被害妄想が肥大化し、母親さえいなければ自分も南アに行けると思い込み、ジュリエットと南ア行きを実現させるため、ある計画を実行することに……。

 ミステリー作家アン・ペリー(モンク・シリーズ等が代表作)が起こした殺人事件が元ネタ。ケイト・ウィンスレットの銀幕デビュー作&ピーター・ジャクソン監督が足場を固めた作品。


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 ネットでたまたま本作のことを知り、ちょっと見てみようかなと思って借りてみました。同じ元ネタでは、『小さな悪の華』(1970)もあるが、本作の方が雰囲気は明るいし、ラストも大分違う気がする(『~悪の華』の方をあんまし覚えていないので、、、)。


◆女子物語

 まあ、10代の女子にありがちなオハナシと言ってしまえばそれまでなんだが、、、。女子高生くらいだと、別に同性愛だとかゼンゼン関係なく、仲が良いと手を繋いだり、腕を組んだりとか、別に普通にあるわけですよ(私も腕組むのはありましたねぇ。手を繋ぐのはなかったけど)。

 ただ、女子同士で妄想の世界に浸るのは、私は中学で卒業していた気がするなぁ。中学生の頃は、友人が書いた詩を読まされたり、手紙を交換し合ったり、、、なんてことはやってましたね。高校でも、3年生のときに初めて同じクラスになった女子に手紙を渡されたことがあり、「え゛、、、、高3にもなってまだこんなことやる人いるのか?」と内心ちょっと驚いたけど、一応返事を書いたら、また書いてきて、、、ってのが数回あった。けど、せいぜいそんなもんだった。

 なので、本作のポウリーンとジュリエットみたいに、誰かと妄想の世界を共有するっていう経験は私にはないが、そういうことが10代の女子にはありがちだということくらいは分かる。私の場合は誰かと共有していなかっただけで、一人で妄想に耽っていたから。それを、複数で楽しんでいる人がいたとしても不思議じゃない。

 それにしても、この2人の妄想ぶりはなかなかのもんである。別世界での別名まであって、そこでは王女様になっていたりする。しかも、その世界での他の人物は、彼女たちが粘土細工している。で、それが実物大になって、彼女たちの別世界をちょっとリアルっぽくしているんだが、CGのない頃にどうやって撮影しているのか? エンドロールで、ミニチュア作成のスタッフ陣の名前が並んでいたので、ミニチュアで撮影しているのかな。

 妄想の世界は、自分たちの理想の世界。ウザい親もいない。いるのは架空の(粘土で出来た)王子様とか、、、。ここまで妄想に浸れるとなると、確かに、あのような結末になるのもあり得るかも、、、と思える。

~~以下、結末に触れています~~

 どんな結末か……まぁ、リンク先にもwikiにも書いてあるから書いてしまうが、ポーリーンの母親を撲殺するんです。レンガを靴下に入れて、その靴下を振り回して一撃した後、倒れた母親の頭部を何度もレンガで、、、。

 とはいえ、描写としては全くグロはありません。血まみれになるくらい。

 なんというか、殺された母親は、特別ヘンな母親ではなく、ごくごく真っ当な、良いお母さんだった。あれで殺されたんじゃ、世界中で殺されるお母さんがいっぱいいそうだ。とにかく、いくら妄想が過ぎるとはいえ、行きつくところを突き抜けて行っちゃった、、、て感じ。


◆その他モロモロ

 で、ケイト・ウィンスレットが演じたジュリエットが、実は、アン・ペリーその人だ、と、本作が公開されたことで公になったのだというのだからオドロキ。私は、アン・ペリーの名は知らなかったし、モンク・シリーズも存在は知っているが、読んだことはないので、へぇ~、という感じだったが、ミステリー好きには衝撃だった様だ。

 彼女自身は、この事件については、「どうかしていた」みたいなことしか言っていないらしいが、まあ、確かに他に言い様もないのだろう。

 究極のモンチャイ、人殺し美少女・ロザリンドとはまたゼンゼン別の少女物語ですな、これは。実際、彼女らはその後、刑罰を受けて、正気に戻っている様子。特にジュリエットの方は。ポーリーンのその後はイマイチよく分からないが、ひっそりと暮らしているそうなので、特段、変わった性質というほどでもないのだろう。

 銀幕デビューしたケイト・ウィンスレットは、当時二十歳くらいですかね。既に、二十歳に見えない貫録が、、、。まあ、確かに若いですが。彼女の演じるジュリエットは、でも、かなりマトモに見える。ちょっと、妄想の世界でお遊び、、、という程度にしか見えない。だから、ラストの人殺しに至るのは、彼女に関してはちょっと飛躍がある感じがしてしまう。

 そういう意味では、ポーリーンを演じたメラニー・リンスキーの方が、ヤバさが出ていて良かった。

 同じ元ネタの映画なら、私は、冒頭に挙げた『小さな悪の華』の方が好きかな。本作より陰惨だけど、背徳感が全編漂っている雰囲気が良かった。もう一度見たくなってきた、、、。

 

 

 

 

 

 


女子のじゃれ合いは、通過儀礼みたいなもんです。

 

 

 


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コメント (4)
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