映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

愛する映画の舞台を巡る旅Ⅱ ~ハノイ(ベトナム)~その⑤

2018-10-27 | 旅行記(海外)
**美しいエリアーヌの愛した仏領インドシナ** vol.5
 




 その④につづき

 さて、最終日は、午前中がオプショナルツアーのバッチャン村観光&フレンチランチ、15:05発の飛行機で帰国、という予定。

 バッチャン村は、陶器づくりで有名なハノイ郊外の村。朝、8:00にホテルを出発。バスが出発するなり、現地ガイドのタカさんのスピーチ開始。

 「皆さんおはようございます。これから、お婆さんしかいないバッチャン村に参ります。ジッチャン村は、またいつか機会があればお連れします」

 ……と、いきなりおやじギャグ。きっとこれ、毎回使っているんだろうなぁ、と思いながらも、一生懸命喋ってくれるので笑ってしまった。

 バッチャン村が焼き物で有名になったのは、まあ、当たり前だけど、そこで焼き物に適した土が取れるから。レンガ造りが盛んだった(今もかな)村だとか。

 
再びホンサン川を渡り……


 昨年の夏は大雨で、この川が溢れて村全体が水に浸かったんだとか。タカさんは、そんな中、ボートでお客さんをバッチャン村ツアーに連れて行ったのが、お客さんもすごく喜んでくれて、とても楽しい思い出だ、、、と話してくれたのだけれども(それも、同じ話を2回してくれたので、よほど思い出深い出来事だったのだと思われるが)、ボートで焼き物店巡りって、……すごい、、、。この川はよく溢れるので、「みんな慣れています」とタカさんは言っていたけど、そういうものなのかしらん。

 40分ほどで、バッチャン村に着き、とある工房に。2階までが店舗で、3階から上が工房という造り。


型抜きから焼成の過程を説明され……


 左の型抜きから、第一焼成、絵付け、第二焼成と進むにつれて、ほんの少し縮んでいるのがお分かりでしょうか。

 私、実は、名古屋のノリタケの工房や、ドイツのマイセンの工房にも行ったことがあって、ほとんど同じ説明を受けたのですよ。焼き物の工房って、こういう説明が定番なのねぇ、、、と妙に感心(?)してしまった。どこでも必ず「こんなに縮むんですよ!!」みたいな感じで、「どぉ?すごいでしょー、縮むの、縮むの!」と言わんばかりな……。確か、20%は縮むらしいから、確かにかなりの縮み率だと思うけど、例外なくどこでも同じ説明をされると、なんか笑える、、、。

 一通り、工程を見せてもらえます。


絵付け。見事な筆使い、、、



釉薬付け



窯入れ(奥のおじさんの立っている横から手前にL字形に配されているのが窯)


 やはり、絵付けは、どの工房に行っても、思わず見とれてしまいますね、、、。それくらい、鮮やかな筆使いです。下書きもないところへ、思い切りよくサッサッと描いていく。同じ模様を何度も描くと、あんな風に描けるようになるものなのかしら。私なんか、何百枚描いても、ダメな気がするわ。


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 工房見学が終わると、ショッピングタイム。階下へ降りていき、、、


2階。高級品のフロア



1階。日用品(?)のフロア


 この工房のあるところは、一帯が焼き物店の集落みたいなもので、お店は他にもいっぱいある。でも、タカさんに連れてこられたお店なので、ここで何も買わないのもちょっと申し訳ないような気がしてしまう。この辺がツアーの難点と言えば難点かも。

 この店のお向かいのお店は、同じものが7割くらいの値段で売っていたし、もっと時間があれば他のお店を探索して、もっと安い店を見つけられたかも。

 とにかく、あまりにも色んな器があったので見ているだけで楽しくて、何を買おうか決められない。飲茶セットみたいのを買おうかとも思ったけれど、かなり荷物になるし、どうもなぁ、、、とか迷ってしまう。

 そして、根が貧乏性の私は、どうしてもみみっちぃ買い物しか出来ないのでありました。

 ……なわけで、戦利品はコレ!!


エスプレッソカップがお気に入り。スプーンの絵柄はトンボ


 青いのは「染付」、赤いのは「赤絵」。どちらも好きだけど、今回は赤絵が多くなってしまった、、、。これで、大体2000円くらいかなぁ。お向かいの店で買ったら、多分、1500円くらいだったかも。まあでも、その辺はあまり気にしていませんが。

 で、さんざん悩んで買い物を終えたところで、タイムアップ。バスの出発時刻と相成りました。


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 お昼は、“ベトナム風フレンチ”のコースランチとのこと。



こちらがランチのお店


 また、どんどん一気に出てくるコースか、、、と思いきや、こんなテーブルセッティングが。



 メニューはなかったんだけど、今回は、コースらしく、1品ずつ出されてきました。


サラダ。キュウリで巻いてある中身も野菜だった、確か、、、



野菜スープ。ブロッコリーが入っていると言っていた



メインはポークで、、、



デザートはバナナクレープ


 何でも、ハノイではちょっとした高級フレンチ店だそうで、シェフもフランス人だとか。確かに、店内の雰囲気とか、店員さんの応対は、この旅行では一番良く、まあまあ美味しかったです。というか、デザートが美味しくてホッとした、、、。ここでもあの甘いお粥だったらどうしよう、、、と思っていたので。写真撮り忘れたけれど、デザートと一緒にいただいたのは、コーヒーでした。

 最後の食事が良かったのは、ホントに良かった、、、。でも、一番美味しかったのは、ホテルの朝食のフォーだったかな~、やっぱり。


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 この後、一旦ホテルに戻り、全員集合。荷物をピックアップし、いざ帰途へ。

 帰りの飛行機の中では、同じツアーの若いお姉さんが、通路を挟んで隣になったんだけど、彼女が行きで見た映画『祈りの幕が下りる時』が「すんごい良かったですよ、泣いちゃいました!!」と勧めてくれたので、飛行機の中で見るには良いかと思って見てみました。

 ……が、もう、話に入り込む以前に、一通りの出演者を見て、犯人が松嶋菜々子しかいないでしょーよ、、、てなくらいにバレバレでドン引き。一応、サスペンスかミステリーだと思うけど、そんなもの蹴散らすキャスティングで、企画した人のセンスを疑うレベル。

 オハナシも、まぁ、小説で読めばそこそこ面白いのかも知れないけど、映像化にはちょっと厳しい2時間ドラマ以下。こんなん劇場で金払って見たら、怒り心頭だよなぁ、、、とか思ってボ~ッと見ていたら、終盤、小日向文世演じる父親と、菜々子演じる娘の、哀しい親子エピソードの回想シーンで、お姉さんの言うとおり、確かに泣いた!! 内容の善し悪しにかかわらず、こういうのって涙腺刺激するもんなんだよなぁ、、、。

 などと思いながら、ウトウトするうちに、無事羽田に到着しました。


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 さて、今回、バッチャン村でゲットした陶器以外に購入したものはというと……。



 これは、フォーのセット。乾麺と、粉末スープ、レトルトの具が入ったもの。お土産店で買ったので割高だった(400円くらい?忘れた、、、)けれど、何と、これが以外に美味しかった!!

 スープの出汁も良く出ていて、コリアンダーの香りもしっかり。具も、肉がちゃんと入っていた!! あまり期待していなかっただけに、これはちょっと嬉しかったわ~。




 これは、ジャコウネココーヒー。パッケージのイラストは、ジャコウネコです。コピ・ルアクとも呼ばれるけれど、これ、“ジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆”(by wiki)なの。

 同じジャコウネココーヒーでも、コーヒー豆採取用に“養殖”?しているネコから採った豆と、野生のジャコウネコから採った豆とあるらしく、当然、野生のものの方がお高い。そして、これは、その野生版です。これで、5000円くらいするんですよ~!!ビックリ。

 でもね、独特の風味とコクがあって、私はかなり好き。酸味が好きな人にはダメかもだけど、私のように、苦みとコクが好きな人にはウケると思う。製法を聞くとちょっとギョッとなるけど、これはなかなか。




 これは蓮茶。蓮の花のおしべだけを採取して乾燥させたものだって。こちらも、廉価版と高価版とあって、カモネギ観光客の私は、当然“高価版”を買いましたよ。

 でもね、、、。お手軽様にと、ティーバックのも買ってきたんだけど、ハッキリ言って味にそれほど差があるとは思えず。まあ、旅の思い出ですな。

 寝る前に飲むとリラックスできてよく眠れるとのことなので、時々、寝る前に飲んでいるけれども、寝付きの良い私は、このお茶の効果が体感できず。




 こちらは、ドライマンゴー。高級品だとかで、買ってみましたが、美味しい!! まぁ、日本でも美味しいドライマンゴーはたくさんありますが。

 ドライマンゴーをプレーンヨーグルトに浸して一晩置いておくと、ドライマンゴーはフレッシュマンゴーのように、ヨーグルトは水切りしたギリシアヨーグルトのようになる、、、とネット情報を見て、やってみようと思いながら、まだ試しておりません。

 以上、お土産紹介でした。


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 これにて、ハノイ旅行記は完結です。『インドシナ』ほとんど出てこなくてスミマセン。

 まあ、最初のハノイ体験としてはこんなものかな、と。思いつきで急遽行った割には充実した旅でした。何せ今回の目的は“ハロン湾クルーズ”だったので。これはツアーで行っておくのが正解かも。今度は、もう少し自由度の高い旅で、ハノイ市内をじっくり探索してみたいなぁ、、、と思っております。

 長らくのお付き合い、ありがとうございました。 







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ダンガル きっと、つよくなる(2016年)

2018-10-12 | 【た】



 以下、上記リンクよりストーリーのコピペです。

=====ここから。

 国内チャンピオンになったものの生活のため引退したレスリングを愛する男(アーミル・カーン)は、道場で若手を指導しながら、いつか息子を金メダリストにすることを夢見ていた。しかし生まれたのは女の子。それから神頼みに始まり、あらゆる産み分けを試したが、授かったのは4人連続女の子だった。すっかり意気消沈し、道場からも遠ざかる。

 十数年後、ケンカで男の子をボコボコにした長女と次女の格闘センスに希望を見出した男は、翌日から二人を鍛え始める。娘たちに男物の服を着せ、髪を切り、一家は町中の笑いものになるが、父は信念を曲げない。娘たちはささやかな抵抗を企て続けるが、やがて才能を開花させていく……。

=====ここまで。

 実話モノ。世界で総額約376億円稼いだという本作。アーミル・カーンにとっても最大のヒット作となったらしい。 

 
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 アーミル・カーン好きの映画友に誘われて、劇場に見に行く予定だったのだけど、そもそもあんまし気乗りしていなかった上に、都合もつかず見送り、、、。まあ、予告編を見て想像していたとおりのスポ根映画だったけれど、まあまあ面白かったかな。……でも、私はやっぱし『きっと、うまくいく』の方が断然好きだけど。


◆女のくせに、、、

 インドが舞台、ってのがミソだよねぇ。インドと言えば、いまだに根強い性差別。女は黙っとれ!的な風習が根強く残っている彼の国で、女が、しかもレスリングで、世界的に活躍するというオハナシなんだから。

 私が一番印象に残ったシーンは、姉妹が強くなって世界の舞台で活躍するシーンではない。

 姉のギータと、妹のバヴィータが、アーミル・カーン演ずる父親マハヴィルの理不尽なシゴキに耐えられず、友人の結婚式で愚痴る。「普通の父親は娘にレスリングなんかさせない。あんな父親いらない、、、」 ……それを聞いた花嫁になった友人は、涙ながらに姉妹にこう返す(セリフ正確じゃありません)。

 「私はあんな父親が欲しい。普通の父親は、娘が生まれれば掃除と料理を覚えさせて、14歳になったら顔も見たことのない男の所に嫁に出す。厄介払いするだけ。でも、あなたたちのお父さんは、あなたたちの将来のことを考えてくれている。いい父親よ」

 この友人の言葉が、姉妹を目覚めさせたんだよね。

 確かに、この父親は、自分の夢を娘に託すという自己チューパパに違いない。その鍛えっぷりは半端なく厳しいもので、姉妹がレスリングを止めたくて「(土の上での)練習で頭が砂だらけになってシラミが湧いて困っている」と訴えると、姉妹の長い髪をスポーツ刈りにしてしまうなんてのは、日本じゃ虐待だろ、という感じ。

 とにかく、女性が一人前扱いされていない環境にあって、姉妹は、同じ自己チューであっても、嫁に出して厄介払いする父親の自己チューよりは遙かにマシであることに気付き、自らトレーニングに積極的に励むようになるわけ。ここから、父親と姉妹の3人のスポ根ストーリーが本格的に始まるという次第。


◆この自己チューな父親は嫌いじゃないワ。

 でも、私はこの父親の姉妹の鍛え方にはほとんど不快感を抱かなかった。髪刈り事件はいただけないが、この父親は姉妹に体罰を加えないし、感情にまかせて罵倒することもしない。時に理不尽でさえあるシゴキには違いないものの、それは、ひとえに“レスリングに必要なものを身に着けさせる”ためであることが伝わってくる。いわゆる、根性論ではないところが、好感を持てる。ある意味、極めてロジカルなのよね。

 実際の父親と姉妹の関係がどうだったかは、もちろん知る由もないけど、少なくとも本作での描かれ方は、見ていても不快にならない。

 それ比べれば、強くなったギータが入った国立スポーツ・アカデミーのコーチはサイテーだ。もちろん、この人物は創作で、実際はこんなアホコーチではなかったと信じたいが、本作中でのコーチは、ギータの父親に露骨に対抗意識を燃やし、ギータから父親の影響を完全に排除しようとする、非常にちっせーヤツなのだ。まるで指導者の器ではない。

 ……でも、こういうタイプの人間は、実在するよなぁ、と見ながら思った。本人の持つ良さを認めない、まずは否定から入る人。そして、上手く行かないと、本人のせいだけにする。自分の言うことを聞かないから上手く行かないんだと。自分の言うことに黙って従ってればいいんだ! みたいな。自分の指導が本当に本人にとって良いのかどうか顧みる、ということを絶対にしない人。これぞ、パワハラが生まれるシチュエーションじゃない?!

 おまけに、このコーチ、観察眼もイマイチ。敵の分析力にも欠けるのか、コーチがギータにアドバイスする内容と、父親がアドバイスする内容は正反対。そして、ギータは(多分、彼女なりに考えた上で)父親のアドバイスに従い、コーチをイラつかせるが、結果的には試合に勝つ。それがますますコーチのプライドを傷つけ、コーチは父親を排除しようと躍起になる、、、。とまあ、この辺は映画上のシナリオだと思うけどね。

 この、父親VSコーチの感情的対立は、終盤の見せ所となる。大事な試合なのに、父親が観戦に来られない状況になり(もちろんコーチが仕組んだことなんだが)、試合中、客席に心の支えである父の姿を見ることが出来ないギータは、負ける寸前まで追い込まれ、、、(続きは、本作をご覧ください)。まあ、これは完全な創作だと思うけど、ちょっとやり過ぎだったような。このエピソードがあったために、私は却って盛り下がってしまった、、、。ごーん。

 途中、父親と、アカデミー仕込みのギータが対立し、直接対決してギータが父親を負かす、というシーンがあって、ここで力では“親を超える”という通過儀礼が描かれる。でも、実は精神的にはまだまだ超えられていなかったという厳しい現実がその後に展開し、なかなか、こういったところも見ている者を飽きさせない構成で素晴らしい。

 2時間半と、相変わらず長尺だけれど、長さを感じさせないエンタメにも仕上がっています。


◆その他もろもろ

 DVDの特典映像で、アーミル・カーンの肉体改造ってのがあったんだけど、これがマジで凄かった。中盤以降、彼の演じる父親は、ず~っと太っているのね。実際の撮影は、この太っているシーンから撮り、その後、減量して、痩せている現役選手の頃の撮影をしたんだとか。相撲取りのような身体が、ボディビルダーみたいな身体に変化していく様は、それはそれは見ものです。

 アーミル・カーン自身は、太るときは「好きなものを気兼ねなくたくさん食べることができ、幸せだった」とか。でも、太ってるバージョンの撮影が終わったときは「もう二度とこんなに太りたくはない」とも言っている。やはり、身体が重く、動きにくいらしい。

 彼は、『きっと、うまくいく』では10代の学生を43歳で演じ、その5年後には『PK』でサイボーグみたいな身体になっていたから、肉体改造なんて朝飯前かと思っていたら、やはり、そのためにやっていることはなかなか壮絶でシビアなものだった。でも、あんなに肉体を頻繁に改造していて、健康面は大丈夫なんだろうか。急激に太ったり痩せたりすると、かなり内臓にダメージが掛かると聞いたことがあるので、ちょっと心配。

 本作では、ギータに焦点が当たっているけど、バヴィータにもきっとドラマがあったに違いない。難を言えば、そのバヴィータのドラマがかなり薄かったことかな。まあ、でも尺を考えると致し方ないのかも。

 あと、音楽が面白かった! タイトルの「ダンガル」ってのはレスリングのことを指すらしいが、重要なシーンになると、BGMで ♪ダンガル・ダンガル、♪ダンガル・ダンガル、♪ダンガル・ダンガル……と、延々と続くんだよね、これが。見ている方も、手に汗握ります。



 








ギータは吉田沙保里選手・伊調馨選手とも対戦しているようです。




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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年)

2018-10-07 | 【と】



 以下、上記リンクよりストーリーのコピペです。

=====ここから。

 第二次世界大戦後、共産主義排斥活動“赤狩り”が猛威を振るうアメリカ。その理不尽な弾圧はハリウッドにも飛び火し、売れっ子脚本家ダルトン・トランボ(ブライアン・クランストン)は、議会での証言拒否を理由に投獄されてしまう。

 やがて出所し、最愛の家族の元に戻ったものの、すでにハリウッドでのキャリアを絶たれた彼には仕事がなかった。しかし、友人にこっそり脚本を託した「ローマの休日」に続き、偽名で書いた別の作品でもアカデミー賞に輝いたトランボは、再起への歩みを力強く踏み出す……。

=====ここまで。

 赤狩りに遭ったが故に、ここまで有名になったという皮肉。しかし、これだけ名作を多く書いているのだから、やはりスゴい。

 
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 何となく劇場まで行く気になれなかった本作。……まあ、DVDでも問題なかったかな。


◆異端は作られる

 アメリカは、今も共産主義が大っ嫌いなのは誰もが知っているけれど、当時の赤狩りが凄まじかったのは、それだけソ連が怖かったことの裏返しなんじゃないかなぁ、、、と、本作を見ていて感じた次第。嫌悪しているというより、怖がっている。犬が尻尾を後ろ足の間に入れて、むやみやたらに吠えまくっている、、、そんな感じに思えた。

 共産主義は弾圧しても良い、ってのが、今思えばやっぱりちょっとやり過ぎだったということだろうけど、当時の世界情勢を考えると、、、まぁ、仕方ないのか。だからといって、あんなやり方は許されて良いとは思えない。あれじゃぁ、魔女裁判と同じだろう。異端は、権力者によって作られ、それによって分断が生じ、詰まるところ、権力者にとって都合の良い状態が出来上がるだけの話だ。異端を作って自らを正当化することで、支持を得る。

 ……とはいえ、本作は、ちょっと描き方に難がある。

 つまり、トランボたちは犠牲者、反共主義者たちは加害者という、単純な二項対立的な構成になってしまっている気がする。共産主義者というだけであの扱いは人権無視もいいとこだが、反共主義者たちの描き方があまりにも酷すぎるというか、バカっぽく見せすぎで、ちょっと気の毒ですらある。確かに、反共主義者たちの言動は、脊髄反射に近いところも多々あるし、客観的に見ればバカっぽく見えるとは思うが、彼らなりの主義主張や理由もあったわけで、そこら辺の背景も、ちょっとは描いてあげてもいいんじゃないの? ってこと。

 それは、エリア・カザンが一瞬たりとも出てこないことにもつながるような。映画人として、彼をバカっぽい方の人たちに一括りにするのはやっぱし抵抗があったんじゃないか、とかね。『ローマの休日』の監督を、キャプラが降りたことも出てこない。私は、キャプラは嫌いだから、そういうエピソードが入っていてもゼンゼン構わないが、彼の崇拝者はたくさんいるから、やっぱり忖度したのかな、とかね。

 本作では、ソ連怖さの余りに、共産主義を異端とし、堂々と弾圧を国家を挙げて行ったわけだから、それは、国の歴史の汚点として記録されて然るべきだ。カザンもキャプラも擦ってもいないにしても、こういう映画がアメリカ自身によって作られるのは、まだ救いがある。


◆逆境で生き延びるとは、、、

 自らの腕一本で稼げる人、というのは、やっぱり凄いし素晴らしい。

 エディこと、エドワード・G・ロビンソンがトランボに「君は偽名で仕事が出来る。でも、自分は顔を晒さなければいけない仕事なんだ」というようなことを切実に訴えるシーンがある。確かに、俳優は、顔を晒さなければならない。トランボはその点、幸運だったと言えるだろう。

 しかし、彼が仕事が出来たのは、ただ運が良かったからではなく、彼に才能があり、次々に作品を書き上げる努力と根性が伴ったからだ。本作の架空の人物らしいが、トランボとともに赤狩りに遭った脚本家アーレン・ハードは、稼げないまま病死する。アーレンには、ヘンなプライドはあったが、才能も根性もなかったのだ。トランボは、プライドもかなぐり捨て、B級映画の脚本も厭わず書き上げた。逆境で生き延びる人と潰れる人の、典型的なパターンだ。

 私には、稼げる腕がないので、逆境に遭ったら即死するしかないのだが、逆境までではなくとも、自分が置かれた状況と、自分がなすべきことと、自分が目指したい方向性と、それらをきちんと俯瞰して、最適な行動を選択できるだけの審美眼と行動力だけは備えておきたい、とは思う。


◆その他もろもろ

 カーク・ダグラスを演じたディーン・オゴーマンが、カーク・ダグラスにそっくりでビックリ。ジョン・ウェインを演じた人はゼンゼン似ても似つかぬ役者さんだったのに。

 カーク・ダグラスが、あんな気骨ある人だったとは知らなかったわ。息子のマイケル・ダグラスのイメージが被ってしまって、どうしても、女好きのニヤけ男みたいに思っちゃうけど、ゼンゼン別の人だよね、親子って言っても。まあ、『スパルタカス』も実はイロイロあった映画みたいだけれど、、、。

 それにしても、 「アメリカの理想を守るための映画同盟」って、すごいダサいネーミング。大体、“理想”なんて言葉をスローガンに掲げるのって、嫌いだわ~。理想って、言っちゃった時点で、もうそれは実現を諦めているもののようにしか思えない。それに、この同盟の場合、そもそもの“理想”が何なんだかもちゃんと掲げられていないしね。そういう曖昧であやふやなもののために、自分が正しいと言ったり、他人を貶めたりするのって、ホントに馬鹿馬鹿しい。

 ヘレン・ミレンが、そのバカっぽさを体現する役を楽しそうに演じておられて、その辺はさすがだった。彼女がいたから、本作は締まったようにも思うわ。あ、あと、ダイアン・レインが、ちょっと年取ったけど、相変わらずステキなのも良かった。

 トランボが、浴槽に浸かってシナリオの構成を一生懸命考えているシーンが面白い。後年『ジョニーは戦場へ行った』を監督したエピソードとかあっても良かったんじゃない、、、? とも思ったけど、まあ、やっぱし蛇足かな。








「最も嫌われた男」じゃなくて「迫害された男」でしょ。




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